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第十七話【パーティー勧誘】

 結果発表の声が物凄く遅く感じる。

 早く言えよ!


『優勝者は‥‥‥赤い閃光!!』


 は?


「えっ!?」

「やったぜぇー!!」


 その結果に俺は口を開け、ギルツさんがその場でジャンプをした。


『──と見せかけて、地味男だぁぁぁ!! 僅かな差を制したのは地味男ぉぉぉ!!

 高レベルプレイヤーの赤い閃光を抑えて優勝してしまった! なんと言う事でしょう。改めてもう一度言います。優勝者は地味男ー!!』

「‥‥‥? や、やったぜぇー!」

「‥‥‥? えっ!?」


 俺とギルツさんの表情は一瞬にして入れ替わった。

 いや、結構ビビったわ。

 一瞬負けたと思ったわ。

 あの実況野郎、絶対悪意あるぞ。


 とそこで赤い閃光のもう一人、ガリックさんがゴールした。

 さっきの実況を聞いて既に勝敗を把握しているのだろう、何も言えねぇと言った顔をしてこちらに近づいてきている。


「おい、ギルツ。‥‥‥本当に負けたのか?」


 そんなガリックさんの言葉に、ギルツさんが少しにやけながら呟く。


「らしいぜ。‥‥‥最後絶対逃げ切ったと思ったんだけどな」

「そうか。でも実況聞いていた限りだと、加速を使用したんだろ? それでも負けたって事は‥‥‥お前、何者だよ?」


 ガリックさんはその場に立ったまま、座っている俺に話しかけて来た。

 俺は素直に答える。


「何者って言われても‥‥‥普通のレベル11プレイヤーですが?」

「「普通じゃねぇだろ!!」」


 二人は、はもって否定して来やがった。

 本当の事を言っただけなんだがな。

 だってそうだろ?


 俺ってどこにでもいるバランスの良いステータスを持ったプレイヤーだろ?


 ‥‥‥おい、誰か肯定してくれよ。

 まるで俺が変人みたいじゃねーか。


「いえ、普通ですよ? 俺はバランス良く敏捷に極振りしてるだけなんで」

「バランス良くねぇよ!」

「極振りって‥‥‥お前、マジか?」


 ギルツさんが俺にツッコミを入れる横で、ガリックさんが驚いた表情をして聞いてきた。

 そんなに珍しい事でも無いだろ。


「えぇ、まじですけど」

「いや、それであの試験‥‥‥よくクリア出来たな」

「ん? あれってそんなに難しいですか?」


 結構早く攻略した覚えがあるのだが。


「当たり前だろ! 敏捷極振りがいる時点で、そいつは何も出来ないんだから、普通に考えて他のプレイヤーに嫌われるだけだし、一度でもダメージを食らったら死亡なんて誰も一緒に攻略して行きたがらねぇんだよ」

「あー、なるほど。でも俺の場合は小さいサーバーに居た女の子が知っている人だったし、その子をおんぶして敵の攻撃が当たらない様に走っていただけですから、そこまで難しくはなかったですよ?」


 まぁ、何回か死にかけたがな。

 俺の言葉を聞いた二人は、何も言えねぇと言った顔をしている。


「お前、運が良いと言うか、何と言うか」

「とにかく、そのおんぶって言うのは‥‥‥多分攻略組の中でもいねぇな」

「えっ、そうなんですか?」


 てっきりたくさんいるものだと思っていたんだけど。


「当たり前だ。だって恥ずかしいだろ? 他のプレーヤーがたくさん居るのに」

「すみません。俺って普通の一般的な人間なので、おんぶで恥ずかしいとかは、あまり思わなかったですね。最初はお姫様抱っこ戦法で攻略していましたし」

「普通じゃねぇよ!」

「むしろ変人じゃねぇか。このリア充が!!」


 ん?


「あの‥‥‥」

「あ、なんだ?」


 俺はリア充と言われた事に疑問を抱き、質問し始める。


「俺いまいちよく分からないんですけど、リア充って何なのでしょうか? あ、リアルで充実しているという意味だと言うのは分かっています。けど、我々日本人のほとんどはそんなリア充を恋人、カップル等の人種に使用している。でも本来の意味は、現実の生活で充実している事を指しますよね? つまり自分自身が充実していると感じれば、それがリア充だと思うんですよ。にも関わらず大多数の人達は、異性の親しい相手がいるかどうかの動詞として使っている様に感じます。「俺インターネット環境があるから幸せだわ。でもリア充になってみたいな」とか思っている男子、日本のどこかにはいるよな? いるよな? リア充になりたいって言っているのに、幸せで現実的に充実していると宣言しているこの矛盾。流石におかしいとは思わないかね? まあそう言った話を含めて、ガリックさん、あなたに問います。今現在あなたが使用したリア充とは、どういった意味を込めていたのでしょうか? 論理的かつ具体的に教えてもらえるとありがたいです」


 自分が正しいと思う理屈を、一切の間を空ける事なく喋っていくと、ガリックさんはめちゃくちゃ呆れた顔をした。


「なあギルツ、こいつって頭が良いのか? それともアホなのか?」


 ギルツさんは首を横に曲げ答える。


「分からねぇ。俺も今丁度悩んでいたところだ」


 何を言ってるんだね君達。


「俺はどっちでもないですよ? だって普通の一般人ですから」


 不思議そうな表情をしてそう答えると、二人は納得した様に頷く。


「うん、こいつはアホだ」

「うん、こいつは馬鹿だ」

「いや、何でだよ!?」


 その後、俺と赤い閃光の二人組は、表彰式の為に街中の正門前へ移動した。


 そしてNPCから賞金の10000Gを受け取ると、すぐ近くまで来ていたあめの所へと向かう。


 賞金をもらってすぐ、ほとんどのプレイヤーが口を開けてびっくりしていたり、「赤い閃光に勝ち上がったぞ、あいつ」や「疾風のバンダナも着けて無いし、初期装備じゃねぇか」や「あの地味男、何者だよ!」等の声がたくさん聞こえてきたが無視。


 一刻も早くあめのところへ行きたかったからな。


「‥‥‥ひろとくん、お疲れ様」


 札束を持ったままあめの目の前に行くと、そんな声が聞こえてきた。

 なんか落ち着く音色だな。

 俺はにやけながら答える。


「おぉ、凄かっただろ?」

「‥‥‥うん。スクリーン越しにずっと見てたけど‥‥‥あの‥‥‥格好良かった」


 あめは顔をさくらんぼの様な色に染め、そう呟いたが珍しく、下を向かず俺と目を合わせたままだった。

 ‥‥‥前髪で目が合っているのかどうかは分からんが、まあこの角度からして合っているだろう。

 てか、可愛い。


「まじか、素直に嬉しいよ」


 俺自身が格好良いという事実は昔から知っていたけど、改めて女子に言われたら喜びを感じてしまうぜ!


「おい、あいつリア充かよ」

「くそ、爆発しろ!」

「地味男のくせに」


 なんか不愉快な言葉が聞こえてくるな~。

 リア充って何なんだろうな~。

 教えてくれよな~。


「あめ、とりあえず別の場所に行こっか? なんか周りの目が気になるし」


 あめはそう言われて気付き恥ずかしくなったのか、下を向く。


「‥‥‥あ、うん」


 俺たちはそう会話をし、街の中央部辺りを目指して歩き始めた。


 後ろから赤い閃光の二人がついて来ている様な気がするが、まあ気のせいだろう。

 それ以外にも数人が後を追って来ている様な気がするが、まあ気のせい? だろう。


「どこかに良いお店がないかな~」


 ちょっと狭い道の角を曲がり、かなり広い大通りに出た所で俺が呟いた。


「‥‥‥たくさんお店があるから‥‥‥どこが良いのか分からない」


 そう、今あめが言った通り、この大通りにはたくさんの飲食店や屋台があるのだ。

 中には現実世界で見た事のある種類の店舗も存在しているのだが、ほとんどのお店がこの【デスティア・オンライン】独自のものらしく、看板の名前を見ても料理のジャンルがよく分からん。


「う~ん。考えても分からないし、あそこにでも入ってみる?」


 そう言って指をさした先には、白っぽい建物があり看板には【Embellir─CAT─】と書かれてある。


 前半の単語の意味は知らないけど、CATって言うのは猫の事だと思う。

 俺結構猫好きだし、ハズレではないだろう。


「‥‥‥うん、いいよ」


 あめはこちらを見て頷くとそう呟いた。

 口元からして結構嬉しそうである。


 俺達はその建物まで歩いて行くと、真っ白のドアを開けて中へと入っていく。


 店内は、壁や家具等がすべて真っ白で、いたるところに美しくて清潔感のある猫がたくさん寝たり歩いたりと、案外自由に動いている。

 で、気付いたんだけど、この猫にはHPバーやMPバーが無いんだな。

 つまり魔物では無く、プレイヤーと同じ立場にあるのか。


 このお店はどうやら椅子や机は無いらしく、他のお客さんプレイヤーを見る限り、ソファーに座って猫を触ったりしながら、ドリンクや簡単な食事を楽しんでいく様だ。


「‥‥‥かわいい」


 あめがたくさんの猫を見て目を輝かせながら言った。


「あめって猫好きなの?」

「‥‥‥うん、動物の中で一番好き」

「そうなんだ。俺と一緒じゃん」

「‥‥‥ひろとくんも?」

「あぁ。‥‥‥降り積もった新雪の様にふわふわで柔らかい毛に、くりくりで大きな目、ぽっちゃりした体格なのにも関わらず俊敏に動ける身体能力、不規則に動く尻尾。どれをとってもかわいいじゃないか」


 俺って二次元のロリ系少女とか幼女にしか興味がないと思うだろ?

 違うんだな。

 ちゃんと人間らしい感情も持っているんだな。


「‥‥‥う、うん。なんか分かる気がする」


 あめは苦笑いをしながら呟いた。


 俺達はそれぞれNPCの店員から、ミルクコーヒーと、お菓子を買うと、人の少ない端っこ辺りのソファーへと座った。

 二人とも端っこが好きだからな。


 よし、ちょっと今の状況を確認しようか。


 右側には猫。

 左側にはあめ。

 膝の上には猫。


 まるでハーレムを堪能している主人公みたいじゃないか。

 俺は右手を使い猫を撫でる。

 あ~、ふわふわで気持ち良い~。

 癒される~。


 更に左手を使い、猫を撫でる。

 お~、すべすべ~。


 ‥‥‥ん? すべすべ?


 猫の感覚とは少し違うと思い、一応左側を向いてみる。

 すると俺の手が、布のスカートから出てきている肌色の物体の上に乗っている。

 あれ、こんな色の猫‥‥‥いたかな?

 俺はもう一度手を左右に動かし撫でてみる。


 うん、やはりすべすべで、到底猫とは思えない。

 結構暖かいし、まるで人間の太ももみたいだな。


「‥‥‥ひろとくん‥‥‥恥ずかしいから、やめて」


 ふとそんな声が聞こえてきた。

 太もも? から少し上に視線を移動させると、LEDライトの赤信号みたいに顔を赤くして、こちらを見つめてきているあめがいた。

 あらっ!?


「あ! ごめん‥‥‥猫かと思ってた」


 俺は女子の太ももを撫でるという、デリカシーのかけらもない行為をしていた事に気付き、急いで手を離すと謝った。


「‥‥‥わざと?」

「いや、本当に猫かと思ってた‥‥‥ごめん」


 マジで俺何してんだよ!!

 いい加減にしろよ!!


「‥‥‥い‥‥‥けど‥‥‥こういう」


 あめは下を向いて、横にいる猫を撫でながら何かを言ったが、小さすぎて聞こえなかった。

 なので聞き返す。


「ん?」


 それに対しあめは少しだけ声のボリュームを上げる。


「‥‥‥こういう他の人がいるところでは‥‥‥やめてって言ったの」


 あー、なるほど。


 ‥‥‥えっ、じゃあ二人きりだったらOKって事?

 そうなのかね?

 ‥‥‥いや、あめがそんな事考えるわけないよな。

 恐らく勢いで言っちゃったんだと思う。


「大変失礼致しました」


 俺が頭を下げて謝ると、あめは細い目をしながらも「‥‥‥ん」と頷く。


 と、その時。


 他のお客さんがこのお店に入ってきた。


 偶然その人たちが見えたのだが、人数は二人の様だ。

 赤い鎧を着ていて、かなりの高レベルプレイヤーみたいだけど、多分知らない人だろう。

 ピアスを大量につけているやつと、スキンヘッドのやつなんて知らない。

 俺は知らない人と関われるほど、フレンドリーな性格じゃないからな。

 気にしないでおこう。

 そう考え、猫を撫でながらあめの方を向く。


「あ、そういえば─」

「おいガリック。いたぞ、あそこだ」

「やっぱりこの店に入っていたか」


 俺が話しかけようとした瞬間、かなり大きい声が聞こえてきた。

 それに対し他のプレイヤーが、一斉に謎の二人組へと視線を向ける。

 みんなが「あ、長距離走大会で準優勝していた人だ!」とか、「攻略組の赤い閃光の二人組じゃねぇか。なんでこんな最初の街にいるんだ?」等、驚きの声を上げていることから推測して、かなりの有名人なのだろう。

 まあ俺とあめには無縁だろう。

 うん、そうなのだろう。


 あめは一瞬謎の二人組を見て怖くなったのか、すぐ俺に視線を戻す。

 よし、話を続けるか。


「─なあ、あめ」

「‥‥‥ん?」

「薬指を出してくれる?」

「‥‥‥う、うん」


 俺の言葉にあめは少し疑問を持ちながらも、手を差し出してくれた。


 てか、あの二人組がこちらに近づいてきている様な気がするんだけど、気のせいだよな?


「なあ、お前。敏捷君だったよな?」

「表彰式の後、すぐにどこかへ行きやがって」


 なんか俺に話しかけている様な気がするけど、気のせいだよな?


 前にも一度言ったと思うが、昔女子に話しかけられたと勘違いし、返事をしたら実は俺の後ろにいた女友達に話しかけていたっていう体験をした事があるからな。

 同じ過ちを繰り返すつもりはないぜ?

 という事で無視だ。


「はい、これ貸してくれてありがと!」



 俺はお礼を言いながらあめの指に、軽の指輪をはめてあげた。

 やっている事がまるで結婚式の新郎みたいだな。

 指輪つけてもらった新婦あめは、謎の二人組を気にしながらも、顔を赤くして「‥‥‥ん」と答える。

 あら、可愛い!


「地味男君よ。何俺たちを無視して、スイーツ畑みたいに甘い空間を作ってんだ? おい」


 ‥‥‥ふっ、今のスキンヘッドくんの言葉、聞いたか?

 誰に言ったのかは知らんが、スイーツ畑だってよ!

 笑かしてくれるねぇ~。

 だって普通に考えてみろよ。

 ケーキとかのお菓子が、畑で育てられる訳ねぇだろ。


 心の中でツッコミを入れながらも、気付いていないふりをする。


「あめ! 次は現実世界でプレゼントするぜ?」


 俺は親指を立てて、そう呟いた。


 ふざけずに素の俺で気持ちを伝えるのは、良いって言ってたよな?

 だから、今回はいつも通りの俺で言ってみたぜ。


 あめは恥ずかしそうにしながらも、ミジンコの様に小さい声で答える。


「‥‥‥さっき優勝争いをしていた人がいるよ?」


 おーい、話をそらしやがったぞ。

 なんて日だ!!


「リア充! お前俺たちがいる事に気付いているだろ? 反応しろよ」


 おっと、不機嫌になってきているな。

 しかたない、そろそろ反応してやるか。


「あー、ギルツさんとガリックさんじゃないですか! いつからいたんですか? 俺全然気付いてなかったですよ!」

「わざとらしいわ!」

「で、どうしたんですか?」

「おいおい、お前切り替え早いな! ‥‥‥まあ良いや。今俺たちがここにいるのは他でもない、お前を赤い閃光のパーティーに加えてやろうと思ってな」


 ん? あんだって?


「えっ、急にどうしたんですか? 大会が始まる前はあんなに馬鹿にして来てたのに」


 別にあんまり気にしてないけど、あれでもかなり傷ついたんだからな?


 ‥‥‥ってどっちだよ!

 自分で言うのもあれだけど、分からねぇよ!


 俺が疑問そうにそう言うと、ギルツさんは頭を掻きながらも、申し訳なさそうにする。


「あん時はまぁ、悪かったな。お前の実力を知らなかったんだよ。で、さっきガリックと相談した結果、その敏捷は役に立つ。軽の指輪を複数つけたガリックをお前がおんぶして、フィールドに出てくれれば、俺達赤い閃光は攻略組の中でもトップクラスになれると踏んでいる。という考えなんだがどうだ?」

「お断りします」


 うん、即答。

 別に悩む理由もない。


「は? じゃあ、給料を弾むって言ったら? 最前線の近くの街で色んな物がたくさん買える分だけ渡すぜ?」

「お‥‥‥断りします」


 うん、早めに答えた。

 あんまり悩む理由も無い。


「敏捷が死ぬほど上がる装備もくれてやる」

「‥‥‥お‥‥‥お断りします」


 うん、答えた。

 悩む理由が無い?


「売春をしている巨乳女性プレーヤーをいくらでも買ってやるって言うのは?」

「断る!!」


 即答だ!!


「何故だ!? 良い条件だろ?」

「いや、俺売春をしている人とか基本無理なんで。巨乳も基本受け付けないんで、はい」

「おい、お前男かよ!?」

「そうですよ。貧乳で二次元っぽい女の子好きの健全な男ですよ?」

「健全じゃねぇよ!?」


 こいつら、同時にはもって否定して来やがった!

 てか、貧乳好きのどこが健全じゃないのか教えて欲しいわ。

 マジで誰か教えてくれんかね?


「まぁ、とにかく、俺はこの子とまったり世界最強を目指してるんで‥‥‥そういった勧誘は一切お受けするつもりは無いです」


 俺がそう言いながらあめの肩に手を置くと、あめはびっくりした表情で一瞬「‥‥‥ふぇっ」と言う声を上げたが、恥ずかしさのせいかすぐに下を向いて静かになった。


「そうか、後から後悔する事になるかもしれないぜ?」


 ガリックさんがにやけながらそう言った。


「しませんよ。俺達が攻略組のトップになるんで」

「そうか。‥‥‥じゃあ待ってるから、せいぜい死なない様に頑張れよ!」


 あれ、やっぱり結構良い人だな。


「そういえば一つ聞きたかったんですけど、レベルが高いのに何故こんな最初の街に来てたんですか?」


 俺の予想だと、強そうなやつを発掘する為だとかそんな感じだと思う。

 現に俺が勧誘されたしな。

 そんな質問に、ギルツさんが、ガハハと笑いながら答える。


「そんなの自慢する為に決まってんだろ? 俺つえーって感じがしてたまんねぇんだよ」


 あれ、やっぱりクズな人だな。


 その後、赤い閃光の二人は、他のプレイヤーの視線を集めながらもお店の外へ出て行った。

読んでくださりありがとうございます。

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