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闘技大会当日。紫耀は万全の体調でファストの街にある会場の待合室にいた。式との連携や陣形も最善だと思うものにした。あとは自分の試合が始まるのを待つだけだ。
待合室には行われている試合が見れる大型の画面のようなものが設置されている。待合室にいるプレイヤーとNPCは皆それに視線が釘付けだ。紫耀も見ている。
今戦っているのは、〝勇者〝と呼ばれる魔法剣士が率いるパーティと、中堅どころと思わしきパーティだ。
勝負は15分たらずで勇者チームの勝利で終わった。次は紫耀の試合だ。
「紫耀様。入場口までご案内します。」
『…はい。』
運営のNPCに案内され入場口まで来た。式や従魔はこの場で召喚するらしい。
紫耀は考え抜いた〝最強メンバー〝を呼び出した。
そしてしゃんと背筋を伸ばし、メンバーのうちの一体の背中に乗り入場した。
対戦相手は紫耀より先に入場したらしく、すでに陣形を組んで待ち構えていた。
プレイヤーの中から選ばれた実況者と運営側の解説者が紫耀の紹介に入る。
「さぁ!次に入場してきたのは…おおっと!八番目の村、八禍村代表!紫耀選手、黒い一反木綿に乗っての入場だぁ!!強そうな妖怪も引き連れているぞぉ!…おや?フルメンバーとしてはあと一人分空きがあるようですが…。解説者さんはどう思われます?あと私白い一反木綿しか知らないんですが。」
「ふふ。ちゃんとフルメンバーですよ。分かりにくいですがちゃんと六人…いや、一人と五体います。紫耀選手、鬼童丸、酒呑童子、玉藻の前、一反木綿、それから付喪神ですね。一反木綿については〝染色〝または〝格上げ〝の結果ですね。」
「なるほど…ん?付喪神は…?どれですか?」
「紫耀選手の持っている琵琶ですよ。付喪神は武器や道具に宿って戦う万能型のかなりレアなモンスターです。」
「なんと!これは面白くなってまいりました!…ちなみに紫耀選手はプレイヤーですか?NPCですか?」
「それはノーコメントで。」
「くっ!相変わらず教えてくれない!まぁとにかく今は試合です!両者位置についてください!……つきましたね。では!試合開始だぁ!!」
開始の合図と共に対戦相手の前衛二人が突っ込んでくるが、鬼童丸に首を跳ねられた。相手は後衛が三人、前衛一人となった。畳み掛けるように玉藻の前の「狐火」が後衛三人をまとめて焼き殺した。最後の一人はヤケになって紫耀に突っ込んでくるも、酒呑童子に金棒で殴り飛ばされHPバーが砕け散った。
「おぉう。瞬殺とはまさにこの事!紫耀選手の圧勝だぁ!!」
「かなり余力を残し、手の内もほとんど見せない戦い方でしたね。これは対策を練りづらい。」
紫耀の初試合は勝利で終わった。次の試合、そのまた次の試合も特に代わり映えせずに紫耀は手の内をほとんど見せずに勝ち上がり、参加者は残り八チームまで減った。今日の試合はここまでらしく、実況者と解説者が終了の挨拶を始めた。
「はい!本日の試合はここまで!勝ち残った八チームの試合は明日の十時から開始です!参加者の皆さんは遅刻しないように!遅刻したら失格なので気をつけてください!」
「では、先に対戦カードを発表しておきます。…ジャン!画面に写ってる通りになります。」
〝第一試合 勇者パーティVSテイマーと狼達〝
〝第二試合 脳筋パーティVS攻略班〝
〝第三試合 頭脳戦パーティVS戦隊パーティ〝
〝第四試合 耐久力パーティVS漆黒の陰陽師パーティ〝
「ちなみにパーティ名は私が勝手に着けました☆」
「実況者さん…実況の腕前はあるのにネーミングセンスなかったんですね。盲点でした。」
実況者と解説者のやり取りに観戦席からパラパラと笑いがおこる。
こうして闘技大会一日目は終わった。




