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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第1章
33/142

二葉は知っている〈二葉〉

 私はロメルちゃんとの待ち合わせのコンビニ前に約束の時刻の5分前についた。


 そしたら、なんと同じクラスの小白、麻井コンビに出くわした。


「おっはよー!小白くん、麻井くん。」


 私が言うと、なぜか二人はスッゴク驚いた顔をした。


「何してんのー?」


 私が聞いたら、


「お前、もしかして、蛇ノ目と待ち合わせ?」


 小白くんが言った。


「そーだよ。何で知ってんの?もしかしてそこいらで会った?」


「まあな。何人で待ち合わせてんだよ?蛇ノ目は男と二人で先にどっか行っちまったぜ!くっそ!じゃあなっ!」


 小白&麻井コンビは不機嫌な顔で去って行った。



 どういうこと?



 もしかして沙入って子ともう一緒にいるのかな?


 でもここにいればもうすぐ来るっしょ。



 さっきのはロメルちゃんラブの小白くん。


 小白くんはロメルちゃんを一目見たときからずっと好きだったらしい。

 それは、もう小学校の頃かららしいから7年は経ってるかもね。


 結構一途なんだね。見かけによらず。 



 実際ロメルちゃんにアタック始めたのは中2になってから。


 小白くんは中1の夏休み明けからデビューしちゃってさ、いきなりシルバーアッシュヘアで登校してきた。

 なんでも、お気にのキャラの真似したらしい。まあ、似合ってたけどね。


 先生に怒られてしぶしぶ黒髪戻ししたんだけど、冬休み、春休みと、休み毎にアッシュミント→黒→金髪→黒と繰り返して今年の夏休みはなんと赤くしてたんだよ。

 そんなにしょっちゅう染めて、毛根大丈夫なのかなー?よけーなお世話ってか。


 そんな小白くんだけど、女子には人気なんだよね。


 ちょい悪なとこがいいらしいよ。私にはわからないけど。


 ロメルちゃんは真面目な子だから引いちゃってるけどね。



 でさ、私こいつとは腐れ縁でさ、なんと!小学校6年間同じクラスだったんだよ?


 これってすごくない?


 中1でやっと離れたと思ったらさ、2年でまた一緒!ってことは来年も一緒だよ。もうクラス替えはないから。

 お互いうんざりしてんだけどねー。特に向こうが。



 というのも、小白くんはクラスのヒエラルキー上位にいるんだけど、私には強く出ることは出来ない。


 なぜって、私は小白くんの小学校時代の黒歴史の数々を知ってるわけだし、後はお兄ちゃんの影響だね。


 ってか、私自身はそういうクラス内身分差は超越した存在だけどね。



 小白くんは小学校時代に私のお兄ちゃんにずいぶんと世話になってんの。


 お兄ちゃんはあんな、のーてんきっぽくて気さくな男子だから年下の子にも人気があって、公園でもよく一緒に遊んでいた。


 その中に当時は純粋でかわいかった小白くんもいてさ。


 犬のうんちふんずけて泣いてた小白くんの靴から木の棒で除去してあげたのは家のお兄ちゃん。


 木登りして、行きはよいよい帰りは怖くなって降りられなくなった小白くんを助けたのもお兄ちゃん。


 遅くまで遊び過ぎてお母さん怒られるのが怖くて帰れなくなってた小白くんを家まで送って行って一緒に謝ってあげたのもお兄ちゃん。


 あ、ついでに小白くん当時、お母さんのことママって呼んでた。あー、あの頃はかわいかったねー?


 今じゃ粋がってるけど昔は私がカミキリ虫のひげを持ってぷらぷら目の前に掲げただけでぎゃーぎゃー叫んでたんだよ。


 あははー、まだまだいっぱいあるよん。



 あれ?道路の向こうにロメルちゃん!


 んんん?


 なーんで、あいつと一緒にいんの?


 忘れはしないあの顔!


 私とお兄ちゃんの敵!池中流河!



「ロメルちゃん!」



 私はコンビニ前の横断歩道を公園側に渡った。



「おはよ!」


 私はロメルちゃんに言った後、天敵認定人物、池中流河を睨んだ。


「よお!」


 そいつは、私に馴れ馴れしく言った。


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


 私は眉をしかめていかつい顔をしてみた。


「ぷっっ!いきなり変顔の練習かよ?おもしれーな、お前。」


 いやらしく嗤いながらそいつが言った。


「あっ、あの、沙入くんが待ってるかも。早く行かないと。」


 ロメルちゃんがそわそわしながら私とそいつに言った。


「いっけね!早く行こうぜ。」



 そいつは先頭を切って公園に入って行き、私とロメルちゃんは並んでその後ろからついて行く。


「さっきさ、小白と麻井にあったんだよ。ロメルちゃんも会ったんだ?」


「うん、何か言ってた?」


ロメルちゃんの顔が曇った。


「別に。でさ、何でこいつと一緒に?」


「コンビニ前で二葉ちゃんを待っていたら偶然会ったの。」


ロメルちゃんは前方を歩くあいつの後ろ姿を見て微笑んだ。


「どこ行ってたの?二人でさ。」


「えっと、駅の方。」


何しに行ってたんだろ?


「ふーん。」


 私の脳内細胞がささやく。


 ロメルちゃん+池中流河+小白+麻井=何らかの変事あり


 さっきの小白くんたちの態度からしてね。すぐに見当はついた。


 ロメルちゃん+池中流河 vs 小白+麻井


 だったんだね。


 こいつがロメルちゃんを護ったんだ。ふーん‥‥‥‥


 まあ、未来の家の嫁、ロメルちゃんをプロテクトしたことは称えてやろう。


 でも私、ロメルちゃんから沙入って子が男子避けのため偽物彼氏をしてくれることになったって聞かされてた。こっちの池中流河については沙入くんの親友ということ以外ほとんど知らないって言ってたのに。



 こいつ、いつの間にロメルちゃんに取り入っちゃってんの?


 油断ならない男子だね。


 私は肩にかけたバッグに忍ばせし『武器』の感触を、布製バッグの上からそっと確かめた。





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