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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
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妥協的解決〈沙入〉

 流河。くっつきすぎだ。


 またおまえは警戒心もなくボディーランゲージ。カイルにハグって?


 カイルには誓いのキスまでさせられていいようにされちまってたっていうのに、もう忘れちまったのか?


 ったく。こっちの苦労も知んないで。



 流河は気分上がるとすぐ俺に抱きつく癖があるよな。


 俺にだけじゃなくて今度はカイルにまですんの?


 バンドメンバーに入ったから?


 おまえは無邪気でやってんだろうけど相手がどう受けとるか考えろよ!


 この単細胞無自覚トランスフォームのたらし野郎!



 流河とカイルの"誓い"の呪縛はなくなった。



 でも、男の流河を見たにも関わらず、ルキアの魅力の呪縛はカイルから完全には消えなかった。


 これは想定外。


 いまだに幻と化したルキアの魅力に囚われ続けるカイル。


 ‥‥‥‥‥‥‥俺も‥‥‥同じだけどな。




「おい、流河、ちょっと来い。」



 俺は我慢ならずにカイルに抱きついてる流河のフードを思いっきり後ろに引っ張った。



「うっ、苦しいだろ?何だよ、沙入。」



 顔をしかめて恨めしそうに俺を見る。


 こいつはマジ何にも解っちゃいない。



「流河にはきつく言っとかねーとなっ!」



 流河を睨む俺。



「いいか?これ、絶対守れよ、流河。二度とルキアになるな!」


「わかってるって。今日が最後だって言ったじゃん。それに俺だって成長期なんだしそのうちなりたくたってなれなくなるじゃん?」


「‥‥‥‥今の言葉、忘れんなよ?」


「お‥‥‥‥おう。」


 ったく、俺はまるで流河の保護者ってか?


 ちげーだろっ!



 俺は流河の両肩にバシッと両手をかけた。真っ正面から流河の視線を捕らえる。


 あのこと、ちゃんと注意しとかねーと。


 また同じこと起こされたらたまんねえ。



「それに‥‥‥‥‥たとえ簡単な口約束だとしてもな、そこには見えねーけど確かに呪縛が出来る。覚えとけ!」


「う、うん。覚えとく。」



 ‥‥‥‥‥‥なんだか頼りない返事だな?



「いいか?流河。約束はよーく考えてからするもんだぜ?軽々しくすんじゃねーぞ?」


「‥‥‥‥‥わかった。良く考える。」



 念を押した俺に 流河は返事をしつつも疑問符浮かべてる。


 俺が余りにガチに言うもんだから。



 あと、これは‥‥‥‥‥まさか本人の目の前では言っちゃいけねーよな。



 俺は流河にハグするように寄って流河の耳にだけ聞こえるように、外に漏れないように気をつけて忠告の言葉を吹き入れた。


「カイルには気をつけろ。」


「‥‥‥‥‥?」



 ‥‥‥‥‥‥この反応、だめだ。まったくわかってねーな、流河。


 この隠れ脳筋めっ。



 はぁ。


 カイルの仮メンバー加入。


 流河が捨て身で俺を護ろうとしたことに報いるためにはこれしかなかった。 



 だがこれで、流河の縛りは消えた。


 流河は自由だ。



 だからといって俺は無理に流河に迫る気はない。


 俺たちは元々お互いを想い合ってる。強い友情がある。


 これからだってずっと一緒にいることは間違いない。



 その内、流河は恋人には女の子を選ぶだろう。


 俺はそれでいいと思う。


 きっと俺もそうなる。



 だからもう、いきなり流河のくちびる奪ったりしたりしねーよ。俺。


 流河がルキアになっていない限り、また衝動的になることはない。メイビー。



 だから、これくらいなら許されるだろ?



 忠告ついでに‥‥‥‥‥流河の柔らかな耳たぶに、密やかに、俺の気持ちを捧げておく。


 俺の大切なバディー、流河。




 あれ?カイルのやつ、今の見てた?


 まあいいさ。おまえにはどうせ知られてんだから。


 それと、カイル。


 流河はおまえを恋人に選ぶことは無いと思うぜ。









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