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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第1章
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親友はシスコン

 あ、俺、水籠(みごもり)沙入(さいり)


 中2の男。


 今日さ、俺の同じクラスのダチの流河(ルカ)ってやつとさ、落花生(おかき)高校の文化祭に行って来たんだ。


 なんでも流河(ルカ)のねーちゃんがそこの高校に通ってて、部活の出し物で演劇やるとかで。

 ついでに受験に備えて学校見学もできるしな。今のうちに色々見ておいた方がいいし行くことにした。


 何でもその流河(ルカ)のねーちゃんは錦鯉研究部って変な部活やってるらしいんだけど聞いたことねーよな、そんな部活。錦鯉と演劇ってなんかかんけーあんのか?ま、どうでもいいけど。


 俺の親友は池中流河(ルカ)

 流河(ルカ)は俺と気がめっちゃ合ってさ、いつもつるんでる。でさ、あいつ歌上手(うめ)ーし、俺がエレキギターやってさ、そのうちにいいメンバー揃えてさ、バンド組みてーと思ってんだ。


 流河(ルカ)は見た目もかっけーし、そんでもって俺がリーダーでまとめればきっと上手く行く。


 でもよ、そんな流河(ルカ)にもさ、困ったとこがあんだよなー。



 あいつ、ひっでぇーシスコンでさ。



 どんだけ自分のねーちゃんが好きなんだよ?あいつ。


 たぶん、俺にしかシスコン話はしてはいないみたいだし、俺だって聞いたことは他の誰にも言ってはいないから他には誰も気づいてねーけど。



 俺と二人になると、ほぼ会話の50%はねーちゃんの話だ。マナカがどーだのこーしたの。


 マナカは靴が22.5センチだの、身長は156センチだの、体重は40キロだの、スリーサイズはXX.XX.XXセンチだの。なんでそんなこと知ってんだよ?

 お気にはブラウニーと生シューだの、おむすびはツナマヨだの。

 俺、流河(ルカ)のねーちゃん見たこともねーのに流河(ルカ)のねーちゃんにめっちゃ詳しいぜ?



 俺さ、流河(ルカ)のやつ、いくらなんでもねーちゃんに入れ込みすぎじゃね?ってずっと思ってたんだよな。


 まるで彼女に夢中になって浮わついてる男みたいじゃん。



 まさか、こいつらヤバい関係では‥‥‥‥ってほんのちょっと思ってたけど、そうではないことが今日判明した。

 そのねーちゃんの文化祭の演劇を見に行った時に。



 そこで、そのマナカが彼氏とやらを流河(ルカ)に紹介したからだ。



 そこでさ、俺初めて(ナマ)マナカを見た。


 そん時は、劇の役柄の格好で、桃色の浴衣で、薄いメイクして、ロリっぽかった。かわいい人形みたいだ。どちらかというと流河(ルカ)の妹のように見えた。確かにちっちゃくて華奢(きゃしゃ)でキュートねーちゃんなのは認める。


 でさ、そのマナカがさ、照れながら彼氏を流河(ルカ)に見せたじゃん?


 そしたらさ、流河が『おまえっ、俺の姉ちゃんに手ぇ出すなんて!』とか言っていきなり食って掛かってその彼氏にガン飛ばしやがった。


 その彼氏ってのが‥‥‥‥えっとどんな顔してたっけ?よく覚えてねーけど、普通の一般的な男子だったと思う。そいつは特に流河に対抗して言い返したり、睨み返したりするわけでもなくただ困惑していた。


 したら、すかさず今度は流河の横に立っていたセーラー服を着た中学生らしき女子が流河に対抗してきた。


『は?ちょっと!あなた、私のお兄ちゃんに何言ってんのよ!あなたのお姉さんが私のお兄ちゃんを誘惑したのよっ!きっと。』


 その背の小さいセーラー女子はその彼氏の妹らしかった。


 流河とそのセーラー女子は火花を散らし始めた。



 まったく!なんなんだよ、こいつら‥‥‥‥


 俺は呆れて見てたけど、その子と同じセーラーを着た連れらしきスラリとしたすっげーきれいな子が離れたとこでそれ見て、やはり引いちゃっててさ。

 俺とその子目があっちゃって、俺がお手上げして見せたらその子、困った顔して首をかしげてた。


 マナカとその彼氏になだめられて流河と彼氏の妹らしきセーラー女子は離れたけど、二人ともカッカしちゃっててさ、流河はシスコンだけど、もしかしてあの小さい方のセーラー女子はブラコンじゃね?


 おいおい、これってシスコンvsブラコンかよ?


 ははん、面白れーな。


 でもな、勘弁してくれよ。流河がこんなことに気を取られてたら俺のバンド結成計画どころじゃねーじゃん。



「もういいのかよ?これから面白くなるとこだったのにな、はん?」


 俺は戻って来た流河に言った。


「ちっ、相変わらずずいぶんなやつだなー、沙入はさぁ。」


「ふっ、お前のシスコンぶりには恐れ入ってっからな。」



 俺、茶化してそう言ったけど。


 これ、俺のバンド結成計画の障害になりそうな嫌ぁーな予感。

 




 ただ、一つ、この件で良かった事がある。


 

 それは劇終了後に、また流河と彼氏の妹が摩擦熱を撒き散らしてる隙に俺はあのきれいなセーラー女子(スラリ)とラインでつながることに成功していた。


 流河とセーラー女子(小)の(いさか)いを止めさせるため相談したいってことで。


 ふふん、チャンスは逃さない。あの子ガチ俺好みだし。







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