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召喚
大きなドーム状の部屋。装飾は中世ヨーロッパ風の飾り付けにデカデカと飾られている肖像画。
冷静に考えられる人はこの場所が、ここは大きなお屋敷の中ということが理解できるが殆どの人はクラスに突然起きたことに騒ぎ立てる者、泣き叫ぶ者、自分を誤魔化すために泣き叫ぶ者を慰める者で周りに目をやる余裕ができなかった。
すると、豪華に装飾された両開きの扉が開きお姫様のような女性が数人の人を後ろに控えさせて優雅に部屋の中に入ってきた。
「ようこそ、アルティシアへ。勇者様、そしてそのご同胞の皆様。歓迎致します。私は、ミスティーナ・ソフィアと申します。以後、お見知り置きを」
美しく微笑んだミスティーナと名乗る女性の登場に荒れ狂う男子どもはその美しさに魅了され、泣き叫ぶ女子達はその姿に釘付けになる。
そんな中、ミスティーナの姿に魅了されながらもこの状況を確認するために皆を代表して先生である金沢が話しかける。
「こ、ここは一体なんなんだ!」
「それについてもご説明致します」
その言葉と共にこの世界について説明を始めた。