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最強魔女さんの混沌とした日常  作者: クリオネ
第一章
11/108

10話 ショッピング

本日2本目です。

ブクマありがとうございます! めちゃくちゃ嬉しいです! これからも最強魔女をよろしくお願いします。


「アルテナ商会で必要な物揃えようかな」


 そう言って再びローブのフードを被り直して東区にあるアルテナ商会を目指す。


 東区は大量の店や露店などがひしめき合っている。

その中でもアルテナ商会は一際大きいらしい。


 暫く歩いていると街が目覚め始め、家の煙突から煙が出始める。

 朝ご飯の時間だろうか、南区を通る時にファストフードのような食べ物の店に長い行列ができていた。

 匂いだけはいいんだよね、きっと美味しくないんだろうけど。


 東区に着いた頃には既に殆どのお店が開店準備を済ませているようで飲食店などはモーニングで始めているお店もある。


 私は真っ直ぐアルテナ商会へ向かって歩みを進める。

 アルテナ商会は本当に大きな商会のようで、メルガス支部と言うのだろうか、それでもどこかの貴族の屋敷並みに大きい。


「でっか......」


 正直ここまで大きなお店は前世ではコス〇コくらいのものだ。


 まだ開いてないかと思ったが既に開いていて客の出入りが結構激しい。

 私もしっかりとフードを被ってお店の中に入る。

 入った瞬間、オジサンに見つけられた。


「おお! 嬢ちゃんじゃねぇか! 約束守ってくれるたァ、律儀な子じゃねぇか! 好きなだけ買っていきなよ!」

「はい、その節はどうも。今日は、調理器具等を購入したいなと思いまして」

「おぉ、嬢ちゃん料理すんのか? そう言うのは娘が担当なんでな、そっちへ言ってくれや。」


 そう言えば私と同い年くらいの娘がいるとか言ってたな。こんなオジサンがお父さんなら娘さんはきっとオラァな感じなのだろうか。


 オジサンに紹介された窓口で待っていると1人の女性が近付いてきた。もしかして娘さんだろうか?


「紹介に預かりましたコロンと申します。メルガス支店、店長アキナイの娘です。どうぞお見知り置きを」


 えぇ......イメージと全く違ってすごく焦っている。

 だって出てきた娘さんは黒髪で後ろ髪を一本に纏めて垂らしている。所謂ポニーテールで、しっかりと制服を着込んで軽く化粧もしていてどこからどう見ても大人しめで清楚系乙女なのだ。


 それに胸が結構あるぞ。目測だけどDはあるな......


 それにまだ驚いてる。あのオジサンこのお店の店長さんとか聞いてないし! まぁ正直なところオジサンが店長だろうがあんまり関係無いんだけどね。


「え、えっと。今日は調理器具等を購入したいと思いまして」

「はい、調理器具ですね。お料理されるのですか? 珍しいですね。はい、こちらになります」


 ずらっと並べられた調理器具。なかなかに良いものがたくさんある。


「これが基本的な物になりますね。それでこちらが特定の料理に使う物だったりします。この国は料理があんまり発展してないのでこれくらいしかないですね」

「そうなんですね......包丁があったのは嬉しいですね。私のナイフだと切れすぎてしまうので」


 最初、私の命を守ってくれたナイフはよく切れていいのだが切れすぎて困るのだ。


「ナイフ、見せてもらっても......?」


 おや、興味があるのかな? いるよね、会社では大人しめの子だけどプライベートだとサバゲー好きとかミリタリーオタクとか。私は生粋のオタクだったけどね。


 「どうぞ」と腰から鞘に入ったナイフを渡す。


「これは......どこでこんな物を? 今の技術ではこんなに素晴らしい物は作れませんよ」


 目をキラキラさせながらナイフを見ている。

 ナイフ持ったら性格変わったりしないよね。


「これは先祖代々伝わっているナイフでして。古代の技術ではないかと曖昧に伝えられています」


 詐称スキル優秀だね! 凄い便利だわ。


「なるほど、売るとなるとかなりの値段になりそうです。500ゴールド以上の値段はつくとおもいますね」


 金貨500枚か......高いのかどうかわからないな。

 まぁ、二万五千枚あるからお金には困ってないんでね。

 ナイフを返してもらい調理器具の話に戻る。


「これら全てお買いになるのであれば15ゴールドほどになります。基本的な物であれば6ゴールドにまけときますよ。お父さんの知り合いらしいので」


 オジサンいいやつじゃないか......!

 これからもアルテナ商会で買い物することにしよう、そうしよう。


「ありがとうございます。では基本的な物だけでお願いします。6ゴールドですね」

「お買い上げありがとうございます。また、よろしくお願いします」


 う〜ん、なんとも素晴らしい良くできた子じゃないか! 私が男だったら嫁にしたいくらいだ。

 昨日から美少女に恋をしてばかりだ。このままでは本当にレズに目覚めてしまうかもしれない!


 受け取った調理器具をアイテムボックスに投げ入れる。適当なんじゃないよ、めんどくさいだけ。

 アイテムボックスを見て娘さんは結構驚いていたけど魔法ですと説明したら納得してくれた。詐称スキルが凄いのか魔法がすごいのか。よくわからんね。


「あ、そうだ。ここって食材とか取り扱ってないですか?」

「食材ですか? あぁ、お料理されるのですよね、取り扱っていますよ。こちらへどうぞ」


 そのまま娘さんに連れられて食材売り場に来た。するとそこには、


「あー! ローブの姉ちゃんだ!」

「ローブのお姉ちゃん!」

「ローブのお姉ちゃんおはよう!」


「昨日はどうもありがとうございました」


 昨日の子供3人組と孤児院の院長が買い物をしているところだった。

 それにしても子供3人組はいつも一緒だな。仲良きことは美しきこと、的な言葉があったような無かったような。


「おはよう、ニーナ、ケビン、セイラ。院長さんもおはようございます」


「名前ー」

「覚えてくれてたんですね!」

「嬉しいです!」


 おいおい、名前くらいは覚えられるぞ。

 それに子供はいつ見ても可愛いからね。癒し成分が蓄積していくよ。


「お買い物?」


「うん!」

「孤児院のみんなの朝ご飯ー!」

「あと夜の分も買いに来てます!」


 昼は? と思ったけど私も昼は食べなくても平気な感じだったし、それにリサーナが時々炊き出ししてるとか言ってたもんね。


「コロンさん、何か即席で食べれる物とかってありますか?」

「はい。パンならすぐに食べられると思いますよ」


 パンか。パンが不味いと言うのは聞いたことないからな、流石に食べれるだろう。


 早速パンを子供達と私と院長さんと娘さんの分を購入した。


「え、いいの!?」

「わーい! ローブのお姉ちゃんありがとー!」

「ありがとうございます!」


「私まで貰ってもよろしいのですか......?」


「はい、気まぐれだと思って下さい」


 まぁ、お金はいくらでもあるんだけどね。


「わ、私は遠慮します。仕事中なので」


 娘さんは偉いなぁ! 凄く頭をナデナデしてあげたくなる。同い年だけど私の方が身長大きいからね!


「貰ってください。チップのようなものです」


 渋々だったが院長さんも娘さんも受け取ってくれた。

 朝ご飯はまだらしいのでその時に食べるそうだ。

 パンは少し固かったけど食べれなくはなかった。普通はスープなどに浸して柔らかくしてから食べるらしい。固いパンを易々と食べている姿は奇っ怪だっただろう。

 黒パンみたいな感じなのね。


 そして子供達はお米やカボチャのような食材をいくらか買って帰っていった。


 私は娘さんに食材の説明をしてもらっている。


「どんな食材があるんですか?」

「なんでもありますよ。野菜、お肉、魚は干し魚になりますが」

「鳥の卵とかって無いですかね」


 私は卵料理が好きなのだ。特に親子丼......あれは子供の頃から大好物なのだ。ちなみに二位はオムライス。


「卵ですか? 魔物の卵くらいしか知りませんね......あ、でもコカトリスと言う魔物の卵は貴族達が高額で買い取ったりしているそうですよ」


 コカトリスっ! この世界にもいたか。確か石化攻撃とかしてくる尾が蛇になってるニワトリだよね。


 ん? ニワトリ? 卵......


 親子丼!


 決まりだね。コカトリスの卵と肉をどうにかしてでも手に入れてやる。


「ここでは扱ってないですかね?」

「残念ながら......コカトリスは非常に強力な魔物なのでこちらに入ってくるほどたくさんは取れてないですね......」


 なるほど、石化ってだけでも危険すぎるもんね。

しかしそうなると困るな......

 自分で調達しに行くしかないかな。


「コカトリスってどこにいるんですか?」

「えっ!? もしかして狩ってくるんですか!? やめた方がいいですよ......報酬もそこまで高くないですし、命を捨てに行くようなものです」


 娘さんの慌てる顔を初めて見た。慌てる顔も可愛いじゃないか。


「いえ、大丈夫ですよ。それに私は負けませんし」


 ニコッと落ち着かせようと笑ったのだがフードを被っていたので娘さんから見たら、口元がニヤリと釣り上がったのが見えただけだろう。


「せ、生息地などは知りませんけどギルドに行けばコカトリスの退治依頼があると思いますよ。どうか、無事に帰ってきてくださいね。ここに来てくれればどんな傷も治せると思いますし......」


 うっ! いい子すぎる! いい子すぎるよ娘さん!

 そんな今日出会ったばかりの素性も知らないようなお客をそこまで心配してくれるなんて......


 あれ? 私って金づるって事で悲しまれてるんじゃないの......?


 ......。


 娘さんがいい子すぎて辛い! こうなったら意地でもコカトリス狩って親子丼食べるんだ!

 あ、玉ねぎとかお米、後調味料とかはあるのかな。


「玉ねぎってありますか?」

「玉ねぎ......? どんなのですか?」


 おっふ! 玉ねぎ無いのか!? 結構万能食材なんだけどなぁ。無いとは辛い。

 一応聞いてみよう。


「えっと、地中に―――」


 説明難しかったけど娘さんはなんか似たようなのがあると言ってどこかへ行ってしまった。

 暫くして戻ってきた娘さんは両手にいっぱいの野菜を抱えていた。


「これは......?」

「鬼泣かしと言う野菜です。切ると目から涙が出てしまうので鬼が切っても泣いてしまうだろうということでこの名前がついたそうです」


 それは見るからに玉ねぎだった。


「おぉ! ありがとうございます! これ買います!」

「えっ、本当に買うんですか。辛くて食べにくいですよ?」


 あちゃー、玉ねぎは熱を通すと甘くなるのになぁ!  もったいない!


「それじゃあ、ここにあるの全てで20ゴールドになりますね」


 うわ、高っ!


「人気は無いんですが最近畑を荒らされて困ってるそうで......」


 まぁ、ここにある分だけでも1年分くらいあるから問題ないか。


「はい、では20ゴールドです」


 金貨20枚置いて玉ねぎをアイテムボックスに投げ入れる。だから、雑じゃないってば。めんどくさいの!


 かなりの数だったが全然入った。

 その後も醤油やみりん、酒に砂糖など、それらを探したのだが名称が変わっていただけでどれも置いてあった。酒は料理酒と赤と白ワインを購入した。


「最後はお米ですね」


 子供達が買っていたので同じものを頼む。


「はい。何キロの物にしますか? 15からあります」


 多くない!? 保存とか......あ、アイテムボックスの中に入れてると腐らないんだよね。なんでかは知らないけど。

 単位も前世と同じでキロ単位だったから助かった。


 とりあえず15キロでいいか。


「15でお願いします」

「すぐに持ってきますね。お値段は2ゴールドになります」


 安いっ! これなら孤児院でもなんとか買えるのだな。この世界はお米が安いんだな。お米料理とかたくさん試してみたくなってきたな。


 お米を受け取りアイテムボックスに入れて、帰ろうとしたらオジサンと鉢合わせになった。どうやらこれから娘さんとお買い物らしい。


「本日はたくさんいい物を買えました。ありがとうございます」

「いいもん買えたか! そりゃあよかった! もうすぐ娘が18で成人を迎えるんだ。それに着るためのドレスをこれから仕込みに服屋に行くんだよ、付いてくるかい?」


 なんと、18で成人か。同い年かと思ってたけど私の方が少し年上なのか。

 それにしてもドレスか......私は魔物達からの贈り物(ドロップアイテム)でたくさん持ってるから別にいらないんだけど娘さんがどんなのを着るのか気になるからちょっと付いて行こう。

 こくりと頷く。


 二人が朝食を食べ終わるのを待ってから服屋に向かう。

 服屋と仕立て屋が合体してるみたいだ。

 ちなみに私服になった娘さんはめちゃくちゃ可愛かった。



 服屋の近くまで来ると、服屋の前には結構豪華な馬車が停まっていた。


「豪華な馬車だなぁ、貴族とかが使う服屋はもっと他にあるだろうに」


 オジサンが言うには貴族達は専属の仕立て屋等に頼んだりするので服屋に来るなんて有り得ないとの話だ。あるとしても1年に1回、寸法のために来るらしい。


「お父さん早く入ろう」


 結構ソワソワしながら急かすように私たちを先導する。やっぱり年相応にお洒落が好きなのだろう。


「あいよ」

 

 と照れながらも入っていくオジサンの後に付いて私もはいっていく。


「あら? コロンじゃない」


 どうやら先客がいたみたいだ。それもそうか。馬車が停めてあるんだもんな。

 それにしてもどこかで聞いたことのある声だ。まぁ、この街に来て2日目だからかなり限られた人物だろうが。


「リサーナ様!? どうしてこんなところに......」

「リサーナ様じゃねぇか!!」


 娘さんもオジサンも驚いて頭を下げている。

 しかしリサーナはそんな事しなくていいと遠慮していたが、後ろにいた私を見つけて徐に抱きついてきたのだ。



「あぁ! まさかすぐに会えるとは! アスカ!」

「えぇ、そうね。昨日ぶりね、リサーナ」


 抱き合う2人を見て娘さんもオジサンも奥から出てきた店主さんも驚いて口をぽっかりと開けていた。




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