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第7話 ラブカップル

ラブな話やらシリアスやらがまぜこぜ。ちょこっとアダルティなムードも漂わせてみたり(ムードのみです/笑)

「・・・リス・・・」

「ア・・・ス・・・」


「ん〜・・・」


 誰かの、声がする。

 誰の、声だっけ・・・。


 意識の朦朧とする中に、呼びかける、声。


「アリス、朝だよ」

「・・・兄さ・・・ん?」


「アリス、僕だよ。おはよう」

 目の前には、バニー。

「・・・バニー?」

 アリスは寝ぼけた頭であたりを見回す。そこで、自分がベッドの中にいるのだと認識し。そして。昨夜、バニーの元へ帰りそのままいつの間にか眠りこけ。バニーのバッドを占領していたのだと。気付いた。

「わ・・・悪いっ・・・!!お前のベッドなのに・・・!!」

 アリスはガバッと慌ててベッドから起き上がる。

 そんな慌てるアリスに、バニーは優しく微笑み軽くキスをした。

「そんなに慌てなくていいよ。今、朝食を持って来るからね」

 バニーは嬉しそうに微笑みながら、部屋を出て行った。

 その微笑に。

 アリスの胸は知らずと高鳴る。


 な・・・何で!俺はバニーに微笑まれただけで赤面してんだ・・・!!?


 枕にやつ当たりをしながら、動悸を鎮めるアリスであった。



「クイーン・・・」

 こちらはうって変わって。

「どうした?」

 アダルト担当いつから・・・クイーンとリアン。キングサイズのベッドの上でダラダラ過ごすリアン。

「腰イタイ。眠い。腹減った・・・」

「そうか?」

 けだるそうに言うリアンに、自分はもうキチッとした格好をして新聞に目を落としているクイーン。

「そうか?じゃねーっつーの。このバケモン」

 すましているクイーンにベーっと悪態をつくリアン。

「お前があんな格好して帰ってくるからだろ」

 あんな格好とは、もちろん、あんな格好です。

「だってアリスがさ〜・・・」

 苦笑いを浮かべながら。ふと。

 遠くを見つめて。

「大きく・・・なったよなぁ・・・」

 リアンは、隣にいるクイーンにも聞こえないくらいの小さい声でポツリともらした。

「・・・?何か言ったか?」

「い〜え。何も。さ、シャワーでもあびてスッキリしようかねぇ」

 リアンはそう言うと、備え付けのシャワーブースへと消えた。



 所変わって。

 パシャ

「あ・・・!すいません!」

 マスターは、琥珀色に染めてしまったテーブルクロスをふきんでたたきながらガーデンに謝る。

「大丈夫だ」

 相も変わらずぶっきらぼうなガーデン。

「すいません・・・何だか体が痛くて・・・」

 寝違えたのかな〜と呟くマスターに。

「悪かった。・・・昨日はヤリすぎた・・・」

 紅茶を含みながら、さらりと。

 その言葉を頭の中で反芻し。その意味に気付いたマスターは。

「・・・いっ・・・いえ・・・!!」

 か〜と赤面し。今度はポットを落としそうになったのであった。


 ラブラブですな・・・。



 そして。こちらへと戻ります。

「?クイーンたちのとこ?」

「そうだよ。アリス」

 朝食を食べて、一息ついたところで。アリスは、バニーにクイーンとリアンの屋敷へ行くことを告げられた。

「明日は婚約者の選別会があるから。その打ち合わせに行くんだ。アリスも関わることだから、一緒に行こうか」

「あ〜、そうだね。行ったほうがいいよね」

「それに、クイーンたちが住んでいるのは公館でもあるからね。これから何回か行くこともあると思うし」


 さらりとそう言われて。


 アリスは、一抹の不安に刈られた。



 いつ、帰れるのだろう・・・。



 すっかりここの環境に慣れた気がしていた。・・・ここの雰囲気が、嫌いではないのだ。

 でも、アリスはまだ。この非現実的な世界を完璧に受け入れることができなかった。

 目を覚ましたら。

 いつもの世界に、戻っていそうで。

 ここは、夢の中のような気がして。


 だって。

 すべてを捨てるには。


 忘れられないものが、多すぎたから・・・。



「バッカじゃねぇ?」

 ここは、クイーンの部屋。

「バカとはひどいねぇ。親に向かっていう言葉?それが」

 ぶーたれながら、リアンは言った。

「本当のことだろ?確かに昨日、あんな格好でアリスが帰って来た時には押し倒そうかと思ったけど。だからって、立てなくなるまですんなよ」

「ごもっともだけど・・・やったのはクイーンだから」

 自分のせいじゃないとリアンは主張した。

「ほう。責任転嫁か・・・?」

 青筋を立ててクイーン様。

「・・・あら、いたの・・・」

 動けないリアンの代わりに、しかたなくお茶を淹れタイミングよく帰って来たクイーン。そのクイーンにバツの悪そうなリアン。

「ところでバニー、押し倒そうと思ったって?」

「あ?」

「え?何?してないわけ??」

 ・・・普通、親子でこんな会話するのか・・・?

「してないよ。アリスとは。一度も」

 にっこりと。そしてさらりと、バニーは言ってのけた。

「えっ・・・え〜〜〜!!?」

「何だ、じゃあ、あの時のは・・・」


「誰か〜・・・」

 タイミングよく。

 アリスの声がした。

「ドア開けて〜」

 クイーンのお手伝いをしていたアリスは。お菓子を見繕って持ってきたのだが・・・。持ちすぎた・・・。して、ドアが開けられなくなったのであった。

 バニーにドアを開けてもらい、ようやく中に入るアリス。

「何かどれもおいしそうで、持って来すぎちゃった☆」

 何だか・・・。知らないって素晴らしいって感じ。

 そのアリスの様子を皮切りに。クイーンはバニーを連れて、奥にある執務室へと入っていった。あらかたのことを決めたら呼ぶから、と役に立たないと判断された2人は取り残されたのであった。

 


 お菓子をぱりぽりと食べながら。

 たわいもない話をして。


「大きく、なったよねぇ」

 リアンがふと、真剣な面持ちでアリスを見据えた。

「?バニーのこと?」

 アリスは口をもぐもぐさせながら答える。

「・・・違うよ。バニーもだけど・・・ねぇ、アリス。こっちに来て、もっとよく顔を見せてくれる?」

 アリスは、一瞬戸惑った。

 リアンの意図するところがわからない。

「黙ってようかな、とも思ったんだけど。説明するにはこれがてっとり早いかなと思って・・・」



 リアンは、アリスの頬に触れると、少し悲しげな顔をした。

「やっぱり・・・覚えていないんだね。アリス・・・」

「・・・え?」


                                   〜続〜






中途半端な所で切れました。うふ。この先は想像しやすくてもしないこと(笑)!ゆっくりですが、書きたい話が少しずつ形になってきていて嬉しいです♪感想などありましたら、お願い致します☆

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