表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チケットモンスターズ改  作者: 日本のスターリン
2/9

2巻

1章 九死に一生

 五郎はペペロンチーノ王国の親衛隊Aの副隊長である風間まさおが率いる99人の二等兵に囲まれていた。

まさお「この張りぼての基地はお前のような飛んで火にいる夏の虫を誘き寄せる罠だったんだよ!」

五郎「絶体絶命だ…。」

まさお「大人しく捕虜になるか?それともコインになるか?」

五郎「全員倒してやる!一人ずつかかってこい!」

まさお「ではまずは僕から」

五郎「くっそ!!バトル!!!」

まさお「僕のターン!1ドロー!そして、手札を1枚エネルギーへ!」――――――――――――。

 激戦の末、まさおは五郎に倒されコインになった。しかしすかさず次の兵士がバトルを挑もうとしてくる。

出素代「次は私が相手よ!」

ペペロンチーノ王国の二等兵の奇麗田出素代がバトルを挑んできた。

五郎「はぁ…はぁ…人海戦術で連戦を強いられたんじゃキリがない…!!」

光彦「そこまでだ!」

 その時、光彦率いる選抜部隊Bが駆けつけた。

一「僕もいるぞ!」

 同時にその時、一率いる選抜部隊Aが駆けつけた。そして選抜部隊ではない雑兵も100人近く駆けつけた。

嵐「くそ!我々の戦力で応戦するのは不利だ!引き上げるぞ!」

 ペペロンチーノ王国の二等兵のリーダーである五十嵐嵐が撤退を命じ、ペペロンチーノ王国の兵隊たちは引き上げていった。

五郎「助かったぞ!よく助けに来てくれた!」

光彦「一のおかげだよ。一が機密資料の情報が罠である事に感付き、援軍を引き連れて俺たちを呼び戻したんだ。」

五郎「ありがとう!一!この恩は必ず返す!」

一「マカロン帝の息子の勘が働いたのさ。選抜部隊の優れた隊長を一人でも失うのは惜しいからね。慎重にならざるを得なかった。」

五郎「助かったよ一!君が居なかったらどうなっていた事か…。」

光彦「せっかく手に入れた金庫だけど中身は空か偽の情報だろうなぁー。」

玉子「俺が掴んだ情報だったんだが、罠だったのか。すまなかった。」

五郎「こうして無事でいられるんだから気にする事ないよ。」

 こうして五郎は一の機転で救われ、無事本国に戻った。


2章 アヒージョ合衆国

 五郎たち選抜部隊Bは次の任務として今度はアヒージョ合衆国に潜伏していた。アヒージョ合衆国は銃社会で民間人が銃を持っている国である。軍人が戦場で銃を使う事は国際法で禁止されているが、民間人の銃の使用は禁止されていない。民間人の銃の使用を禁止する条約はあるが、アヒージョ合衆国だけ唯一批准していないのである。このため、五郎たち軍人は敵軍以上に民間人の銃に気を付けなければならないのだ。

五郎「アヒージョ合衆国は、銃社会の国だから気を付けなければな。」

光彦「銃社会なだけじゃなく大麻や覚せい剤などの麻薬や違法薬物が蔓延していて治安も悪いからな。」

桜「この国では軍人より民間人の方が危険だわ。」

五郎「しかし、今度のターゲットは非軍人だ。」

玉子「どういうことだ?」

五郎「次のターゲットは、『インフォメーション・コア』という軍事施設の館長だ。軍事施設だが管理人である館長はお役人ではあるが、軍人ではない。」

ひろし「銃も所持してる可能性もあるって事?」

五郎「そうだ。軍事施設である以上、警備は軍人が行っているが館長や職員は非軍人だ。警備を行っている軍人はいつも通りチケモンバトルで倒せばいいが、館長や職員はそうはいかない。」

光彦「しかし、国際法でも防弾チョキの着用は禁止されていなし、防弾チョッキを着ていれば問題ないだろう。館長は格闘技で拘束する事になるが。」

ひろし「でもどうして、非軍人の館長を拘束する必要があるの?」

五郎「黒幕をあぶり出すためだ。」

 アヒージョ合衆国は名前の通り共和制の国家であったが、三つ巴の戦乱の中、国内で極左派が起こした紛争によって独裁政権が樹立されてしまっているのだ。暴動によって樹立した即席政権であるため、国家元首の存在も不明なのだ。現在のアヒージョ合衆国の事実上の指導者は、姿も名前も公表せずに裏でアヒージョ合衆国の軍・政府を操っている。

光彦「現在、アヒージョ合衆国が裏の指導者によって動かされているのは知っているだろう?その未知の指導者の正体を明らかにするために、その未知の指導者から直接指令を受けているという軍事施設を差し押さえて徹底的に捜索するんだ。そして、通信先を割り出し、アヒージョ合衆国の黒幕までたどり着こうという作戦さ。」

五郎「3日後にインフォメーション・コアを襲撃する。」

 3日後に向けた襲撃作戦の会議が続いた…。


3章 黒幕

五郎「建物・門の前、敵2人。その他、人なし。どうぞ。」

 五郎たち選抜部隊Bは襲撃準備を開始していた。

光彦「建物の裏、人なし。どうぞ。」

桜「前門から見て左。人なし。どうぞ。」

ひろし「前門から見て右。人なし。どうぞ。」

五郎「3分後に前門から襲撃を開始する。3分以内に全員前門前の砂利道の茂みに集合。どうぞ。」

 そして選抜部隊Bの全員が五郎の所に集合し、襲撃を開始した。

 左門番の沢渡英才と光彦がチケモンバトルを開始し、右門番の剛力たけしとひろしがチケモンバトルを開始した。

たけし「僕のターン!当然1枚ドローする!そして、手札をエネルギーへ送る!」――――――――――――。

 激戦の末、ひろしはたけしをコインにした。また光彦も英才をチケモンバトルで倒しコインにした。

 光彦とひろしはほぼ同時にチケモンバトルで決着が付いた。

 一方、光彦とひろしがチケモンバトルを開始した頃、五郎と桜と玉子は施設内に侵入し、館長を探していた。そこで職員3名が拳銃で発砲してきた。しかし、ヘルメットと防弾チョッキを装着しているので五郎と桜と玉子は突進するように前進した。玉子は大きな胸をぷるんと揺らしながら職員の一人に回し蹴りを食らわせ拳銃を落とさせた。五郎は職員の一人に首に頭突きし怯んだ隙に拳銃を叩き落とした。

五郎「拳銃にばかり頼っているから格闘では隙だらけになる。」

 残った一人の職員は玉切れになった拳銃を桜に投げつけ逃走した。

 三人はさらに施設の奥に進んだ。

 五郎は桜と玉子と二手に分かれて館長を探す事にした。剛三郎は3階を探し、桜と玉子は2階を探した。すると―。

桜「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!」

 さっき逃げた職員がかぎ爪で桜の美しい顔を縦横斜めにひっかき回した。

玉子「くそおおおおおおおお!!!」

 次に職員はかき爪で玉子に襲い掛かかった。しかし、玉子は唾を職員の顔に吹きかけた。職員が怯んでいる隙に、その腹に膝蹴りを決め込み、かぎ爪を奪いとった。職員はそのまま気絶してしまった。

玉子「桜!大丈夫か?今手当してやるからな!」

 桜の顔は傷だらけになり、桜は気絶してしまっていた。その時だった。

五郎「館長が居たぞ~!3階の一番奥の部屋に来てくれ~!」

 館長の毛利剛三郎は重機関銃を五郎に向けていた。

剛三郎「いかに防弾チョッキを付けていようがこの弾は防げまい!」

 そう豪語した瞬間、五郎が投げていた石が剛三郎の頭にヒットした。剛三郎が怯んで頭を押さえている所に五郎は突撃し、重機関銃を蹴り倒した。

五郎「お前たちの弱点は銃を過信しすぎている事だ。銃に頼り過ぎているから防御が疎かになる。だから石ころ一つで形成を逆転される。相手が武器を持っていないと思いこんで石ころ一つの反撃も想定できなかった。」

 五郎は館長の剛三郎を取り押さえた。そこへ玉子が駆けつけた。

玉子「遅くなってしまってすまない!桜がけがをしたんだ!」

五郎「館長は取り押さえたぞ。今からこの部屋を探索するから、玉子は館長を見張っていてくれ。」

 ちょうどそこへひろしと光彦も駆けつけた。

五郎「良い所に来た。光彦、ひろし!一緒に黒幕に繋がる痕跡がないか探してくれ!」

ひろし「ええ!分かったわ!」

光彦「もちろんさ!」

 五郎・光彦・ひろしの3人は、黒幕に繋がる情報が無いか2時間以上かけて徹底的に調べ上げた。

 剛三郎を見張っていた玉子は中々黒幕の情報が見つからない事に苛立ち、剛三郎の足首を掴んでベランダの外へ逆さに吊るし出した。

剛三郎「ひいいいいいい!!!何をするんだ?!!!」

玉子「言え!お前たちに黒幕が指令を送ってきたんだろう?黒幕の正体を教えろ!」

剛三郎「知らない!俺たちはただ指令を受け取り命令通りにしていただけだ!」

五郎「駄目だ。隅々まで調べたがどこから命令を得ていたかという手がかりが全く見つからない。ここから多数に命令を発信している所までは分かったが…それ以外は不明だ。」

剛三郎「俺たちはただ命令を受け取り、政府や軍に伝える中間点に過ぎない。ボスの事なんか一切知らされていない!」

玉子「くそう!」

剛三郎「残念だったな…。お前たちの知りたい黒幕の正体は俺たちも知らないんだ。」

玉子「ふんっ!!」

剛三郎「うわあああああああああああああ!!!」

 玉子は中釣りにした剛三郎から手を放した。剛三郎は真っ逆さまに落下していった。

 ガシッ!

光彦「こんな者のために手を汚す必要はないよ。」

光彦が落下する剛三郎の足首を掴み、2階のベランダでキャッチした。剛三郎は知ら眼をむいていた。

 収穫を得られなかった選抜部隊Bは、気絶した桜を連れて撤退し、本国へ戻った。

もはやカードゲーム小説ではない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ