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第一話【GAME START】

一話8000字程度でいく予定です。

文章力等、至らぬ点がたくさんありますが、よろしくお願いします。

 20XX年、12月1日。



 今から三日前、とある商品が開発された事により、世界中で社会現象が巻き起こった。


 おそらく規模で言うと、軽くドラ〇ンクエストの数十倍に昇るだろう。

 売り出された初日に、世界中のお店で即完売になった為、追加ですさまじい数が製作される事となった。


 その社会現象を起こした原因は簡単に言うと、オンラインゲームの中に入って遊べるマシンの発売によるものだ。

 このマシンは、中に内蔵された機能により、頭へ直接信号を送る事によって、VRMMO(仮想大規模オンラインゲーム)に意識をフルダイブさせ、まるで現実にいるかの様な感覚でゲームがプレイできるというものである。


 痛覚は色々と問題がある為排除されているらしく、殴ったり切られたしても一定以上の痛みは感じない。

 だが、味覚、聴覚等は本物と同じくらいに再現されている様だ。


 つまり、痛みや疲労感が一定以上無い事以外は、現実世界と全く同じで、ゲーム内で作った自分の分身アバターを自分の意志で動かせる。

 走る事も可能だし、食事もできる。そして性的快感もあるようで、まあ、異性とあんな事やそんな事も可能である。

 何が出来るかって? 言わせるんじゃない。

 自分で考えなさい。


 売り出される前に、このフルダイブを体験したテスター達の反応は、「何も言えねぇ」といった某水泳選手の様な表情をしていて、只々驚いていた。


 因みにこのマシンは、開発されてすぐだという事もあるが、何より製作コストがもの凄いかかるらしくて、価格はちぃとばかし高めの52万9800円だ。


 今なら初回限定、52万9800円の所を今から30分以内にお電話して頂いた方には、なんと! 金利手数料込みで、半額の26万4900円! とか言っている某テレビショッピングのジャ〇ネットの方の出番は無く、税金込みで52万9800円限定だ。


 勿論まだゲームソフトは充実しておらず、一つしか無い。

 それは、【デスティア・オンライン】というタイトルのゲームで、剣や魔法を駆使して魔物を倒したりしながら、謎に満ちた世界中を冒険できる王道のRPGだ。

 【デスティア・オンライン】とそれにフルダイブするマシン、合わせて金利手数料込みで、60万ぽっきり。


 世間の子供達には到底手が出せない価格だが、これをどうしても買いたい一人の平凡な高校生が、日本にいた。


 その青年はかなりのゲーム好きで、このゲームを買う為に、通っている高校に内緒でアルバイトをし、販売される一年前からコツコツとお金を貯めていたのだ。


 発売日当日、その青年にはお金があった。

 しかしマシンの在庫は無かった。

 ‥‥‥うん。ドンマイとしか言えない。


 だが、最初の一店舗だけで諦める事はせず、色んなお店を回ったのだが、やはりどこに行ってもやはり在庫切ればかりで、結局、初日に買う事はできず、手に入ったのは販売されて3日後の今日であった。


 そう、今日の学校終わりに、電化製品屋へ寄ったところ、なんと一つだけ残っていたのだ。

 青年は一瞬のためらいも見せず、カードで購入した。

 今の数秒で60万円が無くなったが、青年には全く後悔の様子が見られない。

 むしろ嬉しそうだ。

 それほどまでにゲームが好きなのだろう。


 家までの帰り道に箱の裏面を確認した限り、どうやらゲームソフトはお金を払ってダウンロードしていく感じみたいで、これからたくさんのゲームが配信されていくと思う。


 因みに、このマシンの中にはもうすでに【デスティア・オンライン】がダウンロードされているらしく、そのソフト込みの値段で購入した。

 つまりこのマシンを持っている以上、この【デスティア・オンライン】は強制的に手に入る為、サーバーの人口密度がかなり大きくなると予想される。


 青年は購入した物を壊さないように大切に家まで運び、早速箱を開封する。

 そして説明書を読み、色々と設定や準備をすると、もうすでに【デスティア・オンライン】のソフトが入ってあるマシンを頭にセットした。


 その瞬間、青年の目の前が真っ暗で何も見えない状態になる。

 かと思った数秒後、急に視界がパッと明るくなった。





 ■ □ ◻ □ ■





 何も無い真っ白な空間が、俺の目の前に広がった。


 おぉー‥‥‥。

 ‥‥‥ここって、あれか。

 ゲームの説明とか、キャラメイキングをする所か。


『デスティア・オンラインの世界へようこそ』


 エコーの掛かった、とても透き通っている声が聞こえてくる。

 うわぁ。すげー音質良いな。

 立体音響って言うのか、全方向から聞こえてくるんだけど。

 

 てか、中々良い声優を使ってんなぁ。

 俺こういう声好みだぜ!

 そんなことを考えていると、続けてその女の子っぽい声が響いてくる。


『早速ですが、あなたのアバターをお作りいたしますので、幾つかの質問に答えて下さい。嘘をついても構いませんがそれが本当でないとこちらが判断した場合、データを削除させて頂きますのでご了承ください』


 ‥‥‥なるほどー。

 ‥‥‥それって、嘘をつくなって事だよな?

 そうだよな?


『ではまず、あなたのお名前を教えてください』


 ここは正直に言おう。削除されたら嫌だからな。


「えーっと、俺は五月雨さみだれ弘人ひろとと言います」


 正直言って、俺はこの苗字が好きだ。

 だって五月雨って格好良くない?

 五月雨だぜ?

 アニメの主人公みたいじゃん。

 ちなみに今まで生きてきた中で、同じ名字の人に会った事はない。

 つまり俺は特別だということだ! ハハハ!


『次に歳を』

「17歳。健康な高校2年生です!」


 ほぼ徹夜でゲームをしたり本を読んだりして過ごし、学校で睡眠を取るという相当不規則な生活を送っているが、何故か体は健康だ。


『身長は何センチくらいですか?』

「大体161センチです」

『クスッ。体重は何キロくらいですか?』


 おい、なんださっきの笑い声は?

 絶対俺の身長を馬鹿にしただろ?

 ‥‥‥俺だってこの身長に満足しちゃいねぇよ。

 でもコンプレックスすぎて、生まれ変わりたいってほどでも無いわ。

 俺は敢えて反論を口に出さず、次の質問に答える。


「体重は50キロぐらいです」

『ふーん。では最後の質問です』


 おいおい!


「ふーん、って何だよ。お前が聞いたんだろ!!」


 おもわずそうツッコミを入れてしまったが、向こうは気にすることなく話しかけてくる。

 おい、少しは気にしろよ!


『目の前に二次元風の可愛い女の子が寝ているとします。あなたは次のうちどれにしますか?』


 は!?


「なんだよ、その変な質問!!」


 いきなりすぎるだろ!


『1、立ち去る。2、襲う』


 ‥‥‥聞いちゃいねぇ。


「えーっと、じゃあ一番の立ち去るで─」

『もしそれが本心ではなく嘘、偽りだと判断された場合データが削除されますので、ご了承──』

「二番でお願いします!!」


 俺は、冷たい声で警告してくる声を遮るようにして言った。

 正直に言うと、二次元風の可愛い子が無防備に寝ていて、そのまま何もせずに立ち去る自信はないです。

 果たしてこの質問に何の意味あるのかは分からないが。


『ご質問にお答え頂きありがとうございました。それでは今から、質問の回答とあなたの顔を使用し、アバターを作りますので、初期ステータスポイントを割り振りながらお待ちください』


 その言葉と同時に、青色の画面のようなものが目の前に出てきた。

 それには幾つかの文字が書かれている。

 おそらくこれが【ステータスウィンドウ】だろう。

 少し見てみると、もうすでに名前が入力されていた。


────────────────────────────────────

Name ひろってぃー 男

Lv 1

称号 特に無し


H P 10/10

M P 10/10


攻 撃 10

防 御 10

魔 攻 10

魔 防 10

敏 捷 10


スキル 特に無し


残りステータスポイント 2060

────────────────────────────────────


 おぉ~、ステータス、オール10じゃん。弱っ!

 俺だけチート能力が貰えるのかと思ったりしたが、めちゃくちゃ普通だな。

 ‥‥‥うん、普通だ‥‥‥名前以外は!!

 なんだよ、ひろってぃーって!!

 俺の名前から取ったのか?


 ひろと → ひろってぃー。


 いや、意味が分からんわ。

 なんか平仮名だし。

 若干俺の事馬鹿にしてるよな?


 学校で何回か呼ばれた事あるが、そういう奴らはみんな笑いながら言ってたぜ?

 ひろろろろってぃーとか。

 ひってぃーとか。

 ひげくんとか。

 何にせよ、最初の文字にひが付いたら、ほとんどの確率でろくなもんじゃねぇ。


 ‥‥‥てか残りステータスポイント多くね?

 2060もあるんだけど。このゲーム内では普通の数値なのかな。

 まあとりあえず振り分けてみるか。


 俺は真剣に悩んだ。

 必死こいて悩んだ。

 これで人生の全てが決まるという意識を持って悩んだ。


 試行錯誤すること約5分。


 よし、これで良いだろ。

 ようやくポイントの振り分けが終わり、決定ボタンを押した。

 それと同時に先程の声が再び聞こえてくる。


『お疲れ様でした。ではデスティア・オンラインの世界へ案内する前に、少し重要な説明をさせて頂きます』

「はい」


 ちゃんと聞いておこっと。


『まずこのゲームの仕様についてなのですが、ログインした状態で一度でも死亡してしまうと、そのデータは削除されてしまいますのでご了承願います』

「ふむふむ。‥‥‥は? 何だって!?」


 死亡したらデータを削除されるのか!?

 ‥‥‥何そのデスゲームみたいなルール。


 ‥‥‥ふっ、面白そうじゃねぇか。

 ゲーム好きの心が揺さぶられるぜ。


『次にこのゲームの中での時間の経ち方なんですが、およそ0.1倍になると考えてください』

「へぇ~0.1倍か。つまりこっちで10時間過ごしたとしたら、現実世界では約1時間が経つという計算か」


 中々時間を有効に使えるな。


『また、フルダイブ中に、現実世界からマシンのコンセントを抜かれても、約2時間程度ならプレイし続けられますが、それを超えると強制的にログアウトさせられ、データを削除されます。

 なのでコンセントが抜かれた時、またはその他の不具合が起こった場合は警告が出てくるので、その時点で自分からログアウトをして下さい』

「なるほど、分かりました」


 データを削除される理由が多すぎるような気がするが、まあ大丈夫だろ。

 俺は高校生だが、親からの仕送りのおかげで一人暮らしをしてる。

 その為、誰かがコンセントを勝手に抜いてしまう可能性はほとんど無い。

 つまりこの世界で死ななければ良いという事だ。

 若干難易度がハードな気もするが、こういったスリルの中でゲームを攻略しているのも楽しそうだ。


『お待たせしました。それではこの【デスティア・オンライン】を存分にお楽しみください』


 その言葉のエコーが響き終わった瞬間、目の前が真っ暗になり少し脳が揺れた様な感覚がした。





 ふと目を開けると、いつの間にか自分が森の中に立っている。

 どうやら【デスティア・オンライン】の世界に来たらしい。


 辺りを見渡してみると、不規則に色んな木が並んでいて、そのどれもに苔やしわが付いてあり、まるで本物を見ているようだ。

 わずかだが、ちゃんと草の香りもする。

 今立っている足下には砂や雑草、石や虫等があり、現実世界と言っても過言ではないくらいのクオリティである。


「す、すげー。まじかよ」


 俺は試しにちょっとその場で足踏みをしてみた。


 シャリッ。シャリッ。


 砂や石が擦れる音が聞こえてくる。

 そしてどこからともなくやってくる風が気持ちいい。


「いやー。まじでリアルだなー」


 ‥‥‥、これって、異世界転移されたっていう可能性無い?

 あまりにも本物と見分けがつかない為、そんな考えが頭をよぎった。もしかしたらここは異世界なのではないか、と。

 転移したらよく分からない森の中に居たっていうパターンは、いくつか小説や漫画で読んだ事がある。


「ちょっと頬をつねってみるか」


 もし異世界や現実世界なら、痛みを感じるはずだ。この仮想空間では一定以上の痛みは無いらしいしな。

 そう考え、俺は自分の頬を思いっ切りつねってみた。


 ‥‥‥痛っ!? ‥‥‥く無いな。

 どうやら仮想世界、つまりゲームの中で間違いないらしい。

 

 俺はふと空を見てみようと思い上を向いた、すると自分の頭上に【HP】と表示された赤色のバーと、【MP】と表示された青色のバーが、それぞれ一つずつあるのに気づいた。確認してみたが、どちらも満タンのままだ。


 先程かなり本気でつねったので、ダメージが入るのではないかと思ったのだが、自分自身では削れないのかな?


 てか、思ったんだけど、俺はこれから何をすれば良いんだ?

 見た感じイベントが発生しそうな所でも無いのだが。

 まあ、する事が分からないし、とりあえずステータス画面でも開いてみよっと。

 俺は頭の中で【ステータスウィンドウ】と念じてみる。

 すると目の前に、青色の画面が浮かび上がってきた。


────────────────────────────────────

Name ひろってぃー 男

Lv 1

称号 初心者


H P 10/10

M P 10/10


攻 撃 10 

防 御 10

魔 攻 10

魔 防 10

敏 捷 2570


スキル 敏捷適正(小)


残りステータスポイント 0

────────────────────────────────────


 我ながらバランスよく割り振れたぜ。

 諸君、そうは思わんかね?

 て、あれ? スキルが一つ増えてる。


 敏捷適正(小)‥‥‥あー、そういえば敏捷のステータスが、少し増えているような気がする。

 確か初期の値は10で、そこから残りステータスポイントの2060を全て割り振ったから、普通に考えると2070のはずだよな?


 でも2570あるという事は、敏捷適正(小)のスキルは敏捷のステータス値が一定を超えた時点で手に入り、それを持っている事によって+500されるという感じかな?


 ふっ、俺は天才だぜ。

 俺が顎に手を当て、自分の頭の良さに浸っていたその時、近くでカサッ、っと草が動いたような音が聞こえた。


「なんだ!?」


 そう叫び、音のした方を振り向いてみると、そこには体全身が緑色の人型の魔物が立っていた。

 汚れた服を着ていて、木の棒を手に持っている。


「おぉ~。迫力あるなぁ~」


 口から垂れている臭そうな涎の部分までちゃんと作られていて、おそらく色んなゲームの中でいうところの、ゴブリンであろう。


 で、俺はこれを倒せばいいのかな?

 多分これってあれだよな?

 ゲームが始まった時の、チュートリアルみたいな感じのやつだよな?

 なんか最初のストーリーが少し流れた後で、やたら雑魚と半ば強引に戦わさせられて、その間に戦争システムとかを把握するっていう感じの。


 つまり、こいつと闘いながら戦闘に慣れていけば良いという事か。

 そう考え俺は武器を持っていない為、拳を構えゴブリンと向き合う。

 どうやら相手のHPとMPの残量も分かるらしく、相手の頭上には赤と青のバーがそれぞれある。


「グガァァァ」


 相手は奇声を上げながら、木の棒を構えた状態で走ってきた。

 よし行くか!

 俺はゴブリンが目の前に来た瞬間に、横ステップしそのまま後ろに回り込んだ。


 スッ


 敏捷に極振りしているだけあって、相手とは比べ物にならないほどの速度が出る。

 そしてこのゴブリンがめちゃくちゃ遅く感じる。

 俺は無防備なゴブリンに向かって、背後から勢い良くパンチを繰り出した。


「うおぉぉらぁ!」


 ペチッ


 見たか、俺の最強の力を!


 ‥‥‥ゴブリンは何事もなかったような表情でこちらを振り向く。

 ‥‥‥ありゃ?

 ふとゴブリンのHPバーが視界に入ってきた。

 ‥‥‥おい、嘘だろ!


 俺が全力で殴ったにも関わらず、HPバーが全く減っていない。

 いや、ダメージが無いという表現が正しいだろう。

 明らかに当たった部分を気にしている様子が無い。


 ゴブリンは色々と分析している俺に対し、腹を狙って木の棒を薙ぎ払ってきた。


「おわっ!?」


 それに気づいた俺は急いでバックステップをして後ろに下がり、木の棒との接触を避ける。

 なんだよこいつ、チュートリアルの雑魚敵なんじゃねーのかよ?

 強すぎるだろ。‥‥‥特に防御力が! と、そこまで考えた辺りで、ふと気づいてしまった。


 もしかして‥‥‥俺の力が弱いだけじゃね?

 そういえばステータスポイント、敏捷に極振りしてるわ。

 うん、そりゃー最初に2060ポイントも渡されたら、ある程度攻撃に振るのが普通だよな。で、このゴブリンはそういった割り振りを想定してプログラムされているのだと思う。

 つまり、なんの装備や道具を持たない今、あいつにはダメージを与えられないという事だ。

 俺は思った。逃げよう‥‥‥と。


 俺は結局、最初の戦闘で逃げた。

 ゴブリンは途中まで追って来ていたのだが、俺の速度に追いつけないと分かると、途中で諦め別の方向へと歩いて行った。


 ふぅ、危なかった~。

 このゲームの仕様により、さほど疲労感は無いが、精神的に結構疲れた。

 てかさ、逃げてる時に考えたんだけど、俺って一度でもダメージをくらったら‥‥‥多分死ぬよな?


 ‥‥‥だって防御力10なんだぜ?

 もっと言えば、HP10なんだぜ?

 そしてくらったが最後、データ削除されるよな?

 また始めからやり直しになるよな?

 はぁ~、もっと慎重にいかないと駄目だわ。


 あ、因みに、わざと死んで初期のステータスポイントの割り振りをやり直したいとは思ってないです。

 何故かって?


 ‥‥‥まあ、ゲーム好きとしての意地だな。

 一度決めた事を変えたりするのはなんか嫌だ。

 俺は中学生くらいの頃、テイ〇ズ系のRPGゲームにはまっていたのだが、ただ普通にプレイするだけというのは面白くないと思い、自分でルールを付けてやっていたのだ。


 そのルールとは、全滅したら即そのデータを削除。

 その為とても慎重になり、レベル上げ、装備品集めといった地道な作業を死ぬほど頑張り、各地のボス戦では一切気を抜かず、少しでも死にそうになったらすぐ回復。

 結局俺は一度も全滅する事無く、ラスボスを無事に倒し、ゲームをクリアした。

 攻略サイト等は全く見ないと決めている為、何度か初見殺しにやられそうになったが、地道な努力のおかげで乗り切ったのだ。


 その時に俺は、厳しい条件でゲームをクリアするという快感を知った。

 あの時の感動は、そういった大変な事を乗り切った者にしか味わえないと思う。

 だから俺は、あえて厳しいルールで、この【デスティア・オンライン】を極めようと考えている。


 そういえば今疑問に思ったんだけど、これってオンラインゲームだよな? にしてはまだ誰とも出会ってないんだけど。

 ゲームのスタート地点ってみんなバラバラなのか? それとも最初の敵を倒したりと、何かしらのイベントをしないとオンラインにならないとか?


「まあ、一人じゃどうやっても魔物に勝てないし、とりあえず誰か人を探してみるか」


 もしかしたら、何処かで良いアイテムが手に入る可能性もあるしな。


 俺はそう決意し、いくら歩いても景色の変わらない森の中の探索を開始した。

読んでくださりありがとうございます。

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