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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
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マナカの部屋〈二葉〉

 私はお兄ちゃんと一緒にマナカさんのお宅まで、電車で一駅&徒歩で到着。

 ただいま午後2時30分過ぎ。すぐついちゃったね。

  


 これなら自転車で来た方がいい距離だけど、今日はケーキも持ってるし、自転車2台も止めたらご迷惑だってお兄ちゃんが言うから。


「きゃー!待ってたよ!いらっしゃい。」


 マナカさんはハイテンションかつ、キュートな笑顔で私たちを玄関で迎えてくれた。


 玄関の内側には流河くんが立っていた。



「よお!久しぶり。二葉さん。ヒトミさん、ちわー。」



「お?二葉、流河くんと仲良しっぽくね?」


 お兄ちゃんがびっくりしてる。


 私は先月、公園で流河くんの謝罪を受け、ついでに流河くんの恋のカウンセラー役に就任したことについては一切誰にも話してはいない。


 流河くんも、『俺が密かに謝ってたなんて誰にも言うなよ!ロメルの事も絶対他言無用だからな。』ってラインで言ってきてたし。


「うん、だって文化祭ん時、お話したじゃん。」


 私はごまかした。


「は?あれは、お話じゃなくてケンカだろ?まあいいや、今日仲直りさせてやろうと思ってたけど、大丈夫みたいじゃん。な、マナカ。」


「本当だね。この年頃は、気分がころころ変わるのよ。ねっ、流河。」


 お兄ちゃんとマナカさんにそんな魂胆があったとは知らなんだ。



 マナカさんも私と流河くんが連絡取り合ってることは知らないようだね。

 当然、先月公園でロメルちゃんと沙入くんと4人で会ったことも。

 流河くんがロメルちゃんに片想いしてることも。


 私はこそっと流河くんを見た。


 黙っとけとばかりに素知らん顔をしている。


 自分が『久しぶり』とかゆーからじゃん。ばーか。



「さあ、私の部屋に来て!こっちよ。両親は今日は仕事帰りに外で待ち合わせしてホテルディナーだから遅くまで帰らないの。だから多少騒いでもへーきよ!」



 階段を登って左側のドア。


 マナカさんのお部屋は想像してたのと全く違っていた。


 彼女の雰囲気からして想像してたのは、ベビーピンクのひらひらカーテンに白いベッド。

 棚にはかわいいぬいぐるみが並べられていて壁にはキュートな子猫ちゃん子犬ちゃんのカレンダーとかが掛かってる。床には白くてふわふわの敷物の上にガラスの小さなテーブル。白いチェストの上にはピンクのスイートピーの造花が飾ってある‥‥‥‥‥‥‥そんなお部屋。


 お兄ちゃんもそんなのを想像してたようだ。

 目に、狼狽の色が。


 実際のマナカさんのお部屋の机の上には色水が入った試験管が横一列に立てられ、よくわからないガラスの小瓶がならび、リトマス試験紙が散乱し、生命論から水生植物図鑑、二次的水性動物の進化と生態系図、古生物絵本やら少年マンガやら雑多に積み重なっている。


 壁に貼ってあるのは‥‥‥‥‥全身ツボ図!‥‥‥‥女子高生が何に使うのん?


 そしてカレンダーはダイナソー‥‥‥‥今月、12月のトリは大御所ティラノサウルスvsトリケラトプスだね‥‥‥‥うん。


 カーテンは落ち着いた緑色だけど‥‥‥‥‥なんだろう?この模様?ペイズリー柄?ううん、違う。これはユーグレナ!別名ミドリムシじゃん。この一本のひょろ毛。これって食糧難救うてってやつだっけ?

 こんな柄のカーテンどこのサイトで売ってんの?


 マナカさんって、変わった人だなー。

 見た目じゃわかんないもんだね、マジ。




「えっと‥‥‥‥マナカ、これ。お菓子とケーキ。ジュースも。」


 お兄ちゃんがマナカさんに持ってきた荷物を渡した。


「わあ、ありがとう!約束のケーキね。こんなにたくさんお菓子まで。そんなに気を使わなくていいのに。あら、こっちのバッグは?‥‥‥‥うっ!なんか臭い!わっ!これは何っ?」



 お兄ちゃんが持ってくれた荷物。


 私が用意してまとめて玄関に用意しておいた。中に余計なトートバッグが一

つ。


 私、そんなの置いといてないよ。


 ん?‥‥‥‥あれっ?このバッグは‥‥‥‥‥あの日に1日だけ使ってそのまま玄関の隅っこに放置しといたバッグ。



 マナカさんが中からビニール袋を2本の指でつまんでもちあげた。



 忘れてた!



 そういえば、流河くんの攻撃に備えて用意してたあれ!



 もう、1ヶ月経って熟成されちゃってるよね。もちろん。(かも)してるはず‥‥‥‥‥ヤバい‥‥‥‥‥



 いざというとき防御として投げつけようと思って持ってた秋に集めてたどんぐり&足元トラップ用バナナの皮3本分。




「そっ、それは‥‥‥‥お兄ちゃんが?」


 私はしらばっくれた。


「俺?何それ?うわー!臭っっ!」



マナカさんが目の前まで持ち上げて中身をまじまじと観察している。



「‥‥‥‥‥これはっ!幼虫!!」



 マナカさんは腐ったバナナの皮にまみれて各自体長約2~4センチ、体幹が目視で5ミリから1.5センチには成長していると思われる白及び乳白色、半透明のムニムニ数種類数匹を恐れもせず見ている。



 どんぐりから幼虫生まれて育ってんじゃん!うわー!キモいのがむにむにしてる。何匹いんの、それ?


 放置どんぐりやばし。



「もしかして、ハムジャンにまでクリスマスプレゼントなの?さっすがヒトミ!気が効いちゃってー、もうっ!新鮮じゃん。でも、大きすぎてハムジャン怖がっちゃうかも。あー、サナギになってからあげようかな。とにかくサンキュー!」



 マナカさんのペットのハムスターの生き餌だと思ったらしい。


 とても喜んでくれた。


 流河くんは蒼白になって壁際まで待避してるけど。



 お兄ちゃんは何がなんだかわかってないけど、マナカさんが喜んで褒めてくれたので照れている。



 丸く収まってラッキー!



そして、私たちは和気あいあいとお菓子を食べ、ケーキをほおばり、ゲームの腕前を競い、おしゃべりをして楽しく過ごしていた。



「あー、お腹一杯ね‥‥‥‥ちょっと動いた方がいいよね。そうだ!私、二葉ちゃんと仲良くなったしうれしいな!二葉ちゃん、ちょっとメイクしておしゃれして散歩に行こうよ!私がヘアメイクしてあげるわ。私、手早くミラクルチェンジさせちゃうよ!」



「おう、よかったな!やってもらえよ。二葉。マナカすげーんだぜ!」


お兄ちゃんも勧めてくるし、私もメイクなんて七五三以来で面白そうだからやってもらうことにした。







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