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: コルネ_20213610_1_v2
アイリス : いらっしゃい、コルネちゃん。
コルネ : うむ、メリークリスマス。
ミギノス : とっくに過ぎとるわ!季節感くらいは合わせて!
ヒダリノス : おたくらもつっこんだ方がええで!このままやと、しまいにお年玉せびりに来かねへんからな。
アイリス : い、いえ。私たちは別に……それより……
キャトラ : 眼鏡かけようかしら。ルグノスが二重に見えるわ。
ミギノス : いや、それ視力の問題とちゃうんや。
ヒダリノス : 二人になっとんねん、呪いのせいで。
コルネ : ルグノSになったのは呪いじゃないでしょ。
キャトラ : どういうこと?
なるほど。呪いで脆くなったルグノスが二つに折れて、ディアイゼの融結呪言で直したら二人になった、ねえ。ふむふむ……
――んなわけあるかーーー!
コルネ : まことにもっとも。
ミギノス : コルネは見てたやろ!
ヒダリノス : 冗談みたいな話やけどホンマなんやて。俺ッチもミギッチも縮んどるし、ちょっと若いまであるやろ?
ミギノス : 男前が台無しやで、ホンマ……
コルネ : まあ小さくなったのは本当だから、包丁として売ろうと思う。ミギノスヒダリノスの二本セットでお得。
ヒダリノス : すぐそういうこと言う!
ミギノス : それに前から言うてるけど、俺ッチたちは仮にも剛剣やで?包丁なんかちゃんちゃらおかしくてヘソで茶ぁ沸くわ。
コルネ : ヘソで茶が沸く機能搭載……20ゴールドかな。
ミギノス : 慣用表現わかって!
ヒダリノス : しかも安い!
キャトラ : 元に戻れないわけ?
コルネ : うむ。
ヒダリノス&ミギノス : いや、戻れるやろ!
コルネ : 両耳からうるさい……
ミギノス : そもそもダンジョンではガラティナに直してもらったんや。せやから今回も飛行島で待ち合わせしてるんやけど……
コルネ : あ。
――伝えるのを忘れておった。
ヒダリノス : またまたひねくれて、そんなこと言う。
コルネ : いや、ちょっと最近風邪気味で、ぼーっとしていて本当に忘れておった……
まあ迷惑かけたのがルグノSで不幸中の幸いであろう。
ミギノス : 幸いで片付けんとって!!
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ミギノス : なあ、ホンマに風邪は大丈夫なんか? 部屋に戻った方がええんちゃう?
コルネ : いや、あえて外気に当たり、風邪のやつに私は健康体だと知らしめねばならぬ。
ヒダリノス : またひねくれてからに……
キャトラ : あ、アンタたち。ガラティナたちと連絡がついたわ。
アイリス : 近いうちにこちらへ寄ってくれるそうです。それまでは飛行島で待機になりますが……
ミギノス : よかった~。一安心や。
ヒダリノス : ミギッチは心配性やからな。
コルネ : セット販売の機を逸したか。
ヒダリノス : すぐそういうこと言う~。
ミギノス : ダンジョンでは素直な瞬間もあったのに。
コルネ : ほら、早くいこうみんな?私の大切な仲間のルグノスを早く元通りにしなくっちゃっ!
ヒダリノス : あんときは可愛げがあったのになぁ。
ミギノス : せやせや。ちょっとはあん時の自分、見習ってみーな。
コルネ : あ、あれは呪いのせいで……
ヒダリノス : あれー? あべこべになる呪いで、素直な気持ちが出てたんとちゃうの~?
コルネ : そ、それは……
むうう……
: …………
……
コルネ : さあお立会い、お立会い。包丁の大安売りだよ。ただ安いだけの包丁だよ~!
ミギノス : 実演販売すな!
ヒダリノス : しかも安いだけてなに?
コルネ : この包丁ならトマトを切るときも力いらず。おいしい料理に磨きがかかります。
さあ、切れ味抜群のこの包丁、定価の10億ゴールドにお喋り機能が付いて……
――20ゴールド!
ヒダリノス : なんで安なんねん!
コルネ : 逃げられてしまった……お喋り機能は隠すべきだったか。
ミギノス : ショック死するわ!
ヒダリノス : 存在の否定やん!ちょっとひどいんとちゃう――
ミギノス : どないしたん?
コルネ : ……ちょっと悪寒が……
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コルネ : きゅう……
ミギノス : せやから部屋に戻ろう言うたやん。自業自得やで。
アイリス : はい、コルネちゃん。冷えたタオルと氷枕だよ。薬もあるからね。
ヒダリノス : お、すまんな、アイリス。タオル、ちょっとコルネのおでこにのせたって。
ミギノス : おでこあっつ! 卵焼き焼けるで!大丈夫かいな、ほんま。
ヒダリノス : そんなら薬も飲んどかなあかんで。すまんけどアイリス、薬も頼むわ。
コルネ : 両方からうるさい……
アイリス : ミギノスさんもヒダリノスさんも、心からコルネちゃんのことが心配なんだよ。
ミギノス : べ、別にそんなんちゃうけど?
ヒダリノス : 相棒がこんな状態やったら、俺ッチたちなんもできへんしな。仕方なくや。
アイリス : でも、まるで弟がお姉ちゃんを心配してるみたいでした。
キャトラ : そうね。ミギノスが心配性で、ヒダリノスがお世話焼きな感じかしら。
コルネ : …………
アイリス : だから、心配させたくないからって、無理はダメだよ、コルネちゃん。
キャトラ : アゾートもさっきの診察で、栄養を取って休めって言ってたでしょ?
コルネ : むう……
ヒダリノス : コルネ……俺ッチたちに気ぃ使ってたんか……?
キャトラ : でも、確かに大人数が部屋にいても落ち着かないわね。アタシたちとなりの部屋にいるわ。
アイリス : なにかあったら呼んでください。
ミギノス : ……いきなり寂しゅうなったな。俺ッチらだけで看病できるやろか。
ヒダリノス : 大丈夫やって。俺ッチたちは看病も最強――
ミギノス : ! おい、コルネの顔色……
コルネ : ……うぅ……
ミギノス : ……さっきよりだいぶ悪いで……
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コルネ : ……うぅ……
ミギノス : 無理すんなや、コルネ。もう起きんでええから寝ときって。
アイリス : ミギノスさんもヒダリノスさんも、心からコルネちゃんのことが心配なんだよ。
でも、まるで弟がお姉ちゃんを心配してるみたいでした。
ヒダリノス : なんや? なんか欲しいんか?いまはひねくれは要らんねんで!
コルネ : そうじゃない……
――看病は頼んでないけど、礼は言っておこう……
…………
NONE : ――寝たんか……?
ヒダリノス : どないする? コルネがホンマにひねくれてへんなんてキャラブレやで。
ミギノス : ああ。いよいよおかしくなりよった……!
ヒダリノス&ミギノス : …………
ミギノス : ――それやったら、あれしかないな。
ヒダリノス : さすがに俺ッチなだけあって、考えることは一緒みたいやな。
ミギノス : せや。俺ッチたちの絆の前に、剛剣のプライドなんか屁みたいなもんや。
: ミギノスは壁の向こうの部屋に呼びかけた。
ミギノス : ――アイリスおるか? ちょっと手を貸してほしいんやけど!
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コルネ : ……あれ……?
……む。ルグノS? どこだ?
――勝手に移動はできないはずだ。もしや……
ミギノス : 俺ッチたち盗んでも安モンやてーーーー!
ヒダリノス : コルネさまーー! 助けてーーー!
コルネ : ひょ、ひょええええ……
とにかくキャトラたちに知らせねば……
――倒れぬ。風邪ごときの思い通りにはさせん……
??? : おう、どんとやってくれ!
ヒダリノス : コルネは寝てるからな。いまの内や。
コルネ : ――なんだ。人の気も知らず……
アイリス : 本当にいいんですか?ルグノスさんを包丁にしても……
ミギノス : おう。アイリスやったら扱いも丁寧やろうし。
ヒダリノス : そうそう。コルネなんか、前のダンジョンでも俺ッチたち捨てようとしたんやで。
コルネ : …………
アイリス : コルネちゃん、きっと本心じゃないと思いますけど……
ミギノス : 知ってるわ。あんときも俺ッチたちのことを考えてって後から聞いてん。
ヒダリノス : なんだかんだで相棒やしな。風邪なんかこの剛剣が追い払ったらな!
コルネ : 包丁、嫌がってたくせに……
…………
――誰?
――わ、私が? ち、違う、落ち込んでなどおらぬ。
いまは風邪気味で……
そう、風邪気味だから気分が優れぬだけだ……
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コルネ : 私の武器は、武器だけじゃない……
<武器を信じる己の心>が――私の最大の<[絆:ぶき]>なんだっ!!!
――これ、あのときの私……
……案ずるには及ばぬ。ちょっとダンジョンのことを思い出しただけだ。
――でも、大事なことだった。
……風邪で起きてからいろいろ変な風に考えてしまう。もう一度寝てたら、奴らもそのうちに帰って――
ミギノス : お、コルネ。起きてきたんか。
ヒダリノス : ちょうどええわ。アイリス、見せたって。
: アイリスは湯気立ち上る料理をテーブルに置いた。
コルネ : ――これって……
ミギノス : 俺ッチたちが包丁になって、アイリスにつくってもろたんや。
ヒダリノス : アゾートも栄養が大事言うてたし。俺ッチたちの切れ味やったら、素材の栄養素を逃がさんからな。
コルネ : じゃあさっきの……
……あれだけ嫌がってた包丁になるなんて、ひねくれ者め。
ミギノス : おたくと一緒にせんといて!
ヒダリノス : 素直になれん奴やで。ダンジョンではあーんなこと、言うとったのになあ?
コルネ : ――い、言っておらぬ。
ヒダリノス : 何のことか言うてないのに、既に心当たりあるやん。
コルネ : そのようなものはない!
ミギノス : ま、いつものひねくれが戻って一安心やな。
アイリス : さ、コルネちゃん。熱いうちに食べて。二人ともがんばって協力してくれたんだよ。
コルネ : う、うむ……
……では喜ばぬと思われているところを、あえて喜んで食べる高度なひねくれを発揮してやろう。
キャトラ : どうしても素直にはならないのね……
: コルネは料理をスプーンですくった。
ヒダリノス : ふーふーしたろか?コルネちゃーん。
コルネ : いらぬ。わ、私に注目するな……
: そう言いながら料理を食べたコルネの頬は――
――ほんのりと赤みを帯びて緩んでいた。




