対策はムズい〈二葉〉
私は自らが自らに課したクロウゲットミッションをクリア出来なかったため、新たな兵器を考えなければならなかった。
私は力がないから、ボール投げたってほとんど目の前にぽとん‥‥‥てことになるし、真面目な話、ペットボトルのジュース1本余計に持ち歩くだけだって重くて途中で投げ捨てたくなるくらいなんだ。
もち、教科書はロッカーに置きっぱピーポー。
だからペットボトル持ち歩き不能、ということで振ったコーラとかぶっかけるとか無理だし、この年になって虫を投げつけるのもいかがなものかと思って、ハム三郎用の活きのいいミルワーム、家にあったから持ってこようとしたけどやめた。
持ち運び軽くて私に使える武器となると‥‥‥‥マジ限られている。
色々考えたけど、いい案が浮かばなくってさー。
家ん中、何かいいものないかと必死で探し回ったんだけど、こんな狭っちいマンションの一室に大した物なんてないよ。
あー、家柄のあるやり手のご先祖様を持ってる家なら土蔵とかあってさ、お宝がたくさんあってさ、その中に武器とか、秘薬とか、秘伝の巻物なんかがあってさ、敵を陥れる数々の方法なんかが記されているんだろうけど。
だって、そうじゃないと成り上がれるはずないじゃん?
庶民にはそんな気の利いたものなんてありゃしない。
家の能天気な性格の家族を見ればわかるでしょ。
ふつーの優しいお母さんと、皆を冷え性に瞬時に変えてしまう下らないだじゃれをいつも考えるのが趣味のお父さん。あのお人好しのお兄ちゃん。
どう見ても殺られる側の人たち。
ああー、だから私が一人で何とかしないとね。
地球にもピクミンいればいいのにー。
なんもない家の中、それでもベタなものだけどなんとか使えそうなものを発見した。
これは防御用。
それに加えてあるものを3本分ばかり用意しておいた。
これは攻撃力はないけれど、トラップ用アイテムだね。
私はそれらをバッグの外側からそっと触って確かにここに入っていることを確かめた。
「遅っせーぞ!お前ら!3分遅刻だぜ?流河先に来てたんじゃなじゃったのかよ?」
一人の色白の男子がスラッとした長い脚を組んで背もたれに腕を乗せベンチにでかい態度でだらしなく座っていた。
「わりぃ、沙入。ちょっとうろうろしててさ。」
流河のやつはロメルちゃんと何かあったらしきことはまだ言わないらしい。
「ごめんなさい、遅れてしまって。おはよう、沙入くん。」
ロメルちゃんが言うと、
「‥‥‥‥‥‥ちげーだろ?」
不機嫌な顔でその男子は答えた。
「んっと、おはよう、沙入。」
ロメルちゃんは恥ずかしそうに言い直した。
「おはよ、ロメル。会いたかったぜ。とりあえず隣に座れよ。」
沙入という男子はロメルちゃんに言ってから私とあいつに言った。
「俺、ロメルに用があるからさ、お前ら向こうで話してこいよ。流河、こいつに謝んだろ?」
んんん?
沙入って子はフェイク彼氏じゃ無かったの?
まるでロメルちゃんの本当の彼氏みたいじゃないですかー?この態度。
どうなってんの?
沙入は会った早々、既に私と流河は透明人間になってしまったのごとく無視している。
ロメルちゃんの肩に腕をまわして、耳元で何かささやいている。
一方流河ってやつを見れば、流河は流河で沙入とロメルちゃんを黙って見つめている。
なになに?この流河ってやつの視線!
ちょい、イラついてる?
‥‥‥‥まさかこの二人にロメル効果発動しちゃってたって訳?
お兄ちゃんにはまったくの無効だったのに!
困るよー。こいつらにロメルちゃんを本気で狙われても。
ロメルちゃんは我が家の嫁になる予定なのにさ!
‥‥‥‥こいつら、まとめて妨害しなくては。
さて、とりあえずどうする?




