コーヒーと紅茶
「それなんていう雑誌だ?」
「え?『週刊ハッタリ』だけど。」
「・・・・・・・・・・」
「あのさー。相談なんだけどさー。」
「どうした?安芸が相談なんて珍しい。」
「いやぁー。この雑誌全部まだ読み切れてないけど定期購読申し込んでいい?」
「無理。絶対に無理。」
「なんで?」
「オレ達二人でシェアハウスしてるよな」
「うん」
「住所も同じわけで」
「うん。」
「ここにたくさん郵便物が届いたらどうなる
?」
「オレがよろこぶ」
「ちがう」
「そうか、星すまなかった。」
「やっとわかってくれたか。」
「スネちまうよな」
「ちがーう!!ここにこんなに郵便物が届いたら受け取るのめんどくさいんだよ!」
「なるほど、そーきたか。じゃあ、どーすればいいんだよ?」
「『そーきたか』じゃねーんだよ!雑誌とるのやめたらいいだろ!?」
「それはできない。だってはまったんだもの。 やすし」
「み○をじゃねーんだよ!って、またハマりだしたのか!」
言い忘れていた。この物語の主人公、安芸は、非常にハマって飽きるまでの時間が短いのである。その理由は、2か月に1回家紋が変わるほどの家系かもしれないが。
「ハマって悪いことはないはずだが。」
「お前は極端なんだよ!」
「もういい。この話は置いといてコーヒー飲むか?」
「いらない。コーヒーにはもう飽きた。」
「はやーっ!先週ハマったところじゃんか」
「昨日まで1日15杯のんでいたが急に紅茶派になってしまった。人生とは面白い。」
「語りだすなぁー!」
「で、紅茶は??」
「はいはい!持ってきたけど!?」
「なんかなー。紅茶うまく感じるようになったんだよなー。あー。やっぱりコーヒーとはちがうなー。さすがー。 さすがー。」
「あーはいはい。」
「もー9時だー。ニュースみないとー。」
「テレビのリモコンどこ?」
「あ、あった。」
ぷちっ
「ねりけしの真実!明日夜9時! ニュースをお伝えします。今日、古本屋の本がすべて購入され、営業不能になる事件が起こりました。次です。
とある雑誌に掲載された記事が、大きな波紋を呼んでいます。ニュースは以上です。」
「ちょっと待って!」
「なんだ?」
「いや、とある雑誌ってなんのことだ?」
「なんで気になるんだ?」
「だってウチにあるかもしれないだろ?」
「んじゃしらべてみるか。ヤッホーニュースみりゃあるだろ。」
2分後
「あった!これのことだな!!」
『現実離れ?改ざん?〈蛍光ペンマガジン〉記事に話題』