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第十九章 ユイとの接触

ロイは母国でユイ殿への手紙を書いた。

そして従者にそれを渡し、ユイ殿に仕える者に渡すよう命じた。

その返事はすぐに届けられた。

手紙の返事は・・


         ロイ殿が分かってくれてとてもうれしいですわ。

         神の国と魔の国の国境でお待ちしています。

                             ユイ


という返事であった。

予想通りの返答だったとロイは思う。

ロイがはじめて直接話したときのユイ殿はそれはもう、ゼロへの想いとユウナに対する嫉妬でみなぎらせていた。

このままではユウナに被害が及ぶ。そう焦った。

ユイはゼロのそばに自分ではない女性がいることにいらだっていた。ユウナを除いてこれまでにもゼロに近づいてきた女性は多かったらしい。そのたびにユイはその女性たちをもの見事に追い払っていたという。

今回は毒の一件もあって自らで向くことができなくなってしまい毎日、ゼリム様(ゼロの兄)と退屈な生活をしていたらしい。

だが、そんな中、自分とユウナの情報がユイに届いた。噂もあって尾ひれもついていたそうだが・・。

それを聞きつけて自分に接触してきたんだと思う。

毒の一件があったからこそ、ユイの提案を拒否した。

こんな人の話にのったら・・・。

その後のことを考えると体が震える。

ユウナを取り戻すという利点は大きなメリットだが、そんなことをしたら国との争いに発展する可能性がある。それは避けたい。そう思っていた。

だが、ゼロとあんなことがあって、国よりユウナのほうが何倍も自分にとって大切だと思い知らされ考え直させられた。

そして国を捨てる覚悟でユウナを取り返すことを誓ったのだった。



夜、神の国と魔の国の国境沿いに建てられている大きなホテルで自分とユイはおちあった。


ホテルの部屋に案内され二人きりになると、早速、ユイが

「考え直してくださって本当にうれしいですわ。では、確認したいのですが、ロイ殿はユウナ様を取り返したいのですよね?」

話題を切り出し、聞いてきた。

「えぇ。そうです。」

ユウナを取り戻すためならもう何も迷わない。

「で、私は、ゼロ様と一緒にいたいということで、今日ここに会うと約束いたしましたが・・私があのときに言った策でよろしいんですか?」

遠慮がちに言うユイ。

「ユイ殿の策も良い思いつきですが・・・少し訂正しても良いですか?」


ユイ殿が思いついた策・・・それはこのような策だった。


ユイ殿がゼロを呼び出し、または時間を稼いでいる間ロイがユウナを取り戻すという策。

一見簡単な策だと思うのだが、よくよく考えるとリスクはかなり大きいものだといえる。


過去にユイ殿はユウナに毒を盛っている前科があるゆえゼロは警戒する恐れがあること。


ユウナにはゼロは自分のことを言ってはいないだろうが自分の言葉にユウナはすぐには聞いてはくれないだろうということ。


二つもリスクの高いものが付きまとっているのだからこの策は成功する確率が低いといえる。

それにすぐに犯人が分かってしまう。

ユイ殿はぜリム殿の婚約者だ。前の前科があるゆえ、すぐに疑われてしまう。

疑われ、脅かされて、もしユイ殿が自分のことをしゃべってしまえばそれこそ騒ぎは大きくなる。

それは避けたい。

そこでロイはユイ殿にこの策に負担される大きなリスクを話した。

「では、いったいどうするんです?」

ユイ殿が尋ねる。

「薬を使うんです。ゼロ殿には眠り薬を・・。ユウナには特殊な効果を発動させる薬を・・。」

「薬ですか・・?ではそれをどうやって・・?」

「この作戦は夜に行います。ゼロ殿の部屋にユイ殿は薬の香りを漂わせる匂い袋を見つからないようにおくことができますか?」

「えぇ、たぶんですが・・。合鍵を持ち合わせているので・・。ですがそうすると私が疑われるんじゃ・・・。」

「えぇ。そうなるでしょう。だから、その日はユイ殿には何らかの理由で外出してください。それにその匂い袋もある程度時間を置かないと薬の効果が発動しないという特殊な薬を用意しますので。そうすれば、ユイ殿、貴方は疑われることはないでしょう。」

「それを聞いて安心いたしました。ですがそうだとすると、ユウナ様を連れ出すときに背負うリスクは高いままですよ?」

「それは大丈夫ですよ。僕は魔法も薬の扱い方も上手ですから。」

ロイはにこっとユイに笑いかけるのであった。


その日は策の実行予定について話し合った。

        そしてついにその実行する日が訪れたのだった。


          ロイのユウナへの想いと、ユイのゼロへの想い・・・

         二つが共鳴しあって、ゼロとユウナに襲いかかる!!




























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