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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
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回想 〈流河〉その2

 俺は沙入とロメルの姿を探し公園内の遊歩道を駆け足で回ったけど見つけられずにいた。


 二葉さんと、手分けして探すために別れて10分後くらいに沙入からラインが来た。



『流河、ロメルを助けてくれたんだってな?サンキュー!』


『俺、今日はロメルと二人きりでいたい気分。』


『悪いな。ねーちゃんの彼氏話は二葉って子から聞いて。それ、一番良くわかんじゃね?』


『明日10時には店にいるから。じゃあな。』



 これって、探すなってことかよ?


 どうなってんだよ?


 沙入、結構強引にロメルを連れて行ってたよな?今も無理やり引き留めてんじゃねーのか?



 俺は返信を送ったけど返事はない。



 俺は元の場所に戻ると、二葉さんがベンチに座って小さなペットボトルのほうじ茶をのみながらワッフルを食べていた。

 横に大きなコンビニの袋が乗っている。



「やあ、お久しぶりだね。流河くん。もぐもぐ‥‥‥‥」


 まるで、小学生が一人ピクニックしてる風情だ。


「‥‥‥‥‥‥おまえ‥‥‥‥ぜってー探しに行ってないだろ?」


 こいつ‥‥‥‥時間的に見て俺と別れてから5分後にはコンビニ向かってんだろ?


「んっ、もぐもぐ‥‥‥‥ごっくん‥‥‥えー!行ったよ。でもさ、あんなとこに絶対いないしー。小腹がすいたから、コンビニでおやつ買って来て休んでたんじゃん。流河くんも何か買ってくればー?もぐもぐ‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥俺はいい。」


 俺はとりあえず隣に座った。


「もぐもぐ‥‥‥‥‥コンビニにいたらさ、ロメルちゃんからライン来た。」


「何て言ってた?」


「芝の細かい枯れ草取れないって。」


「?」


「コートから髪の毛の中まで、細かい枯れ草がたくさんついちゃって取れないんだって、二人とも。だから、今日はもう解散だって。」


 二葉さんは新たにワッフルを袋から取り出しながら言った。


「どういうこと?二人で草の上ごろごろしたってこと?」


「だろうねぇ。もぐもぐ‥‥‥」


「‥‥‥‥‥‥‥‥」


「青春だねぇ。‥‥‥これはきっとしたね‥‥‥‥もぐもぐ‥‥‥‥‥」


 二葉さん、小学生みたいな女の子が何想像してんだ?


「‥‥‥‥まだ、決まったわけじゃねーだろ。ただ、寝転んで空見てたとかだろ。」


「‥‥‥‥‥‥‥もぐもぐ、ごっくん。私だって、そう思いたい所だけど‥‥‥‥私の計画が‥‥‥‥‥うちの未来の嫁盗られたー!くぅー!」



 二葉さん、突然立ち上がって怒りだした。



「くっそぉ!あの沙入とかいう男子めっ!よくもうちの嫁をっ!」


 地面をバンバン地団駄踏んでる。


「嫁って?なんだそれ。まあいい。沙入たち、それだけじゃまだわかんねーじゃん。」


「‥‥‥‥‥‥‥わかるよ。だって‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥だって?」


「‥‥‥‥‥‥沙入くんがラブソング作ってくれてロザリオくれたって。ロメルちゃんが。」


「ええっ!待ってくれ!それ、マジかよ?」



 沙入が作ったラブソング‥‥‥‥‥ロメルに‥‥‥‥‥それは、もうやばい。

 沙入どんだけロメル狙ってたんだよ?沙入‥‥‥‥おまえ、本気だな。


「んで、ロメルは受け取ったのかっ?」



「もぐもぐ‥‥‥‥‥‥たぶん。知らんけど。もぐもぐ‥‥‥‥」



二人のこと、めっちゃ気になるじゃん。


でも、あの沙入がそこまでマジに攻めてたなら、ロメルは既に完落ち‥‥‥‥‥?


俺は沙入にスタートから出遅れた。


でも、ロメルの答えははっきりとはわからない。


はっきりするまでは‥‥‥‥‥俺だって。




「‥‥‥‥‥いつまでも食ってんだよ?二葉さん。」


「もぐもぐ‥‥‥‥やけ食いっす!もぐもぐ‥‥‥‥」


「ワッフル何個食ってんだよ一体よぉ?」


「まだ3個目。まだたくさんあるよ。5個入り×3買ったから。」


「‥‥‥‥‥‥でさ、なんで二葉さんがやけ食いなんだよ?うちの嫁って何?」



 よくわかんねー子だな、二葉さんって。



「私、お兄ちゃんとロメルちゃんに結婚してもらいたかったんだもん。」


「何でロメル?‥‥‥‥二葉さん、だからヒトミとマナカのこと気に入らなかったのかよ?」


「違う。お兄ちゃんを誰かに取られんのやだもん。」


「‥‥‥‥二葉さん。言ってることが矛盾してる。ロメルだったらいいのか?」


「うん。私ロメルちゃんが大好きだし、ロメルちゃんだったら私からお兄ちゃんを全部取り上げたりしないもん。」


「‥‥‥‥‥二葉さんはヒトミが好きなんだな。」


「うん。お兄ちゃん優しいもん。勉強も教えてくれるし、いろいろ役に立つし扱いもちょろいし。」


「‥‥‥‥‥ちょろ?‥‥‥‥‥ふーん。ま、いいお兄さんなんだな。」


「うん。」


「マナカも、そうだぜ。マナカも、優しいし、俺や、友だちが困ってたら絶対助けてくれる。きっと、二葉さんが困っていても同じだと思う。そんなねーちゃん。」


「‥‥‥‥‥ふーん。流河くん、お兄ちゃんとマナカさん付き合っててもいいんだ?怒ってたのに。」


「‥‥‥‥俺謝ったじゃん。‥‥‥‥ヒトミが本当にマナカが好きならそれでいい。二葉さんも、マナカのこと認めてやってくれよ。」


「私もさ、ロメルちゃん嫁の夢は破れたしさ、マナカさんがお兄ちゃんを私から全部取らないならそれでいい。マナカさんと付き合いだしたお兄ちゃんは奇妙な行動が始まってそれはそれで面白いし。」


「ヒトミを全部取るなんて‥‥‥‥できるわけないだろ!二葉さんは仲のいい妹なのに。考えすぎだっての。」


「‥‥‥‥‥そう。あんた、思ってたのと違った。‥‥‥‥‥せっかく用意してきたけど。」


「俺のことどんなだと思ってたんだよ?よくわかんねーけど。」


「今日は私を油断させて攻撃してくるかもって思ってた。」


「俺が?まさか。で、二葉さん‥‥‥‥用意してきたって?」


「大したものじゃないよ。気にしないで。カラスも虫も持ってないし。」


「?」


 無表情で大きな目を俺に向けて言った。


 ほんと、よくわかんねーやつ。二葉さんて。


 でもこれで、俺と二葉さんは通常モードになれたようだ。文化祭の日の(いさか)いもこれでチャラだ!



 残るは沙入とロメルのこと。





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