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第四章 婚姻の儀を前に

ユウナは、空を見上げていたら、急に

「ユウナ、体はもう大丈夫なのか?」

と、ゼロが声をかけてきたので、私は、

「もう平気です。・・迷惑をかけました。・・」

と、いい、私が急に謝ったせいなのか、あせった様子で

「・・わ、悪いのは・・俺らのほうだ・・だ、だからそんなこというなよ・・」

と、そっぽをむいていい、二人の間に、しばらく沈黙が流れた。

そのとき、ゼロが急に、

「・・俺今から、管理地の視察に行くんだけど、・よかったら、途中町で買い物でもするか・?」

と、誘ってくれた。私は、正直迷った。で、結局

「・・いいですよ。・別に・・私、買いたいものがあるし・・」

と、誘いを受けた。

買いたいものがあるのは本当で、迷ったのはロイから伝書鳩で送られる手紙を待っていたからだった。

「少し、待っていてください」

と言い残し部屋に戻った。

部屋に戻り、まず、ぼうしをかぶり、それと、お金を持って部屋に出た。

出たとたん、

「わぁ!」

と、声に出してしまった。なぜなら、すぐ目の前にゼロがいたからだった。ゼロは

「・・早く行くぞ。」

と、いい、私に背を向け歩いてく。あわてて私が後ろからついてゆく。


城を出て、徒歩で城下町を歩く。

露店の行列が道を挟む。商人たちが客を呼び止めようとする声が行き交う。

私は、数々の露店の中で目的の店を見つける。私はゼロに、

「あの店で買いたいものがあるんです。行ってもいいですか?」

とお願いした。ゼロは

「いいぞ。その店は、どこだ?」

と、問う。私は、目的の店を指差す。そして、その店へと向かう。その店の主人が

「いらっしゃい。・・お、珍しい髪色をしているね、お客さん。」

と、おどろく。

・・初対面の人はロイ以外みんな同じ反応をする・・

私は、苦笑いして、

「よく言われます。・・あの、これください。」

と、ほしいものを手にとっていう。主人は、

「このフードだね。これは、500エトゥだよ。」

といわれたので、いわれた料金を支払った。

「ありがとう~またきてね~。」

と主人に言われたので微笑んで、後ろに私と店の主人のやり取りを聞いていたゼロに話かけようとした。

そのとき見たゼロの表情は、言葉では現せられない深刻な表情だった。

私は

「ゼロ?」

と声をかけた。ゼロは、我にかえったのか、

「あ、悪い。じゃ、じゃあ、行くか。」

とあせったように私に背を向け、歩き出した。その背中は私が話しかけることを拒否しているかのように見えた。私は、

「ええ。」

といい、それ以来話しかけることなく、ゼロについていった。

ゼロはユウナが苦笑いする前に見せた表情のことを考えていた。

ユウナは、自分が見せた表情に気づかなかった。それ故にゼロの見せた表情の意味を理解できなかった。

ゼロは、ユウナに話しかけられるまで、全く周りに気づかなかった。それまで、

・・ユウナ・・自分の髪色のこと気にしているのか・・だからあんな顔をして・・初対面でいったときのあの言葉、気にしているのだろうか・・いやでも、こいつがそんなこと・・うーん、でも・・

と、心配、不安、後悔といった、感情と、葛藤していた。

ユウナは、ユウナで、

・・どうしたんだろう?・・考え事?ま、いいや。買い物終わったし・・

と、気楽に考えていた。


そんな二人で、これから、やっていけるでしょうか・・・?



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