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prologue
小さな島国、「シーフリック国」。レンガ造りの建物が多く並ぶのが特徴的で、美しい街として島全体が観光地となっている。そんな国の中心部で生活する少年、クレイ。そして彼の親友のネイ。ネイは生まれつき目が不自由で、若干の色と光しか感じることが出来ない。2人は家が隣であったことから、幼い頃から共に過ごす時間が人一倍多かった。公園に行く時も、学校に行く時も、いつでも一緒。そんな生活が、クレイは大好きで大切だった。2人が歩く街は川の水が流れる音が響き、白レンガの建物が多く建てられている。クレイはそんなこの街の景観に誇りを持っていて、将来は建築関係の職に就きこの街をさらに豊かにしたいと考えているほどだった。あわよくば、ネイにももっと綺麗なこの街の景色を見てもらいたい。そう心の奥底から願っていた。