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ドーン  ドカーン  バリバリー  ガキンッ


最初の街「ファスト」から少し離れた所にある平原「ファストの平原」にて、レイドボス「大ぬりかべ」の討伐が行われていた。

大ぬりかべは攻撃は大したことはないがとても固く、物理攻撃はほとんど無効と言ってもいいほどダメージが通らない。しかし魔法攻撃は効くかと言われると、物理よりマシと言うだけである。


ゆえにレイドボス戦に参加しているプレイヤー達はチクチクとした攻撃しか出来ない。そんな中、誰かが叫んだ。


「誰か〝あの陰陽師〝呼べねぇのか!?」

「呼べたら最初から呼んどるわボケ!」

「報酬全部持っていってもいいから来てくれないかなぁ。紫耀様」

「狂信者だったら呼べない?」

「無理」


そんなやり取りをしながら大ぬりかべの体力をチクチクと削るプレイヤー達だが、大ぬりかべの体力はまだ九割以上残っている。

途中放棄してしまいたいが、レイドボスのいるエリアは他のモンスターが一切現れないので、初心者や自分たちのためにもなんとか倒さなくてはならない。


そんな絶望に支配されつつあるエリアに一人のプレイヤーが入ってきた。

赤い椿が描かれた以外は漆黒の狩衣をまとい、右手に紫の扇子、左手に長方形の白い紙を持ったプレイヤーだ。

そのプレイヤーに気がついたとある狂信者は雄叫びを上げた。


「うおぉぉぉぉぉぉ!紫耀様キタ━(゜∀゜)━!」

「何!?来た!?」

「これで勝つる!」

「終わったな」

「ヤバい…今日もふつくしい…紫耀様…ヤバい」


〝紫耀〝と呼ばれた漆黒の陰陽師は左手に持っていた紙を前方に投げた。


『出でよ 玉藻の前』  コーン


紙がボフンと音を立てて消えると狐の鳴き声と共に狐の耳と九本の尻尾を持った着物姿の美女が現れた。


『狐火を』

[えぇ。任せて]


ボカーン!!


玉藻の前の妖術〝狐火〝が大ぬりかべを包む。大ぬりかべの体力を一度で四割削り、さらに状態異常〝発火〝を付与した。

玉藻の前の後に漆黒の陰陽師が続く。


『火炎玉』


ドッカーン!!!!


陰陽師の妖術〝火炎玉〝が大ぬりかべの体にクリティカルヒットした。オーバーキルされた大ぬりかべはガラガラと音を立てて崩れていく。そのさまを見たプレイヤー達は漆黒の陰陽師に称賛の声を上げる。


「キャー!紫耀様ー!キャー!」

「うおぉぉぉぉぉぉ!紫耀様ー!!サイコー!!陰陽師ばんざーい!!」

「なんだアイツ…陰陽師?は?あの火力で?え?」

「お前知らねぇの?トッププレイヤーとか最強のNPCとかラスボスとかって言われてるヤツだよ。」

「いやプレイヤーとNPCどっちだよ!?」

「どっちかわからねぇんだよ。」


そんな声を受けながら漆黒の陰陽師はエリアから去っていった。


自分の拠点に戻った漆黒の陰陽師、紫耀はポツリと呟いた。


「他のプレイヤーこわ…乱入したからってあんなに怒鳴らなくてもいいじゃん…」


紫耀にプレイヤー達の称賛は届いていなかった。

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