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05.パワーアップはお約束?

 東京都にある某地区某ビルの地下、そこには東京ドーム4・5は入るほどの地下空間があった。

 ここは魔法総合局が所有する地下実験訓練場だ。

 今俺はその地下実験訓練場に居た。

 何でこんなところにいるかと言うと――


「前回のStartとの敗戦の原因は何かわかる?」


「まぁ、単純に実戦経験の差、だろうな」


「そうね。今の5代目はただ単純に魔力だけが多い素人同然よ」


 素人同然はいい過ぎじゃないか……?

 これでも数か月は覚醒者や愛怨(アイオン)相手に戦ってきたんだが。


「で? アニメとかお馴染みのパワーアップをしようって言うのか?」


「何を言っているの? そんな簡単にパワーアップ出来る訳ないじゃない。

 そんな事が出来るなら歴代の魔法少女が既に試しているわよ」


 だよな~


「そう簡単には経験差は埋まらないけど、実戦経験を積むと言うのはありよ。

 と言う訳で暫くは実戦を想定した特訓をするわよ!」


 と、まぁ、ここに居る理由は魔法結社Accessの26の幹部Startにリベンジする為の特訓をする為だったりする。

 俺の目の前に立っている女性は魔法総合局対覚醒者対策課の氷室課長だ。

 つまり2代目の魔法少女ソードダンサーだ。


 氷室課長は魔法少女だったとは思えないバリバリのキャリアウーマンで、出来る上司を思わせた。

 容姿も170cmの長身で長い髪を後ろに纏め、ややきつめの表情だが美人と言っていい女性だ。

 スタイルも抜群でスーツから溢れ出そうなDはありそうなボリュームある胸にくびれたウエストにむっちりした尻にタイトスカートからのぞかせるむっちりした太腿が大人の色気を醸し出していた。


 ……この人ホントに魔法少女だったのか? 全然見えねぇ……


「実戦形式の特訓はいいんだけど、俺1人でするのか?」


 今この地下実験訓練場に居るのは俺と氷室課長の2人だけだ。


「何言っているのよ。私が相手をするわよ」


「………は?」


「実践から暫く遠ざかっているけど、歴代の魔法少女の中で実戦経験が多いのは私なのよ。

 まぁ、それでも初代には敵わなかったけど……」


 ドヤ顔で言ってくる氷室課長だが、あんたもう魔法少女にはなれないんだろ?

 俺の疑問は予測済みなのか、氷室課長は対覚醒者対策課の戦闘魔法アイテムを幾つも用意していた。


「魔法少女にはなれないけど、それに近い戦闘装備は用意したわ。これはこの魔法装備の実験を兼ねた貴方の実戦特訓なのよ」


 なるほどね。

 魔法少女と対等に戦えるほどの装備が用意できれば対覚醒者対策課の戦力の向上につながるわけだ。


「さぁ! 始めるわよ!」




◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 そうして俺のスケジュールに魔法少女の特訓が加わった訳だが……マジでキツイ!!

 何がキツイって、特訓の内容は勿論の事、仕事終わりの特訓に普段の覚醒者&愛怨退治はキツ過ぎる。

 仕事場から都心の地下特訓場までの移動だけでもキツイって。

 そこへ普段のパトロール(?)が加わるんだ。体がもたねぇ……





「……で、何で愛怨がこんなに溢れかえっているのよ!」


 特訓を始めたあたりから、愛怨の出現率が倍……いや、3倍以上になっていたのだ。

 まぁわたしに対応した愛怨をStartが用意したんだろうけど。

 その数がハンパない!


 今までは1日に1体はいればいい方だったけど、今は2~4体を退治して回っていた。

 その強さも以前よりも遥かに上回っていたりする。


「はぁ~~、これで今日は4体目……もううんざりよ!」


 この調子じゃ5体目も出そうね……


 今日も特訓の合間の愛怨退治をしている訳だけど、特訓に戻る間もなく次々と愛怨の出現の報告がもたらされるのだ。


「こんなんでStartを倒せるのかしら……?」


「Startさんを倒すとは大きく出ましたね。魔法結社Accessの26の幹部はStartだけじゃないのですよ」


 思わず声のする方を見れば、そこには小学生くらいの子供が居た。

 但し両隣には見たことの無い愛怨を携えて。


 いつの間に……!?


 幾ら疲れていたとは言え、ここまで接近されて気配を察知できなかったとは。

 わたしは動揺を抑えながら少年の方を見る。


「初めましてソードダンサーさん。僕は26の幹部の1人、Zodiacです」


「それで、26の幹部のZodiacさんはわたしに何の用かしら?」


「ええ、Startさんがソードダンサーさんを見逃したと聞いたので、僕が代わりに止めを刺しに来たんですよ」


 わざわざその為に来たって言うの!?


「へぇ~、26の幹部って相当暇なのね」


「そんな訳ないじゃないですか。僕としては早々に邪魔者の芽を摘みたいんですが、貴女の担当はStartさんなんですよ。

 でもStartさんはソードダンサーさんを放置しっぱなしで、僕としてはいい加減にして欲しくて。これ以上僕達の邪魔をされるのは勘弁願いたくてね。

 で、Startさんの許可を得て僕が出張ったって訳です」


 ん~~~~? もしかして魔法結社Access内部でも対立があるのかな?

 Startも許可を出したって、もしその気があるのならあの時にわたしを無理にでも倒していたはず。

 それを子供のZodiacを今頃寄こすって……

 おそらく倒せるものなら倒してみなと言う感じでZodiacに許可を出したんだろうね。

 とは言え、こう見えても26の幹部の1人。油断は出来ないわね。


「そう、わたしも舐められたものね。貴方程度じゃわたしは倒せないわよ」


 だけどわたしは敢えてZodiacを挑発する。


「はぁ? そちらこそ僕を舐めるな! この僕の十二星座愛怨(ゾディオン)はStartの愛怨とは違うんだぞ!!」


 思った通り、子供だから簡単にこちらの挑発に乗り冷静さを失った。

 確かに両隣に居る愛怨は普通には見えない。

 けどそれを操るのはZodiacだ。

 冷静さを失ったZodiacが操る十二星座愛怨(ゾディオン)は攻略しやすいはず。


「行け! 蟹座愛怨(キャンサー)! 獅子座愛怨(レオ)!」


 赤い甲殻に覆われた両手が鋏となった愛怨と、獅子を思わせる上半身を持つ愛怨。

 その2体が私に向かって襲い掛かる。


 わたしはステップを刻み襲い掛かる2体の愛怨を体捌きだけで躱す。


「……なっ!?」


 Zodiacは驚いていたが、この程度で驚かれてはここから先は持たないわよ。


 躱し際に軽く剣を振るうが、思った通り蟹座愛怨(キャンサー)の方は硬い甲殻に阻まれダメージは無い。

 逆に獅子座愛怨(レオ)の方は分厚い肉厚と毛に阻まれたが薄っすらと傷が入っていた。


 ふむ、まずは獅子座愛怨(レオ)を先に倒し、蟹座愛怨(キャンサー)を後でじっくり倒した方がいいね。

 そうと決まれば獅子座愛怨(レオ)に向かってステップを刻みながら間合いを詰め、左右の剣を振るう。

 射線を獅子座愛怨(レオ)蟹座愛怨(キャンサー)が重なるようにして常に1対1になるように位置取りをし、何度かの斬撃の後に留めの魔法斬撃を放つ。


剣舞烈斬(ソードダンスブレイク)!」


「GAAAAAAAA……」


「そんなっ!?」


 Zodiacの動揺に呼応するかのように蟹座愛怨(キャンサー)の動きも鈍くなる。

 思った通り操る側が正常じゃないと愛怨側も動きに誤差が生じるみたいだ。


 同様の隙をついてわたしは蟹座愛怨(キャンサー)に間合いを詰め、関節の隙間に斬撃を放つ。


「GIGIGIGIGI!」


 わたしの斬撃を振り払うかのように両の鋏を振り回す蟹座愛怨(キャンサー)

 残念だけどそんな大振りの攻撃は当たらないよ。


 ステップだけで躱しながら攻撃の合間合間に斬撃を放ち、次第に蟹座愛怨(キャンサー)は動きが鈍くなる。


「くっ、こうなったら……!」


 Zodiacの方を見れば足下に3つの魔法陣が輝いていた。

 そして3つの魔法陣からは新たな十二星座愛怨(ゾディオン)が現れる。


 って、ここで追加!?


 Zodiacは召喚系みたいだ。てことは、先に倒すべきはZodiacの方って訳ね。

 わたしは更に速度を上げて蟹座愛怨(キャンサー)を攻撃する。


射手座愛怨(サジタリウス)! 牡牛座愛怨(タウロス)! 行け! 乙女座愛怨(バルゴ)は僕の護衛だ!」


 ちっ、流石に自分が弱点と分かっているから十二星座愛怨(ゾディオン)の1体を護衛に付けたか。

 って、蟹座愛怨(キャンサー)を相手している間に新たに現れた2体の十二星座愛怨(ゾディオン)がわたしに襲い掛かってきた。


 牡牛座愛怨(タウロス)は見た目通りのパワーファイターで手にしたバトルアックスで攻撃してくる。

 射手座愛怨(サジタリウス)は下半身が馬の機動力を生かし、わたしの周囲を駆け巡りながら矢を射る。


 ちょ、流石に十二星座愛怨(ゾディオン)の3対1はヤバい。

 対処が追いつかなかくなってきた。

 思いのほかこの3体の連携がかみ合っているのだ。


「は、ははっ! ど、どうだ、これが僕の十二星座愛怨(ゾディオン)だ! これで僕が弱いだなんて言わせないぞ!」


 状況が有利になったことによりZodiacも冷静さを取り戻し始めた。


 ヤバいなぁ~状況が不利になり始めた。

 こういう時にサポートするのがマスコットキャラの役目なのにフェルの奴居ないときたもんだ。

 まぁ今日の愛怨の後始末に追われてこの場には来れないんだけど。

 それを想定しての強化愛怨の多数投入ならやるなStartと言わざるを得ない。


 とは言え泣き言を言っても始まらない。

 今はこの場をどうにか凌いで反撃に出ないと。


 だが状況は更に悪化する。

 上空から新たな愛怨が現れたのだ。


「ほう、随分と面白い事になってんな」


 新たに現れた愛怨は獣のように四つん這いの姿勢を取りながらニヤリと笑いながら言葉を発した。

 その愛怨は人肌ではあるものの、獣のような咢をした額には角が生えた鬼獣だった。









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