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第一話 銃オタク

サバゲーが趣味のガンマニアの田中が、夢にまで見た実銃を手に入れる。

しかも、それを渡した男は、確かにこう言った。

「狙った標的ターゲットに実弾が当たる」と。

僕の名前は、田中耕一(たなかこういち)


皮肉にもノーベル化学賞を受賞した学者と同じ名前なので、最近はそれほど地味な名前とは思われずに、「ああ、あのノーベル賞を受賞された方と同じ名前ですか」などと言われるのが、結構ウザい。


そのノーベル賞受賞者がいなければ、地味な名前だったように、名は体を表すというか、名前以上に地味な人生を生きている30代の自由業者フリーターだ。


地方の名もない私大を退学したした後、東京へ上京し、転々と職を変えながら、食うや食わずの日々を生きている。ノーベル賞は100回くらい輪廻転生(りんねてんせい)してももらえそうにない。


趣味はモデルガン。サバイバルゲーム(サバゲー)とかにもよく参加している。友達が多いわけじゃないが、SNSで出会ったガンマニアたちと時々、オフ会を通じて交流を深めている。


愛銃は、東京マルイのハイキャパE(イー)


ハイキャパEは、ただの電動ガンじゃない。STIインターナショナル社製の2011シリーズという実銃のリアルなモデルガンだ。


STI2011(にいまるいちいち)っていうのは、カルフォルニア州ロサンゼルス市警(LAPD)でも用いられているほど、高い信頼性とパフォーマンスを合わせ持つコンバットハンドガンだ。


「いつかは本物のST2011(にいまるいちいち)を撃ってみたいなあ。」とぼやきながら、秋葉原の電気口街改札を出る。


今日はハイキャパEの調整を兼ねて秋葉原のシューティングレンジに射撃の練習に来たところだった。店に着くと馴染みの店員に案内されて射的場へ通される。週末だというのに、僕以外の客が誰もいない。ラッキー、今日は俺の貸し切りだな、と内心微笑みながら、僕はショルダーバックを下ろし、射撃の準備に取りかかった。


準備を終えた僕は、10メートル先のフォーリングプレートへ狙いを定める。


シュバ。


ナイス、ど真ん中。

1ミリもずれていない。我ながら自分の銃の腕に感心する。銃身の調整も丁度よかったようだ。早速、2発目を撃とうろしたところ、


「田中様、見事な腕前ですね。」


とマトリックスかMIBメンインブラックにでも出てきそうな黒服の黒人が綺麗な日本語で話しかけてきた。

誰もいないと思っていたのに、突然声をかけられた上に、自分でさっきガッツポーズをしていたところを見られていたんではないかと思い少し恥ずかさを感じつつ、


「いえいえ。私なんてまだまだ初心者ですよ。」


「そのモデルガンはSTI2011(にいまるいちいち)をモデルにされていますよね。」


「ええ。その通りです。貴方もこの銃がお好きなんですか?」


「いえ、ただ本日は、それを貴方にお渡ししにきたので。」


「え?」


「どうぞ。こちらをお納めください。それと、もう一つ。こちらが重要なことですが、貴方様には特別な能力スキルが授かります。それは、この銃の射程距離に関係なく、貴方様が狙った標的ターゲットに100発100中実弾が当たるという力で御座います。」


「ええ!本物の銃??射程距離に関係なく当たる??」


「突然の出来事で驚かれるのも無理は御座いません。」


そう言い残すと同時に彼はその場を立ち去っていった。


「いつの間に来たんだろう?」


と不思議に思いながら、ふと手元に目をやると、STI2011(にいまるいちいち)が置かれていた。うん、間違いない。これはタクティカル向けファイティングガンとして開発されたMARAUDER(マローダー)だ。


挿絵(By みてみん)


どこからどう見ても、STI2011のMARAUDER(マローダー)モデル、であるのは間違いない。

銃マニアの俺には分かる。


思わず、銃を手に取ってしまう。

「重い。。。」

ズシンとしたこの重さは、モデルガンとはとても思えない。


元来、銃のマニアでもあり、貯金で実銃を実銃を射撃しに米国(アメリカ)へ旅行してみようと思っていただけに、もう我慢できずに、思わずグリップを握り、構えてしまう。


「こ、こ、これは本物の銃?」


そして、銃口をちらりと確認する。

何も塞いでいるものなどない。

トリガーに触れる人差し指が揺れる。

き、緊張しているのか?

スライドリリースレバーとセイフティを確認する。


「は、外れてる。。。」


自分でも信じられないが、今僕の手元には本物の銃がある。


夢にまで見て、いつかは撃ってみたいと思っていた本物のMARAUDER(マローダー)だ。

思わず銃を構えてしまう。

緊張が止まらない。

その瞬間、人差し指に力が入ってしまった。


(仕舞った!)


パァァン!!!


カラン、カラン。。。


チェンバーから薬莢(やっきょう)が掃き出されていた。


ものすごい破裂音はれつおんに、耳がキーンと鳴る。

イヤープロテクターなしに銃を撃ってしまうなんて、危うく鼓膜を破ってしまうところだった。


銃弾は見事にフォーリングプレートの真ん中に命中している。


「ほ、本物の銃だ。た、弾も実弾だ。」


慌てて周囲を見渡すが、誰も居ない。

店員も接客中なのか、気づいてもいない。


「僕は、本物の銃を手に入れたんだ。」

ごくりと(つば)を飲み込む。


僕は、正真正銘のガンマンになった。

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