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第5話 夫婦な話☆

このカップリングは、想像していた方も多いのではないかと・・・。

「大丈夫だったかな・・・アリスさん・・・」

 ぽつりと呟くのは、爽やか代表、マスター。

 クイーンとリアン以外は、バニーたちとは別の場所へ帰っていた。そのため、マスターはアリスがこちらの世界へ来ていることを知らなかった。


 ここは、アリスが心な中で絶叫している屋敷から数100メートル離れた場所にあるマスターの屋敷である。部屋の中を、ほのかに紅茶が香る。マスターは珍しく上の空で紅茶をいれている。

 その、向かいには。

「・・・・」

 仏頂面のガーデン。

 なぜ、このツーショットなのかというと・・・。この2人も、実は夫婦だからである。

「・・・どうぞ」

 マスターは、紅茶をガーデンに差し出す。

「・・・・」

 その様子を一瞥しながら、ガーデンは紅茶を受け取った。その様を、気が抜けた表情で見つめるマスター。

「まずい」

「・・・え?」

 ガーデンが放ったその言葉を理解することに、数秒要した。

「え?す、すいません・・・!おいしくなかったですか!?もう一度入れなおします・・・!」

 あたふたするマスターの。

 腕を掴む。

「・・・そんなに、アリスが心配か?」

「・・・え・・・?」


 ガーデンは、まっすぐマスターを見つめる。数秒の沈黙が、数分にも感じられた。

 ガーデンは、がたんと音を立て、席を立った。そして、足早に部屋を出て行った。

「!!ガーデンさん・・・!?」

 後には、マスターだけ残った。



「お〜い、マスター!いる〜?」

 リアンはマスターの屋敷を勝手知ったると入り、マスターの部屋の前に来ていた。扉の向こうに、人の気配がする。

「?入るよ〜」

 返事がないことをいぶかしみながらも、リアンはそのドアを開けた。

「・・・・」

「・・・・」


 そこにいたのは。

 例の爽やかお兄さんではなく・・・。

「何・・・してんの?・・・ガーデン・・・」

 やさぐれガーデンだった。

「・・・別に」

 ふいと、そっぽを向く。そんなガーデンに。


 ははぁ。喧嘩したな。こいつら。と、思い切り悟るリアン。

「ところで、ガーデン。アリスを正式にうちの息子の婚約者にすることにしたよ」

 とりあえず。用件だけ伝えて。

 触らぬ神にたたりなし、で。

「・・・・あ?」

「それだけ。マスター借りていくよ。アリスの衣装合わせしてもらうから」

 早口で用件を伝えるリアン。

「・・・アリスを正式に・・・?どういうことだ?」

 アリスは向こうの世界の人間である。それを正式に、とは?しかも、さきほどシンクロを解いたばかりではないのか・・・。

「アリスが来たんだよ。こっちの世界に」

 リアンは、目を細め、そう言った。




「母さん、2階のつきあたりの部屋、誰の部屋だっけ・・・?」

「2階の・・・?」

「そうよ。私の隣の」

「あの部屋は・・・えっと、誰も使ってない物置じゃなかった?」

「だよねぇ。でも、ブレザーが置いてあるのよ。男子校の」

「男子校?変ねぇ。うちには男の子なんていないのにねぇ」

「隣の裕馬くんのかなぁ?」

「そうかもしれないわね、でも・・・何でうちに・・・?」


 ざわざわ

「なぁ、あそこの席って誰だっけ」

「あ〜?そこは・・・えっと、誰だっけ・・・?」

「は?お前ら何言ってんだよ。あそこの席はもともと誰もいなかっただろ」

「あ、そっか」

「んなことよりさ〜・・・」


 おかしい。

 おかしいだろ。


 裕馬は、その眉を寄せ、クラスメートの会話を聞いていた。

 

 そこは、アリスの席だろ?何で、誰もアリスを覚えてないんだ?

 クラスメートも、先生も・・・そして、アリスの家族までも。

「・・・どうなってんだよ・・・?」

 いたはずなのだ。あの、文化祭の途中までは。確かに。それなのに・・・。

 アリスは、突然いなくなった。

 この、世界から・・・。

「どう、なってんだよ・・・」

 もう一度、小さく呟く。

 その声は、クラスの喧騒の中で儚く散った・・・。



「泣くなよ〜・・・」

 そう言いながら、引きつった笑みを浮かべるのはリアン。

「そ、そうだよ、マスター!ね、泣き止んで・・・」

 必死になだめる、アリス。

「あ!紅茶とか飲みたいな!俺〜マスターのいれたやつ!」

 元気にリアン。

「・・・・ガーデンさんにまずいって言われました・・・」

 地雷を踏んだのは、リアン。

「リーアーン〜〜・・・」

「だ・・・だってぇ〜・・・」

 小さく話す、アリスとリアン。その前には、背を向けしくしくと涙を流すマスター。

 いったい、どうなっているのかというと。

 リアンがマスターを探し当てた時には、すでにこの状態だったのである。

 よくわからないが、ここにいたくないと言うので、アリスの所まで連れて来てみた。ちょうどバニーがいなかったということもあるが、一人でこのマスターをどう扱えばよいのかに困ったからだとも言える。

 そして。アリスはマスターとガーデンが夫婦だということにまず驚き。しかし、驚いている場合ではないことを悟り。

 そして。今にいたる。


「と、ところで・・・どうしてガーデンと喧嘩になったわけ?」

 こほんと、気を取り直してリアンが聞いた。

「・・・僕がいけないんです・・・。今日は帰ってきてからも、アリスさんのことが心配でぼーっとしてたから・・・それで、きっと怒ったんだと思います・・・」

 クスンと話すマスター。


 それってーーー!!

 ただのヤキモチなんじゃーーーーー!!?


 アリスとリアンの思考が合致したのは・・・言うまでもない・・・。

「やっぱり・・・僕はガーデンさんにふさわしくないんです・・・」

「そ・・・そんなことないって!!何でそんなこと言うんだよ!」

 マスターを嫁にもらって幸せでないはずがない!と、アリスは強く返す。

「・・・ガーデンさんには、妾さんがたくさんいるんです・・・」

 

 ガーデン!!!


 再び、アリスとリアンの心の叫びが合致したのは・・・当然ってことで。


 てか、マスターがこんなにマイナス思考者だとは・・・。とアリス。

 あ〜ぁ。ガーデンさえ余計なことしなけりゃ、いいお兄さんなんだけどねぇ・・・。とリアン。

 2人は、人知れず、ため息をつくのであった。


「ていうかさ!この国はおかしいんだよ。前回も、会えば愛人になれだの言ってきてさ。こっちの貞操観念ってどうなってるわけ?」

 アリスは、しごくまともなことを聞いてみた。

 ガーデンにしても!クイーンにしても!正妻がいるじゃん!!

「いや〜耳が痛いねぇ〜」

 というのはリアン。

「まぁ、あれだよね。生活に刺激が欲しいんじゃな〜い!?」

 あはははは!とリアン。・・・本当に、この男は・・・。

「いやいや、冗談抜きで。こっちは時間の流れがゆっくりだからねぇ。歳もとんないし。ずっと一人だけを愛していくってのも、難しいのかもねぇ・・・」

 リアンはふと、静かにそう言った。表情は相変わらず、読めないものだったけれど・・・。

「それって・・・」


 それって・・・何か、とっても寂しくない・・・?


 アリスの呟きは、言葉になることなく、宙に消えた。


「さてと、気を取り直して」

 リアンは、だいぶ落ち着いたマスターの方を向く。

「マスター、いいかげん浮上してアリスの衣装合わせしてくれよ〜」

「・・・?衣装合わせ??」

「そう。3日後にある、婚約者選別会でアリスが着るドレスよ」

「はぁ!!?・・・ドレス!!?」

「そうだよ!一番似合う格好しなきゃね!」

 こいつ・・・首しめたろか・・・。

「一人でんな恥さらせるか!!・・・!」

 ありすは、何かに気付いてにやっと笑む。

「・・・何よ・・・?」

 何か、嫌な予感。


「正妻様方も・・・ドレスがいいと思うんですがね」


 アリス。反撃開始。


                                〜続く〜



  


いかがでしたか?ガーデン×マスター。というか、いろいろほっぽッてる内容が・・・。次回、いろいろの説明を出します。あと、ガーデンとマスターの続きもね☆そhして、ドレスアップした面々も。ゼヒお楽しみに♪

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