第一章 嫁がされたユウナ
ユウナは、光の国の国王(父)に、魔の国に嫁げといわれたとき、反対した。
「好きでもない相手と結婚することはできない。」
と。だが、父は、
「このままでは、わが国は、負けてしまう。」
の、一点張りで私の言葉など、耳にかさなかった。
私は、父を説得することを諦めた。
そして、私は魔の国に連れて行かれた。連れて行かれた先は、大きく、装飾のされている城だった。
私は、私の、夫となる相手と対面した。相手の名は、ゼロ。会って初めていわれた言葉は、
「お前の髪、珍しい色をしてるんだな。」
という言葉だった。
・・・無理もない・・・私、白髪だもの。・・でも、・・むかつく・・
「黒髪も珍しいと思いますが。」
と、私は、言い返した。
ゼロの髪は、黒髪だった。それ故に、言い返したのだ。
「まあ、そうかもな。」
と、あっさり言われた。
それもそうだ。この国の王族は黒髪で、それ以外の色の奴は、平民と、決まっている。
私の国の場合、魔力の高い者、または、特殊な能力の持ち主が王族になり、その家系が、代々、王位を継いでいく。
対面した後、私は部屋へ案内された。
中は、意外にもシンプルだった。ベットとテーブルが、一つずつあるだけだった。
~その日の夜、夕食~
王族達が一緒に食べる夕食会。私の隣には、ゼロが、座る。
私の方へと、次々に視線が集まる。並びだされた数々の料理。
その一つに、手を伸ばそうとした時、ふいに視界が歪んだ。
たまらず、その場から体が崩れる・・はずだった。
誰かが私を支えてくれたのだった。
うっすら、目を開けた。
目の前には、なんとゼロがいた。ゼロが、体を支えてくれたのだった。
ゼロの唇が動いた。でも、何て、言っているのかわからない。
だけど、かすかに、遠くから、舌打ちが聞こえた。
それを、最後に私は、気を失った。




