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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
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二葉という少女のホント〈二葉〉

 私、2日前のクリスマスイブの夜、10時ごろだったかな?ロメルちゃんにメリークリスマスってスタンプ送ったんだけど、全然既読になんなくて。



 そしたらさ、その次の日の昨日の25日、クリスマス当日の夜にロメルちゃんからのリプがやっと来た。



 その時のロメルちゃんの返信はめっちゃおかしかったんだ。




『二葉ちゃん。昨日はお返事出来なくてごめんね。私、夕べは屋上に出て宇宙と対話していたの。』


『は?宇宙と?』


『うん、私の心、星空でメルトアウェイして戻ってきた。カイルが助けてくれたから。』


『ん???‥‥‥‥何が起きた?意味不だよぉー!』


『うん、そうかもね。でも聞いて。戻ってきた私はまだまだ完全じゃないの。でも、カイルと二葉ちゃんがいてくれるから、大丈夫なの。』


『なんかあったの?変だよ。』


『うん、ショックなことがあって。でもそんなこと、もういいの。私、カイルと双子でよかったわ。カイルが側にいてくれたらそれでいいの。じゃ、おやすみなさい。二葉ちゃん。大好きだよ。』




 うん、私もロメルちゃんが大好きだよ。ふふふ。


 わかってる。


 すべて。


 本当は。


 でも、知らないふり。


 その方がいいでしょ?ロメルちゃん。


 私はいつだってロメルちゃんのミカタだよ。





 私、中村二葉のマインド。



 私のポジション。それは俯瞰。


 まあ、自分が関わる事に関してはそれはちょっと出来てはいなかったりするけどね。


 自分のこととなるとそれはムズい。失敗も多い。


 きっと、それには修行が必要だ。




『私あの子が好き。』


『僕、この子が気になるなー。』


『あの人の好きな人はだれだれさんなんだって。』


『あの子のタイプはこれこれこんな人らしいよ。そう言ってんの聞いたし、』


『ねえ、知ってた?あの子とあの子秘密で付き合ってるらしいよ。』


『いやいや、それもうとっく別れたって。』



 私たちの年頃はそんな話で持ちきりだよ。


 でもさ、私は好きだの嫌いだの言ってるよりも俯瞰してみんなの様子を観察してる方がよっぽど面白い。


 ほら、例えばクラスの人たちの個々の相互関係、そのつながりの強弱、そのつながってるマインドの種類は?恋or友情?リスペクトorいじり対象?ライバル視or単なる敵視?


 性格、成績、運動神経、特技、姿かたち、人脈、親の職業、生まれのステータス等によって出来てしまう上下関係。


 この他にもいろんな条件が加わって出来上がる教室内ヒエラルキー。


 できた序列だってほんのちょっとの出来事で変わっちゃったりする。


 私はこのヒエラルキーに取り込まれる気はさらさら無いんだ。


 そのためにはね、私、これに秀でてますっていうわかりやすい実力が必要。


 一目置かれるような。



   


 そーゆー見えないあれこれ。私はすべてではないにしろ、わりと掌握。


 こういうのって担任教師でさえ、見えてはいないんだ。


 先生なんてどうせ表面しか見てないし、見ようとしたって無理だよ。


 だって、これは同じ年の子の間でしか共有できない特殊なものなんだから。


 だからさ、もしいじめがあったとしても本当のことなんて真相は先生になんて解りゃしないよ。


 まして教育委員会とかいう、教室から離れた人たちにわかるわけないよね。

 教育のスペシャリストを名乗るおじさん、おばさんが外部から探って真相なんて無理。嗤える。


 ロメルちゃんはクラスの中で理不尽な立場に立たされてる。


 ロメルちゃんはきれいで、とっても優しくて素直ないい子なんだよ。


 それなのに‥‥‥‥‥それゆえに‥‥‥かな?


 ロメルちゃんは女の子が欲しかったものを全部受け取って生まれて来たような女の子。

 それなのに、威張ることもなく、高飛車でもなく、見せつけるでもなく、どちらかというと地味にしてた。


 それなのに一部の女子がさ。妬み嫉みうっっざ!


 こういうの対処できるのは結局は内側にいる子のみ。


 私はそんなロメルちゃんを助けてあげるんだ。


 それは、私はロメルちゃんが大好きだから。もち、友情だよ。


 ロメルちゃんだって私が困ってる時には真っ先に助けてくれるもん。





 そんでもって、今日の昼前。


 そんなロメルちゃんに片想いしてる流河くんからのメッセージ。


 はてさて、流河くんは何を知りたいのかな?



 私は今まで数回ほどだけど、聞かれたらロメルちゃんの様子を、差し障りない程度で提供してあげている。


 好きな子がどういう状況かって気になるよね。そりゃさ。


 流河くんは、細筋のスラッとした線のきれいな男の子。


 性格は単純。裏があんまり無さそうな子。基本ぶっきらぼうだしね。

 いつも不機嫌そうな顔してるけど、不機嫌ってわけではないことが判明してる。


 きっと、彼女が出来ても気の利いたおしゃれなこととかロマンチックな演出なんて出来そうにないね。っつーか、そういうことしようなんて思いつかなそう。


 でもね、私はわりと気に入ってるよ。

 このさっぱりしした性格と単純で乗せられやすい素直な思考。


 それに‥‥‥イブの偶発事件の時、寝たふりしてる私を見捨てて逃げなかったからね。


 ちゃんと抱っこして運んでくれたしね。




 Am I a tricky person?




 流河くんが私に聞きたいことは大体見当はついてる。




 流河くんが女の子になってたこと私がロメルちゃんにバラしてないか心配なんでしょ?



 ばかだね。私がそんな余計に自体をかき回す行為をするわけないよ。


 私だって多少は罪悪感、感じてるし。


 だって私が面白がって流河くんに女の子のまま出掛けるようにそそのかしたんだからさ。




 その上、あの出来事には私の『あえてしなかった』ことによる作為が働いてあーいう結果になったんだもん。




 流河くんには迷惑かけたって思ってる。

 




 あー、実はね、あの時寝ちゃってはいたんだけど、すぐに意識は戻ってたんだよね。ホントはさ。







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