第8話 告白。
リアンの告白。シリアスばっかじゃアレなんで。双子とか出してみたり・・・。え?違うって?
「アリス、俺はお前にも幸せになって欲しい」
「・・・リアン・・・?」
いつもと違い、どこか悲しげに。
真面目な顔で、リアンはアリスと向き合う。
アリスの頬に、手を置いて。
「アリス・・・俺は、お前の兄だよ・・・」
リアンは、静かにそう告げた。
アリスはと言うと。
話がうまく飲み込めず、頭にハトが飛んでいる。
「リ、アン。人違いだよ・・・?俺、男兄弟・・・いない、もん・・・」
アリスは、そう確信しながらも。大きな不安に押しつぶされそうなのを感じていた。
脳が警告している。
深みにはまる。
深みに、はまっていく。
「・・・アリスの両親は10年前に離婚して、7年前に再婚した。新しい父親には連れ子がいる。それが、今の義姉の雪姫だろ?雪姫はスチュワーデスをしてる。アリスの母親は弁護士だし。・・・祖母は生きてて、今はアメリカにいる・・・」
なんで、知ってるの?
どうして、そんなことを言うの?
「俺が、一時、アリスの義兄だったからだよ・・・」
リアンは、動揺を隠せないアリスに、話を続けた。
「俺は、向こうの世界で5年前。16歳でここへ来たんだ」
5年も、前に。
「か・・・仮に!リアンが俺の兄さんだとしても・・・何で俺や・・・俺の家族すら・・・リアンのことを覚えてないのさ・・・?」
頭が痛む。
頭痛がする。
「異世界へ来た時点で本来あった時空がゆがみ、それは、他の人間の中にあるその人の記憶にも影響しだす。・・・記憶は、消えてしまう・・・。そしてじきに・・元の空間は、異世界へ行った人間の存在を許さなくなる。あとかたもなく、その世界から抹消される。・・・所有物も、何もかもが・・・」
リアンは言いにくそうに話した。
「・・・!!それじゃあ・・・!!」
「それが・・・元の世界へ戻れない理由だ」
その一言が、アリスに大きく突き刺さる。
「・・・もう・・・戻れ・・ない・・・?」
リアンは、一度まぶたを閉じて。
その瞳を開く。
「アリス、最後の選択だ。お前は、バニーを愛しているか?」
その言葉が、いつまでも、鮮明に。
アリスの耳に残った・・・。
時間というのは時にとても残酷で。
誰の意思にも関係なく進んでいく。
「かったるいな」
「普通、息子の婚約者決めるパーティーでそんな事言うか?」
ざわざわと賑わう会場。
そう。今日は婚約者選別会。
かと言って、特に何をするわけでもないのだが。
要は、幼少の頃よりぜひ、うちの息子をバニー様の嫁に。と望んでいた人々の中からそれ相応、と選ばれていた3人+飛び入りのアリスからバニー自身と婚約者候補の意思により一人の婚約者に厳選する。といった会なのである。その他の人間は、それの様子を見に来たり、クイーンやバニーに挨拶をしに来たり、とりあえず呼んでみたりした人間たちなのである。この世界は、クイーンを王とし中心とし回っておりその血縁者がクイーンの傍にいるだけで。別段、争いや権力抗争などはない。というか、みんな結構自由気ままに暮らしている。まぁ、ある一定の地域ごとにそこを治めている者はいるのだが。
「だってそうだろ?もうアリスで決まってる」
しれっと言うクイーン。
「・・・一応、ね」
ぶすっとした顔で、バニーは答える。
そこへ。
「よぉ、クイーン!」
「ハロー!バニー!!」
まったく空気の読めない2人組み、登場。
クイーンなど、この2人を見た瞬間、あからさまに顔をしかめた。
「あぁ!!そんな嫌そうな顔せんといてや!!」
「うるさいぞ。ブラック。周りに迷惑だ。・・・帰れ」
「来た早々、帰れとか言いよるし!!」
あいたーと、ホワイト。
「ま、それは置いといて」
都合の悪いことはさらりと流し。
「朝もはよから豪勢やなぁ。各地域のお偉いさんも来とんやな〜。10人か。相変わらず、変わり映えせんメンツやわ!!」
ははははは〜とブラック。
「せや、肝心のアリスはどこや?」
「リアンもおらんのんちゃう?」
きょろきょろと、あたりを見回す2人。
その質問に、眉間を押さえながら。
クイーン様は大きなため息をつかれ。
「・・・・寝坊だ・・・」
何ともありえない言葉を口にされるのでした。
前日、詳細をバニーやら部下やらと話し、決めてアリスとリアンを呼びに行ってみれば。
リアンより、今日は2人でラブラブするから部屋に入るなと言われ。クイーンもバニーも追い出され。朝、迎えに行ってみれば。リアンに。まだ眠たいから寝させろと追い出され。
・・・夫の威厳はどこへやら。最強妻、リアンなのであった。
「・・・さすがやのぅ。リアン・・・」
「ある意味、ゴーイングやからなぁ・・・」
・・・お前たちに言われたくない。と思いながら。
「あ、せやったら。他の候補者教えてや!」
まぁ、とりあえず。そこでしょう。
「あぁ。まず一人目は、あそこの長髪のたれ目の男だ。レンとか言ったか。バーランの富豪の息子だ。大変デキがよろしいそうだ」
クイーンの視線の先にいるのは。いかにも、な男。
「う〜わ〜・・・遊んでそ〜・・・」
「性格悪そうなツラしてんなぁ」
好き勝手。
「あ、気付いた・・・」
まぁ、4人の視線が注がれれば。否が応にでも気付くだろうが。
「こ、こっち来るで!」
なぜかわたわたする2人に。無表情な2人。
「どぉも。バーランから来ました。クインツの息子のレンです」
にやにやと、その舐めきった態度に。
「クイーンだ。遠路はるばるようこそ」
棒読みで憮然と対応するクイーン様。
「うわ〜・・・この男、命知らずやなぁ・・・」
「クイーン、この手のタイプ嫌いやからなぁ・・・」
ひそひそと、ホワイトとブラックが話していると。
「あんたがバニー?」
さらに、レンはぶしつけにバニーにそう聞いた。
「・・・・・そうだが」
あきらかに不機嫌なバニーをもろともせず。
レンは、にっこりとバニーに微笑むと。
「あんた、俺を選びなよ。絶対後悔しねーぜ?」
不敵に笑む。
「いっ・・・一国の王子に・・・」
「ほんま、命知らずやなぁ・・・」
「じゃあ、また。・・・このパーティーが終わる頃には、あんたの隣には・・・俺がいることになるけどね」
それだけ言うと、レンはバニーから離れパーティーの輪の中に戻って行った。
「・・・何かたくらんでそうだな・・・」
「・・・あぁ・・・」
レンの後ろ姿を追いながら、クイーンとバニーは小さくこぼした。
「クイーン様、バニー様、ご無沙汰しております」
1人の少年が、クイーンたちの前で深々と礼をした。
「あぁ、ソウか」
深々と礼をするこの少年に対し、先ほどのようなトゲはなく、クイーンは接する。・・・というか、スマイル0円状態。
「今日はお招きいただきまして、光栄に存じます。父も、よろしく言っておりました」
「サドナのゴーレン殿だな。お会いできなくて残念だ」
「そう言っていただけますと、父も喜びます」
にこやかに、ソウは話す。
ひとしきり、バニーを含め、3人で話した後丁寧に礼をしその場を去って行った。
「へ〜、あれが2人目」
「1人目とは大違いやなぁ」
ホワイトとブラックは、ソウの礼儀正しさに感嘆する。
「まぁな。・・・ただ、一癖ありそうでもないが・・・」
目を細め、クイーンはつぶやいた。
「んで?最後の一人は?」
「それが、見当たらない。まだ来てないのか・・・?」
クイーンは大広間を見渡す。
「・・・・・こいつじゃねぇか・・・?」
バニーが、憮然と指差す先には・・・。
何とも愛らしい・・・坊やが・・・。
「えへへ。ケイゴです!よろしく☆」
「まぁ・・・バニーの婚約者ゆうたら・・・こうもなるやろなぁ・・・」
成人まで時間のかかるこの世界で。
バニーと同い年の婚約者が・・・。
元バニーと同タイプでも。
不思議はないってことで。
そんなこんなで、会場の時間は流れていったのであった。
アリスはソファに腰かけ、沈んだ表情をしていた。
その隣に、リアンも腰掛ける。
「ごめんな、アリス。心労増やして」
ちゃかすように、リアンは言った。アリスも、苦笑でそれに返す。
「・・・俺も、この選択をした。そして・・・」
「元の世界より・・・俺たちより・・・クイーンを選んだんだ・・・?」
意地の悪い言い方を、アリスはした。言って、自分で後悔する。
「あぁ。・・・でも、よかったよ。もし、元の世界に戻っていたら・・・後悔していたと思う・・・」
「リアンは・・・幸せ?」
その問いに、リアンは優しい柔らかい表情でうなずく。
「・・・あぁ。人を愛せて、幸せだよ・・・」
ちくりと、胸が痛む。
「俺は・・・わからない・・・」
「・・・アリス・・・。この選択はとっても難しいし、とても残酷なものだと思う。この選択一つで、アリスは幸せにも、不幸にもなると思う。・・・時間はシンデレラの魔法の解ける12時まで・・・。よく、考えるんだよ・・・」
リアンは、アリスと額を合わせながらそう言った。
「・・・・うん・・・」
リアンは、軽くアリスの背を叩いた。
「まぁ、なるようになるよ。じゃあ、行こうか」
なぜ、すぐに帰ると言えないのか。
何が心をここに留まらせるのか。
帰ればいい。
いる必要なんて、ない。
捨てられない、家族もいる。
早く帰らないと、戻れなくなる。
なのに。
切なそうに、眉をひそめるバニーの顔が・・・。
頭から離れないのは、なぜ?
〜続〜
いろいろ設定に無理を感じる今日この頃。こっちの世界のことをもう少し具体的に決めとくべきですよね☆何分、作ったのが中学の頃だからなぁ。あんまりまんま使うのも考えものですね(笑)もうしばらく、アリスやらその周りの人間やらの葛藤が続いていきます。しばらくシリアスっぽくなるかなぁ?なるべく読みやすく話は続けていくよう頑張ります♪評価や感想を、またよろしくお願い致します☆