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箱と勇者と世紀末  作者: Sary
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勇者と悪魔

昨日書き終わっていたのですが忙しくてUPできませんでした・・・。

ライカの親を探し始めてから1日歩いたところに移動式ではない家が見えてきた。

土を固めた日干し煉瓦をベースに木や藁でできた家の様だ。

集落から少し離れたところに移動式住居も複数ある。


「やっと見えてきたね」

「これで少しは情報が見つかるといいんだけど」


集落まであと200メートルというところで移動式住居の方から6人ほどの

武装した男たちがこちらを警戒しながら歩いてきた。


「おい!止まれ!何の用だ!」

「この子の親を探しているんですが何か知りませんか?」

「ん?小娘名前は。」

「ライカです。ライカ・エバメルトです。」

「エバメルトだと!?エバメルト大尉の娘か!なんでこんなところに。」

「知ってるんですね!?よかった!この子の親がどこにいるかわかりますか?」

「む、き、貴様のその恰好・・・。バフアの者だな!?捕らえろ!!」

「え?えぇ!?ちょ、ちょっと待ってください!記憶が無いんです!!」

「知ったことか!捕虜にしてからゆっくり聞いてやる!」

「痛っ!」

気づかず後ろに回っていた武装した男に頸椎を殴打された。

気が遠くなりながら見えたのはライカが困惑した表情でこちらを見ている所だった。






気が付くとそこは暗い部屋だった。僕が座っている木製の椅子しかない。

シンプルな部屋だ。ドアの隙間から射す微かな光で部屋の全貌がわかる。


「痛たた・・・。なにも急に殴らなくても・・・。」


ドアの向こうから話し声が聞こえる。


「ドリエール隊長がバフアの兵を捕まえたって言ってたぞ。」

「あいつがバフア軍なのか?なんか弱そうだぞ?」

「それは思った。記憶をなくしてるとか言ってたが拷問を避けるための演技かもな」

「ったくバフアの奴らは姑息な事ばかりしやがる。大尉の娘を人質にしてたらしいしな」

「いっそ殺してしまったほうがいいんじゃないか?可愛い娘を人質に取られたんだ大尉も許してくれるだろうよ」


マジかよ。保護してただけなの。これはどうにかして逃げないとダメだな・・・。


「ははっ!ちげぇねぇ!とはいえ俺は危ない橋は渡らない主義なんでな!俺は止めておく」

「なんだよ釣れないな。もしかしたら昇進もあるかもしんねぇのに」

「俺たちより捕まえた隊長が評価されちまうだろう。捕虜を殺すと下手したら罰則だってあるんだ。」

「まぁ、そうだけどよぉ。これであいつがバフアの悪魔だったら昇進間違いなしだぜ!?」

「あんな弱そうなやつが悪魔なわけあるかよ!精々兵站の後方支援だろう」


ボロくそ言ってくれるな。記憶が無いからなにも言えないが・・・。


「おい!無駄口叩いてないでちゃんと見張ってろ!これから尋問するんだからな」

「「はい!失礼しました!」」


そういって男は部屋に入ってきた。


「お目覚めか勇者さんよ」

「は?勇者?なにいってんだ?人違いだ」

「とぼけたって無駄だぞ。お前の持ってたこの奇石が何よりも証拠だ」

「記憶が無いんだ。その箱だって何なのか知らない。」

「あれだけの人を殺しておいて記憶がありません。知りませんで許されると思うなっ!」

男の右フックが左頬を殴打した。

「いてっ!」

僕の声ではない。いや、僕も痛いけどね。

「クソが、お前堅すぎるだろ。」

「いや、僕だって痛いからね?」

「傷一つついてない癖に何言ってやがる。」

「痛みは感じるって」

「そうか、なら好都合だ。これで殴れば俺にダメージはないしな」

そういって金属の棒を手にした。棒がやけに赤黒く錆びている。

「ふんっ!」ブンッ

「ぐっ…。」

こいつフルスイングしやがったぞ…。

腹部に鈍い痛みの後、呼吸が苦しくなった。


「な、なにが目的なんだ…。」

「もちろん情報だ。まぁ、万が一死んでしまっても勇者討伐で俺は昇進だ。」

「三流かよ、拷問で死を仄めかすなら分かるが死んでもOKって伝えて吐くと思うか?吐いたら殺されるなら吐くわけがないだろう。」

「減らず口をいつまで叩けるか、なっ!」

「ぐふっ…。」



・・・・・・・・・・・・・・



「此奴本当にしぶといな…。」

「そろそろ何も感じなくなってきたぞ。」

僕は腫れた顔で痛みながらもニヤけて返した。


「強がっても状況は変わらないぞ。吐くまで終わらないからな。」

「大尉とらやらの娘を保護してやってこの仕打ちはないよなぁ?」

「あ?」

「僕は白銀の世界で見かけたライカを保護して食わせてただけだ。誰もいないあの場所で放置してたほうがよかったか?エバメルトとか言ったか?国の名前が入ってるだけあって良いとこのお嬢さんなんだろ?」

「関係ない!お前は拉致して人質にしていた!」

「だとしたらぬけぬけとここに来るわけがないだろう?冷静に考えればわかるはずだ」

「うるさい!黙れ!」ブンッ

「おっと。」

椅子を後ろに傾けかわし後ろで縛られていた手をほどき木の椅子をつかみ男に向けて振り切った。

運よく男のあごにあたり男は膝から崩れ落ちた。

「いやー殴るのに夢中になってるから解けてるの気付かないんだぞー?それにしても殴りすぎだぞ。いてて。」

男の服を僕の服と交換した。男を椅子に縛り付けておいた。

すぐバレるだろうが一瞬でも意表を突ければそれでいい。

使い道はわからないがとりあえず没収されていた箱は取り戻しておく。


「さて、隊長さん。立場が逆転したようだがどうする?」

「ぐむむ・・・、俺は何もしゃべらんぞ。」

「とりあえずちょうどいい棒があるから指をつぶしていこうか。叫ばれると厄介だからこれでも咥えてて。」

男が穿いていた靴下を口に突っ込んだ。

「おぇっっ」

そりゃあ軍人の靴下だしな、相当臭いぞ…。

これだけでも十分拷問だな・・・。

「さて!小指からいこうか?いや、一番支障が出る親指かな。」

「んんっん!んふっふんんん!」

「え?なんだって?」ブンッ

赤黒い棒の先端が男の親指の爪に振り下ろされる。

「ん゛ん゛ん゛ん゛んーーーーっ!!!!」

「もう涙目じゃないですか。散々殴っておいて自分は打たれ弱いですね。」

「うぅ・・・・。」

「それでさっきは何て言ったんですか?」

口の中のすさまじい臭いの靴下を取ってやった。


「話すから・・・。勘弁してくれ・・・。」

「こんなすぐ口割っちゃうって・・・。それでも国に忠誠を誓った軍人ですか・・・。」

「なんとでもいえ、俺には家族がいるんだ。」

「あ、そうゆうのいいです。とりあえず勇者について知ってることを言ってください。」

「ほんとに記憶がないんだな・・・。いいだろう。俺のきいた話だと勇者は召喚された者の事を言うそうだ。容易に召喚できるものじゃ無く、何年かかけてようやく召喚できるそうだ。化け物のように強く、特殊な能力や武器を持っている。数十年前に数人いたと聞いている。

この世界を不作の土地にしたのも勇者と言い伝えられている。」

「それで?俺がその勇者だと?」

「さっきはハッタリをかけただけだ。確証はないが奇石をもっていたから疑っていただけだ」

「奇石について知ってることは?」

「俺もよく知らない、勇者が分かった石を持っているってことくらいしか」

「そうか、じゃあバフアまでここからどのくらいの距離なんだ?」

「今は残念なことにバフアの悪魔に全線を押し上げられてるからな。ここから二週間ほど歩けば行けるだろうバイクなら一週間もかからないだろうが。お前たちが歩いてきた方向だ。」

「来る方向をミスったか・・・。まぁライカを保護してくれるならいいか」

「本当に記憶がないようだな。本当に保護してくれてたのなら感謝する。」

「今更遅い。悪いが顔がわからないようにボコらせてもらう」

「だろうとおもったよ・・・。命が助かるならそれでいい…。」



・・・・・・・・・・・・



「うぅ・・・・。」

「よし!いい感じに顔が腫れて誰かわからないぞ!…ちょっとやりすぎたか?」




幸い背丈が同じだから顔の腫れは暴れられたでごまかそう。

よし。脱出だ!





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