プロローグ
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深夜一時、倉月市繁華街 仕事帰りの人、すでに酔っ払い千鳥足なのにはしごしようとする上司、それを止めようとする部下、店に呼び込みをするキャバクラや飲食店の店員、仲間や友達と遊びふける高校生、などと多種多様な人々で溢れており、夜もふけたというのに、非常に活気に満ちていた
そこへ、一台のタクシーが停車した
いや繁華街の中にタクシーが停車するのは、全くもっておかしい事ではないのだが、タクシーから降りてきた人物の出で立ちが、普通と異なっていた
身長が140未満しかない短髪の少女だった
この倉月市にある私立鳳陽学園の白と橙色を基調したセーラー服に深紅のコートを羽織っている
だが、一番彼女の異様性を際立たせているのは、右目を覆う皮状の眼帯であった
さらに見た目通りの身長とは違って、凛とした落ち着いた大人の女性の雰囲気を纏っているものだから、より普通という感覚から遠ざかってみえるのかもしれない
少女はポケットから携帯電話を取り出し、登録されている電話番号に電話をかけた
「もしもしリア、今、街に着いたわ 予定通りこのまま協会が用意した拠点という名の安い2LDKのマンションに向かうけどいいかしら。・・・・・・別に嫌味じゃないのよ、少し苛めた時の貴女の反応が可愛いから言って見ただけ・・・・・・・はいはいごめんなさい、じゃあ切るわねお休み、また明日」
通話が終わると、再び携帯電話をポケットに仕舞った
少女は夜空を見上げゆっくりと息を吐いたのち呟いた
「昔来た時より、建物も人も増え、活気が溢れている、少し騒がしいけど不快なものでもないし、街の雰囲気も淀みなく澄んでいる・・・・・・。本当にいい街ね、だからこそ。」
足元に置いてあったボストンバックを左肩に掛けると、夜の帳に消えていった
絶対守らなければならないと、胸に強く誓って、