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紫耀はスーリィの街に訪れていた。以前、防具を作ってもらった仕立て屋と待ち合わせしているからだ。


『(扇子と水晶玉だけのつもりだったけど、防具になりそうな素材も沢山集まったし、仕立て屋さんにたのんじゃお。…扇子作れる職人いるといいんだけど。)』


そんな事を考えながら歩いていると、待ち合わせ場所である仕立て屋の店についた。紫耀が扉を開けると、店内には老人と女性がいた。


「おぉ。いらっしゃい紫耀殿。すまんなぁ。水晶玉を作れる職人は見つかったんじゃが…扇子職人の方は見つからんかった。」

『そうですか…では水晶玉と狩衣の制作をお願いします。』

「狩衣…防具も新調するのかの?」

『良い素材が手に入りましたので。これなのですが…作れそうですか?』


紫耀は「禍津の森」のモンスターからドロップした〝禍蜘蛛の稀糸〝をどっさりとカウンターに置いた。

仕立て屋の老人は素材を「鑑定」スキルで調べて目を見開いた。


「なんじゃ…このとんでもない素材は。…ふむ。これだけあれば狩衣を作ってもお釣りが出るわい。代金から引くから残りを買い取らせてくれんか?」

『かまいません。お願いします。…水晶玉はこちらの女性が?』

「ん?あぁすまんすまん忘れとった。こっちのはラピダリーのマチルダさんじゃ。」

「はじめまして。マチルダです。水晶玉は私が作らせていただきます。」

『はじめまして。陰陽師の紫耀です。水晶玉になりそうな素材も持ってきました。確認をお願いします。』


紫耀はマチルダに〝禍々しき蛇の涙〝を渡した。


「これは…とても素晴らしい水晶です。少し研磨して形を整えれば水晶玉になりますね。…ところで水晶玉は何にお使いになるんですか?」

『…占い…ですね。』

「占い…水晶玉で占いが出来るのですか?」

『はい。我々陰陽師の占いは普通式紙を用いたものなのですが…結果が少々曖昧でして。水晶玉だとはっきりとした結果が見えるので、私は水晶玉を使います。』

「なるほど…。」

「……ん?紫耀殿。その左目はどうなされた?前に見た時と色が変わっとるように見えるんじゃが。」

『あぁこれは…特殊な目を授かったのです。目立ちますか?』

「顔を見たら目につくからのぅ。遠目ならわからんじゃろうが、近くだと目立つのぅ。」

『…そうですか。(呪いがかかる距離、後で確かめておこう。)』

「扇子の方はどうなさいます?」

『まずは八禍村の方で探してみます。』

「そうですか。水晶玉は任せてください。最高のデキに仕上げて見せます。」

「狩衣も儂に任せよ。なんせ素材が良いからの。良いものが出来上がるじゃろう。」

『お願いします。』


紫耀は職人二人に材料を預け、その日は拠点に帰り扇子職人探しは明日にまわす事にした。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 他の作品より短いが話がまとまっているため簡潔で読みやすく尚且つ面白い
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