ステータススフィア
彼は変わり者と呼ばれている。
変わり者の定義についてよくわかっていないが、おそらくこんな考えを持っている時点で変わり者なのだろう。
人はその場を馴染むように心掛け、人間関係を大事することが人間として当たり前のことだ。それは大人になるにつれてそれが常識となっていき、その常識のない者は変人扱いされる。
彼:本堂 駿も周りと歩みを合わさない、変わり者であった。
*
ミスティーナに連れられてやって来たのはこの城の大広間。その中心には大量に並べられた丸いガラス玉が置かれてあった。
「それでは皆さんには、こちらを1つづつお配りいたします」
「それは?」
「これは『ステータススフィア』と呼ばれる物です」
そう言って、ミスティーナが簡単に説明する。要するにこれは読んで字のごとく所持者のステータスを確認する為の道具らしい。
ゲーム的にはレベルなんかあるのでこの世界もあるのだろうと思っていだが、この世界ではレベル=年齢らしく、ステータスの数値はその人体験や肉体に染み付いた記録から数値を出すらしい。
ミスティーナから1人1人にスフィアが渡されていき、眩しくないほどの光を放ちながら持ち主の数値が浮かび上がる。
そして、アキラにスフィアが渡され浮かび上がった数値を確認するとその周りにいた人達から驚きと感嘆な声が上がる。
天野河 輝
年齢:17
性別:男
種族:人間
体力:1020
魔力:490
筋力:100
耐久:100
敏捷:100
魔攻:100
魔耐:100
スキル:勇者の加護
称号:異世界勇者
「おお!このステータス!それにこのスキルは!?」
「まさしく勇者!」
「素晴らしい!」
どうやら勇者様が発見されたらしい。それに周りからの反応的によほどステータスが良かったのだろう。初期ステータスが優れているのはよくありがちの勇者設定だからな。
その後、アキラの周りにクラスの者達が集まっていき盛り上がっていく。「さすがだ!」「俺もそう思ったんだ!」と盛り上がりの声が上がる。
そんな中、本堂だけは自分に表示されたステータスになんとも言えない感想で頭がいっぱいだった為、周りの状況を気にする余裕がなかった。
そのステータスとは
本堂 駿
年齢:17
性別:男
種族:人間
体力:3(変動あり)
魔力:2(変動あり)
筋力:1(変動あり)
耐久:1(変動あり)
敏捷:1(変動あり)
魔攻:1(変動あり)
魔耐:1(変動あり)
スキル:??
称号:変わり者
・・・いや、まあ色々と言いたいことはあるけど。これだけは言わせてくれ...
なんなんだよこれはぁぁぁ!!!