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第四話 生い立ち

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俺の名前は、エルピス。


当然、こんな名前、日本人じゃ、フツーはいない。いや、いるはずもない。

あだ名かHNハンドルネームかと笑われるのが落ち。

ご多分に漏れず、小学生の頃は当時流行った『DEATH NOTE(デスノート)』に出てくる探偵と同じ「エル」というところだけ抽出されて馬鹿にされたもんだ。


ちなみに、俺の名前の由来はちゃんとしたものがある。

ギリシア神話のパンドラの箱の話は知っているだろうか?

昔、美しいパンドラという女を妻にめとったエピメテウスは、ゼウスから受け取った(プレゼント)を大事に仕舞っていた。兄のプロメテウスが「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告がったから。にもかかわらず、ある日パンドラは好奇心に負けて箱を開いてしまう。すると、そこから様々な災い(疫病、悲嘆、欠乏、犯罪等)が飛び出した。

しかし、「ἐλπίς」(エルピス)のみは箱の下に残って出て行かず、パンドラはその箱を閉めてしまった。こうして世界には災厄が満ち人々は苦しむことになった、という伝説だ。

その「ἐλπίς」(エルピス)っていうのが、「希望」を意味するらしい。


まあ、そういう意味では、本当にあれが現実だったかどうかは分からないけれど、幸運の女神(フォルトゥナ)もギリシア神話に出てくる話だよな。もしかしたら、ギリシアに俺は縁があるのかも。


それはともかく、こういう理由で、俺の親はどういう希望を込めたのか俺にこんな由来の名前をつけたのだ。

しかし、幾ら今時のキラキラネーム(バカなネーミング)だって、こんな名前はない。

それも当然で、俺のお袋はイタリア人だった。親父は日本人。

いわゆるハーフって奴。


日本人の親父が、イタリア人の俺の母親と出会って、出来ちゃった婚で、生まれたのが俺。

エルピスだと言いづらいけど、

「エル」

っていうと、

「あーあの『DEATH NOTE(デスノート)』のエルね」

と、みんな気軽に俺のことを「エル」って呼んでくれる。

子供の頃は苛めのネタだったが、今では余計な説明をしなくて済むので多少は助かっている。


世間では、在日ざいにちだとか部落ぶらくだとか、よく社会問題になるけど、

俺みたいな立場の人間には誰も焦点を当ててくれない。


ポリティカル・コレクトネス(*1)とか言いたいわけじゃないが、

混血児(ミックス)の人生は日本社会では、なかなかしんどい。


別に、血筋のことは、全く恨んではいないが、

俺が中学生に入ったばかりの頃、酒を飲んではお袋に手を出していた親父に愛想を尽かして母国イタリアに帰ってしまったお袋と、

酒に浸ったまま、俺の大学式の入学式当日にどっかに消えた親父には、文句がないと言えば嘘になる。


でも、大学行かせてもらって、二十歳までやってこれたのは、親父が金を工面しておいてくれたそうだから、あんまり文句もいえやしない。


といっても、入学金等は親父の金でまかなったが、学費や生活費は自分でホストのバイトをして稼いでいるし、大学だって、国立大、嫌みっぽく聞こえるかもしれないが、日本では一番難易度の高い東大に入学している。


勉強は特に得意な方でもないし、好きでもなかったが、結局<学歴社会>の日本で俺みたいな奴が生きて行くには東大が良いだろうと思って、予備校や塾に行く金もないから、今流行のスタディサプリで独学した。


ハーフでよかったというか、お袋がイタリア人でよかったな、と思ったのは、東大の試験の糞長くそながいリスニング問題に取りかかったときだ。

お袋はほとんど日本語が話せず、親父もイタリア語は話せなかったので、主に二人は英語で会話していたせいで、家庭では我が家が英語が公用語だった。


だから、俺は日本育ちで日本の小・中・高校を出ているが、時々日本語がおかしいといわれる。

まあ、家に帰ったら英語でしか話していない家族で育っていればそれも当然だろう。

最初は、なんでこんなおかしな家に生まれてしまったのか、

内心腹が立ってしょうがなかったが、

受験の時だけは助かった。


まあ、禍福かふくはあざなえる縄のごとし、とでもいったところだろうか。

あれ?またおかしな日本語使っているような気がしないでもないが、それが俺だ。


とはいえ、将来に対する漠然とした不安は大きくある。

今のところ、はっきりと将来何になりたいとかそういう願望は漠然としかないが、日本国籍を持っているとはいえ、外人<顔丸出しの俺が、官僚になるのは多分無理だろうし、大手の商社やマスコミなんかも難しそうだ。


とりあえず、東大卒ってだけで入れそうな企業を今のうちから探しておこうと、

四季報を読むのが実は隠れた趣味だったりする。

とはいえ、それだけでは将来に不安が大きいので、学部も法学部を選択したこともあり、司法試験に合格したいという夢はある。

法科大学院ほうかだいがくいんなど行く金なんてあるわけないので、予備試験よびしけんで現役合格してやるという野望を持って、暇なときには法学書を読みあさっている。


大学に入学した後は、俺は自分で言うのも何だが、外見には自信があったので、

ホストのバイトをし始めた。


ホストをしているくせに彼女がいないっていうのも、珍しいのかもしれないが、

それは俺は仕事とプライベートは分けるタイプの人間なんだ。


酒を飲みながら、コールしたり、太客の風俗嬢の愚にもつかないお悩み相談に真摯に乗ってあげるのは得意だが、プライベートで女の子と話すのは、どうも苦手でしょうがない。


イケメン、高学歴、高身長の俺のはずだが、

女子とのコミュ障ぶりが原因なのか、

あるいはこのラテン系のチャラそうな外見(みため)が女子を引かせるのか、

単純に貧乏(すかんぴん)だからなのか、

彼女はできたためしがない。

もちろん、素人童貞だ。


親友の五十嵐に誘われて、

歌舞伎のラブホでデリヘルを呼んだのが、去年の誕生日で、

それが五十嵐からの俺への誕生日プレゼントだった。

19歳にして晴れて童貞卒業となった俺だが、

未だに素人とは経験がない。


とにかく、あれだ。

今日こそ合コンで可愛い彼女をゲットするんだ。

幸運の女神(フォルトゥナ)能力(スキル)だってあるかもしれないしな。

もちろん、親が居ないとか、

ホストのバイトをしているだとか、

そんなネガティブな情報を合コンで言うわけはない。

東大のイケメン男子をしっかりアピールするだけだ。


*1:英: political correctness、略称:PC、ポリコレ。性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用すること。

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