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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第1章
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悩める少女

 私、蛇ノ目(じゃのめ)ロメル。


 中2の悩み多き女の子。



 何をそんなに悩んでいるかって言うと‥‥‥‥‥

 一番悩んでることはなぜかモテ過ぎること。


 何高飛車なこと言ってんの?って言われちゃうかもだけど、でも本当に困ってるの。


 例えばほら、あの今、学級会の司会をしている雪村くん。


 今あの子が私のことが好きだって噂がクラス中で立っている。


 そしたら、ほら、あの雪村くんと一緒に並んで司会している白玉さん。


 あの子は雪村君にずっと前から片思いでお熱。当然雪村くんと私の噂なんて面白くないよね。



 でね、白玉さんはまるで付き合ってた彼氏を私に盗られたのかのごとく悲しそうな目で私を見て来て、それで白玉さんと仲のいい善財(ぜんざい)さんと亜月(あづき)さんが白玉さんに同情して私に何かと突っかかって来るわけよ。


 ちょっと雪村くんが私に話しかけて来ただけでもう‥‥‥‥‥


 うるうるしている白玉さんを挟んで善財さんと亜月さんが憎々しげに私の方をチラチラしながらひそひそ話。遠くで近くで睨んでくる。



 まるで私は犯罪者のごとく。



 私は別に雪村くんのこと好きでもなんでもないのに。


 ほんと、私を巻き込まないで欲しいわけ。



 で、クラスにはそんな男子が何人かいて。それに伴いそんな女子も何人もいて。


 もう、私はクラスでは針のむしろ。


 親友の二葉(ふたば)ちゃんがいなかったら私、登校拒否している所だわ。



 中村二葉ちゃんは小学校の頃からのお友達。


 小学校の頃はそんなに仲がいいわけじゃなかった。でも、中2のクラス替えで一緒のクラスになってからだんだん親しくなっていった。



 この2年2組。私も含め36人。

 6月ごろから段々居心地が悪くなってきていた。


 私に話しかけてくれる女子が少なくなって来て、12月の今では私とお話してくれる女子は17人中たったの3人。

 その中で、二葉ちゃんは特別に仲良しなの。


 ここの学校には二葉ちゃんの好きな人はいない。

 それは二葉ちゃんが好きなのは今の所、彼女のお兄さんだけだから。


 二葉ちゃんはね、究極のお兄ちゃんっ子なの。


 私は会ったことは無かったのだけど、なんでもすっごくかっこよくって秀才で、優しいお兄さんだとか。

 だからお兄さん以上に素敵な男子が現れない限り彼氏は要らないんだって。


 実物はどんなお兄さんなのかしら?ってずっと思っていた。


 そんなに素敵なお兄さんがいるなんて羨ましい。私にも兄がいるけど‥‥‥‥

 それはとても特殊で‥‥‥‥‥便宜上兄なんだろうけど、ちょっと兄とは呼べない兄。



 それはともかくとして、昨日の文化の日の祝日に私、ついに二葉ちゃんのお兄さんに御目文字(おめもじ)することができたの。


 それは二葉ちゃんのお兄さんが通っている落花生(おかき)高校の文化祭でのこと。

 私は二葉ちゃんに誘われて、学校見学も兼ねて行くことになったの。


 お兄さんが入っているのは錦鯉研究部という変わった部活で、実際はどんな活動をしているのかはわかんなかったけど、文化祭ではそこのメンバーで鯉が出てくるお話の演劇をするってことだった。


 二葉ちゃんのお兄さんは鯉の化身と救いの神様の一人二役するらしい。


 二葉ちゃんと私は劇が始まる30分前に、かなり早めに行って並んで待っていることしたの。


 列に並んでいるとすっごい美形の素敵な高校生のお兄さんと背が高くてカッコいいお兄さんの二人が列の案内をしていて、私、もしかしてこのどちらかが二葉ちゃんのお兄さん?って思ったら違っていた。


 まあ、そうよね、もうすぐ劇に出るのにこんなところにいるわけないよね。

 だって、二葉ちゃんのお兄さんはすっごくかっこよくって秀才で優しいって言ってたからついこんな感じかなって思ってしまって‥‥‥‥‥


 時間が来て入場すると、中で劇に出演する人たちが並んでお迎えしてくれていた。


 二葉ちゃんはその中の一人にいきなり抱きついた。


『お兄ちゃーん!来たよー!』


 あれ?これが二葉ちゃんのお兄さんなんだ。


 私が想像してた人と随分違っていた。二葉ちゃんとも全然似ていない。

 でも、確かに優しそうな、安心感のあるホッとするようないい人って感じがする。



 そのお兄さんが隣にいた二葉ちゃんと同じ位の身長のかわいらしい浴衣姿のお姉さんのことを彼女だって紹介した。


 そしたら二葉ちゃん、その時初めて彼女の存在を知ったらしくって‥‥‥‥‥


 もうそれからが大変だったの!


 ちょうど、その彼女の弟さんとそのお友達も来ていて、その弟さんとも口喧嘩を始めちゃうし、私どうしていいかわからなくって‥‥‥‥‥


 二葉ちゃんは知らない間にお兄さんに彼女ができていたことがすごいショックみたい。

 きっと彼女にお兄さんを取られてしまったように感じたのかな‥‥‥‥お兄さんがちょっと遠くに行ってしまったような?そんな気持ちになってしまったのかも。


 それからはもう二葉ちゃんはご機嫌がめちゃめちゃ悪くなってしまうし、せっかく見に来た劇も見ようともせず目を瞑っちゃうし。




 劇が終わってからもまた彼女のマナカさんの弟さんとひと悶着。


 きっとこの分では当分二葉ちゃんのご機嫌は直りそうにないの。


 困ったな。二葉ちゃんが学校で私に話すことの50%はお兄さんのことなのに、話すことが半分なくなってしまったらどうしよう。私、教室で二葉ちゃんが側にいて話してくれないと困った状況になってしまう。


 いつも男子をそのオーラで恐れさせている二葉ちゃんが横にいてくれないと、私の周りには男子が集まってきてますます女子に遠巻きにされてしまうの。


 どうしよう‥‥‥‥‥!


 私はその時そんな風に考えて途方にくれていた。



 私が騒動を青ざめて見ていたら、マナカさんの弟さんのお友達が話しかけてきてた。

 この二人を何とか落ち着かせるため協力しようということになって、私とその弟のお友達の水籠(みごもり)沙入(さいり)くんはラインで連絡を取り合うことにした。


 私達の新黒豆(しんくろず)中学校の隣町にある青豆(あおず)中学校の同じ中2だということだった。自転車でなら結構すぐみたい。


 相談する人ができたのはよかったけど‥‥‥‥


 これからどうなっていくのか不安だわ‥‥‥‥









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