神頼みのツボ
(2014年1月、加筆・修正を致しました)
とあるユーザー様のとある活動報告『短歌、のようなもの』のコメント欄に書き込みさせて頂いたモノを編集し作品化致しました。
(作品は携帯版のレイアウトを想定しています)
お賽銭……
無い袖振れぬと
掌を合わす
……神も呆れて
「なぁ、お前……」
(字足らず)
なぁ、お前……、人生そんなアマないんちゃいまっか? だいたいやね、……正月早々にやで、賽銭のツケやて。なめとったらいっぺんバチバチにバチあてたんで。
……えっ? なんやて? 利子付けてまた来るさかいに……やて。そんなんで御利益ある思てまんのん? ふざけた事ぬかしよったら地獄に突き落としまんで。ほんま、ええ加減にしてほしいわ……。
なんやて? 枯れ木に花は咲かんやて? お前はん(おまはん)、枯れ木なん? まだまだ老いぼれとらんやん。
……なになに、……リストラが……急に……てか。なるへそ。そりゃ、かなわんな。ほなら、……せやなぁ、……●ルトラQに生まれ変わるんや!
……えっ? なんやてなんやて? 意味わからんてか。……シャレやがな。シャレやがな。
……っん? そうか、そうか、そうゆう事かいな。古すぎるちゅうんやな? こりゃ、まいったなぁ。かんにんしたってぇな。まいったまいった、たかが4~50年前のテレビ番組を……、そっ、そんな……、めっ、目ぇで……。ワシいつから神さんヤってる思てまんのん? お前はんらと時間の感覚がちゃうんやさかいに……。せやさかいに、そんな目ぇで見なさんな。お前はんもやなぁ、半世紀前には余裕綽々で生まれとったやないかいな。……せやさかい、ちゃんと目ぇつぶって(ワシの話し)聞ぃときなさい!
……っん? えっと? あれ? ワシなんの話しよ思とったんかいな?
……あぁ、そやそや。枯れ木に花を咲かす秘術や。秘術っ、ちゅうても簡単な事やで。……水流して汗巻くだけや。
……なんやてなんやて? (汗と水が)逆やてか。逆やない。ギャグやがな。
……笑いいな。笑いいな。笑たらええねん。笑うかどには福が来るんや。……なんや、おもんないんかいな。
……なんやて? 来世に(花)咲かすやて? お前はんなぁ、前世もそんな事ゆうとんやさかいに。あれ嘘やったんかいな……。
わかったわかった。ヨシヨシ。わかったさかい、泣きそうなツラしなや。ワシそのツラに弱いんやさかいに。ワシ意外に優しいんやさかい。心めちゃくちゃ広ぅて、……なんちゅうか、そやなぁ、神さまみたいやで。
「神さまやがな!」
お前はん、それ(↑)ツッコミなん? そのツッコミの間むちゃくちゃええやんか。ワシ、お前はんの事気に入ってきたわ。もぅ、かんにんしたるさかいに。お賽銭、出世払いにしとったる。しゃあけど、ちゃんとお礼詣りには来るんやで。
……わかったかぁ?
わかったら感謝の念を見せたらんかいな。
「ほっ、ほな、願い叶えてくれまんのだっか?」
はぁ??
「ねっ、願い叶えてくれまんねんね?」
誰かがそんな事ゆうたんや。『感謝の念を見せろ!』てゆうただけやろが。
……だいたいやね、その言葉遣いなんやのん。『だっか?』に『まんねんね?』て、……神さんとの対話に不適切やろが。全然気品が感じられん! ほんま信じられへんわ。それにや、だいたいやね、ワシが賽銭も払わん輩にここまで話ししとるんは奇跡やで。
……ちょっとゆわしてもらうけど、お前はん(おまはん)、そのカッコなんやのん。髪の毛は寝ぐせでボサボサやし、寝巻きみたいやん、そのジャージ。挙げ句の果てにやで、無銭祈願やて。どこぞの世界にそんな非常識が許されるんや。そんなん許されるんやったらワシ神さん辞めさせてもらうわ。いやほんま。
……ちょっとちょっと、聞ぃてまっか!?
せやろが。そう思うやろが? そう思うんやったら、今度から身だしなみちゃんとして来るんやで。わかったかぁ? わかったら返事したらんかいな……。
ワシはなぁ、泣きっツラでツッコミの出来る輩を特別視する慈悲(?) を持っとるんや。お前はん、それ得意技みたいやさかいに、ワシ直々に『困った時の神頼みのツボ』を伝授したるわ。神さんからの直伝やで。お前はん、今年めちゃくちゃツイテルやん。
……よぅ聞ぃとくんやで。
先ずはなぁ。せやなぁ。お前はん、賽銭、五円でええ思てるやろ? 『ご縁』があるゆうて縁起かつぎのつもりや思うけど、こっちとしては最低二十円はほしい。そりゃ二重の縁やさかいに、ご縁よりええ思わん? 十円は『遠縁』になるさかい二十円やで。十円玉2枚や。だいたいやね、それが平成の最低ラインの相場や。ほんでチャランチャランてタイミングよう入れるんや。お前はんらの家の呼び鈴のピンポーンピンポーンみたいなもんや。ほんまゆうたら十円玉2枚より五十円玉2枚。五十円玉2枚より百円玉2枚、百円玉2枚より五百円玉2枚の方がええ。枚数も多い方がジャラジャラジャラてええ響きがしよるさかいに、眠たい時でも眠気吹っ飛ぶがな。景気よぅ、はりこんだってや。
……なっ、なんやのんその目つき。誤解したらあかんで。ワシ神さんやさかいに別にお金欲しゅうてゆうてるんちゃうねんで。お前はんらの精一杯の気持ちに弱いちゅう事を教えたってるんや。
……せやさかい嘘つき見る目つき止めてくれへんか? ちゃんと目ぇつぶって聞ぃときなさい。なんべんゆわすんや、ほんまにもぅ。信じるモンは救われるんやさかいに!
……それに1年に1回の参拝より月1回。月1より週1、毎週より毎日や。毎日来る輩は否応なしにツラ覚えてしまう。そんなその精一杯にワシ弱いんや。
「賽銭ふんぱつして、毎日おがみます」
はぁ??
お前はん(おまはん)、幸せなヤっちゃなぁ。そんで願い事叶う思てまんの? そうは問屋が卸しまへん。お前はん、呼び鈴鳴らされて突然に願い事ゆわれたらどう思う? それが毎日続いてみぃや。なんぼ手土産提げてきても……、居留守、使いたならんか?
……せやろ。嫌やろ。ワシかて嫌や……。
先ずは挨拶やろ。日頃の感謝も忘れたらあかんで。ほんで世間話に入って、少々の笑いアリーノ、そんで頃合いを見計ろぅて、願い事や。ちょっくら親父に甘える感覚でな。
……そやねん。神頼みも、親父とか上司とか親友にモノ頼む時と同じ(おんなじ)や。順序ようキたら、ついつい(願い事)聞ぃてしまう。
……せやかてや。ここから大事やで。よぅ聞ぃときや。
お前はんも、子供とか部下とか親友から毎日毎日頼み事されたら嫌やろ。ワシかて嫌や。ワシかて居留守のひとつも使いたなる。さっきんもゆうたけど、お前はんらが嫌やったら、ワシらかて嫌や。嫌なモンは嫌やねん。しゃあおまへんやん。そこんとこクァって目ぇ開けてしっかり覚えといて!
……例えや例えや、わからんやっちゃなぁ。ほんまに目ぇ開けてどないするんや! しっかりしたってや。頼んまっせ。ほんまにもう。
……なんやかんやゆうたけどなぁ、ちったぁ、わかってもらえたかな? それがワシの気持ちや。神さんの気持ちや。お前はんらの気持ちもワシらの気持ちも、たぁして変わらんのや……。
なぁ、お前……、観えてきたやろが、究極の困った時の神頼みのツボが……。
お前はん(おまはん)だけやない。それがわからん輩がうんさかおるんや。やっぱ願い事ない時でも顔見せに来る輩が可愛いがな。そんな輩にたまに甘えられたら、わかっとってもツイツイ甘やかしてしまうもんや。特に日頃の一生懸命を見せられてたら、しゃあないやろが。ちゃいますか?
……せやろ。オツムの悪いお前はんでもわかるやろ? 願い事叶えてしまう、その気持ちわかるやろ。
……お前はんなんか久々にのこのこやって来たか思たら、……手ぶらやし、……今日はなんぞ願い事あったんかいな?
「いっ、いえ、今日は特に……」
ーー終ーー
「なぁ、お前……」
確かに効いた
神の声……
無銭祈願に
尊き……壱喝っ!
平成二五年 正月
ご神縁があり、ご覧頂いた皆様、有難う御座いました。
この作品はフィクションです。登場する神様はフィクションとして脚色されたものです。様々な神道などとは一切関係がありません。
『第二話』以降があるのかないのか作者にもわかっておりませんが『連載・完結』にて投稿致しました。悪しからずご了承下さい。




