表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
43/142

回想 〈流河〉

「ほら、流河。流河の部屋のテーブル、私の部屋に運んどいて。」


 マナカは学校から帰って来たと思ったら、俺の部屋を乱暴にノックし、ガチャリと突然開けて命令した。


「わかった。けど、いきなり開けんなよ!俺のプライベート空間をさ。」


 むすっと言った俺にマナカはニヤニヤしながら言った。


「はいはい。流河も思春期マックスってことね。ふふふふ。中で一人何してることやら‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥妙な妄想してんじゃねーぞ!」


 俺はドアを押し返して閉めた。


 まったく‥‥‥‥マナカはしょうもねぇ姉貴だぜ。




 今日はクリスマスイブ。


 今日はマナカの部屋でクリスマスパーティーをすることになっていて、なぜか俺までそれに参加させられることになっている。


 マナカの彼氏のヒトミが是非、俺に会いたいとかで。

 そういや、俺とも仲良くしたいだの言ってるって前にマナカが言ってたような。


 マナカは妹の二葉さんも誘ったらしくて、二葉さんから俺に行ってもいいかとラインで聞いてきた。


 俺に聞かれてもなぁ?


 別に俺が誘ってるわけじゃないし、マナカが誘ってんだから、来たきゃ来ればいいのにな。


 なんで、俺と二葉さんがラインでつながってるかと言うと、それは忘れもしない、あの日の出来事のせい。





 俺はあの日、あの事を知るのがほんの少し遅すぎたせいで運命が変わってしまったんじゃないかって‥‥‥‥‥、結果論に過ぎないのはわかってるけど。

 



 思い出すあの時の事‥‥‥‥‥忘れられない、ロメルとの出会いの日のこと。今だって鮮明に覚えている‥‥‥‥‥




 俺と二葉さんを残し、ロメルを連れて移動した沙入。


 その間に俺は二葉さんに文化祭ん時の非礼を謝った。たぶん、二葉さんは許してくれたと思われる。知らんけど。


 そん時、発覚したのは、ロメルは沙入の彼女じゃないってことだった。


 ロメルは親友の二葉さんだけにはその事を話したそうだ。



「沙入って男子はロメルちゃんのフェイク彼氏してるだけなのになれなれしくし過ぎだよ!」


「何だよそれ?ロメルのフェイク彼氏って?フェイクって偽物だろ?ロメルは沙入の彼女じゃん。」


 俺は二葉さんの言ったことがよく理解できなかった。


 でも、話を聞いた所によると沙入はロメルに頼まれて彼氏の振りをしていただけという。


 ロメルは事情があって、沙入に彼氏の振りをしてもらってるだけだって。




 でも、沙入は俺にはロメルを彼女にしたって言った。


 ロメルとの、彼氏の振りをするっていう約束を俺に対しても守った?



 いや、違う。



 沙入は振りをする気なんてさらさらなかったんだ。



 その時、俺には沙入の考えてる事、すぐにわかっちまった。



 沙入は人の選り好みが激しい。


 好きでもないやつらは大抵シカトする。話しかけられても適当に返事をしてあしらう。


 学校でも事務的な話以外は気に入ったやつとしかほぼ話はしない。



 そんな沙入がただの人助けで彼氏の振りをするのを引き受けるなんてありえない。


 それって沙入は100%ロメルのことが好きだってことじゃん。




 沙入はロメルを本当の彼女にする気だ!




 おい、ちょっと、待ってくれよ!


 俺、ついさっきロメルと知り合ったばっかだけど‥‥‥‥‥‥


 一目惚れって訳じゃない。でも、めちゃ気になってる。


 ロメルが沙入と二人きりでいるなんて嫌だと思う。




 俺の右腕に突然しがみついて来たロメル。


 俺は驚いて振り払おうとした。でもロメルはぎゅっと俺の腕を抱え込んで。


 俺の心ない一言で涙を流したロメル。


 涙、強がって隠してた。


 俺と手をつないで走った。


 ロメルの華奢な指が俺の手を握る。


 半分こして飲んだペットボトル


 顔、赤くしてるロメル。



 俺はもっとロメルのこと知りたいし、もっとロメルと話したい。


 これきりにしたくない。



 俺、こんな焦燥感は初めてだ。



 とにかく、沙入とロメルを早く連れ戻そう。続きはそれからだ。



 俺は二葉さんに言った。


「沙入とロメル、いつまで経っても戻って来ねーじゃん。探しに行こうぜ。」


「やみくもに探したってしょうがないじゃん。私がロメルちゃんに電話してみるよ。」


 二葉さんはロメルに電話したけど、応答なし。


 俺も沙入に電話したけど出なかった。



「おい、手分けして探そうぜ!公園のどっかにはいるんだろ。ほら、二葉さん、俺のライン登録して。早く。見つけたら教えろよ!」


「じゃあさ、見つかんなかったら今から30分たったらここに集合だよ。」


「了解。」





 ってことでそん時、二葉さんと連絡用につながった俺たち。


 今でもたまに、俺ら、ラインで話す。


 なぜって‥‥‥‥‥


 なんでだかわかんねーけど、二葉さんには俺の気持ちがバレていた。


 俺がロメルを好きになっていたってこと。


 俺、誰にも一言だって言ってねーのにさ。参ったぜ。



 あいつはロメルの親友。ロメルのこと、一番知ってんのはあいつ。




 だから、あの日以来二葉さんとは直で会っては無いけど、ラインでたまに話す。


 俺の唯一の、沙入とロメルの情報源として。





 沙入はあれ以来、俺にはほとんどロメルの話はしない。


 俺も沙入にロメルとどうなってるかなんて聞くことはない。


 なんか、なんとなくだけどロメルのこと話すのは俺と沙入の禁忌みたくなってるから。


 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ