勇者とは
「勇者ミリナ?へぇー。私がいない間にそんな事が。」
アニェラから襲撃の出来事を聞き、フランカは少し不機嫌そうに呟く。
まぁ魔族からしたら勇者程厄介な敵はいないだろう。だからあまり良い話では無いのかもしれない。
「西の勇者が何故何も無いファストの町へ…。」
「さぁね。もしかしたらすぐ側にある魔王の城にでも攻めたんじゃ無い?」
「あぁ、ミリナ様ならあり得そうですね。」
アニェラとフランカの会話を聞いていた勇也はフランカの言葉に苦笑していた。
「なぁフランカ。さすがに勇者って言っても1人で魔王の城には攻めないだろう。」
「あなた本当にバカね。ミリナって言ったら気まぐれで行動する奴なのよ?2年前なんて南の勇者と決闘したっていうし。」
「そんなことありましたね。23戦中14勝目だー!ってファストに大声で言いながら走って行きましたね。」
「なぁ、頭おかしいな子なのか?そのミリナって子は。」
そう勇也が言うとフランカは嫌な思い出があるのか頰を膨らました。
「えぇっと。勇也さん。あまり聞かない方がいいと思いますよ。」
「…まだ若すぎるのよあいつ。それなのに先代の西の勇者ときたら。」
フランカにここまで不機嫌にさせるミリナって子はいろんな意味でヤバいのだろう。関わらない方がよさそうだなと思う勇也だった。
「あ、1ついいか?」
「何でしょう?」「何?」
「ミリナって子は西の勇者って言ってたよな?だったら他にも勇者って呼ばれる人はいるのか?」
「そうね。現在では4人かしら。昔は5人いたんだけど。誰だったかしら。えぇっと名前は…。」
「勇者ミオですね。」
「そうそうそれそれ。…何でいなくなったんだっけ?」
「確か7つの大罪を司るスペルビア、グラ、ルクスリア、アケディア、イラ、インウィディア、アワリティアの7人を封印し、力を使い果たしたミオはどこかの地で眠ったと伝えられています。」
「あぁ思い出した。シファの眷属たちね。」
「はい。そうです。」
と2人は納得した雰囲気になっているが勇也はまったく意味が分からない。てか脱線してるし!
「まぁシファもどっかの次元に行って回復するため眠ってるし関係なかったわね。」
勇也のついていけないオーラを感じ取ったのかフランカは話を切る。
「まぁ勇者は今は4人いるわ。」
「あ、あぁ。西の勇者がいるってことは東南北にもいるってことか。」
「はい。西のミリナ、東のエデン、北のセナ、南のセラ。あ、ちなみに北と南の勇者は双子の姉妹らしいですよ?」
「お、おう。そうか。」
何かどうでもいい情報も教えてもらった気がする。
「知ってると思いますがフランカさんは勇者なんですよ!」
「へぇー。そうなのか。」
これまたどうでもいい情報を……ん?
どうせどうでもいい事だろうと適当に返答した勇也だったが何か聞き逃せない言葉があった様な…。
ナンダッケ。
「は?」
「だからここにいるフランカさんは勇者です!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」
「あれ、勇也さん知らなかったのですか?てっきりご存知なのかと。」
なんでフランカはそんな重要なことを言わなかった!!?てか勇者?と言うことは東…エデン!?でもでも魔王の娘で…あれ⁇?
ボン!!
勇也の頭から煙が出たかと思うと爆発した。
あまりの衝撃と疑問に脳をフル回転させた結果だろう。
「あ、勇也さん!?」
「はぁ、ユーヤがこんな風になると思ったから言わなかったのに。」
「あわわ。ごめんなさい!」
「まぁいずれ言わなきゃいけなった事だし良いわ。とりあえずユーヤは私が送ってくから。あなたももう遅いんだし帰ることよ。」
「う、うん。…その、ごめんね?」
「…。別に良いって言ってるでしょ。じゃあ、またねアニェ。」
「うん。またね、エデちゃん。」
こうして勇也の沢山の出来事があったお出かけの1日が終わった。