第41話 秘密の花園・11
どうにもこうにも進まず・・こんなに間があいてしまいました。待っていてくださった皆様、スイマセン・・!どうにも、ソウと祐馬の2人は難しいらしいです。orzようやく書けました、花園11お楽しみください!
「今・・・何て言った・・・?」
ソウは、大きな瞳を。さらに大きく開いて。その執事へ、静かに問うた。
「は?えぇっと・・・今に、ヨウ様が・・・」
「違う。その後だ。王家、の・・・?」
あぁ、と、執事は思い出したかのように。
それを伝える。
「王家の馬車に乗ってきたとはいえ。あのような者、ソウ様には不釣合いでしょう。身なりも、身分も、そして、態度も不相応ですからなぁ」
その口が、よく動いて。紡ぐ。
「どんな・・人だったの?」
心臓が、まるで。
爆発しそうだ。
「短い髪をした・・がっちりしたタイプの青年でしたよ」
外見だけなら、ソウ様のお目がねにかかるかもしれませんね。
そう、執事は。
何も知らず、笑った。
その場から、どう出たかなんて。
覚えていない。
ただ。
ただ。
「祐馬さん・・・!!」
口を出たのは。
諦めた、あの人の名前。
「お願いです・・・。ソウに、会わせてください・・・!」
大切なことを。
まだ。
俺は、一切、伝えてないんだ。
「ソウに、伝えたいことが、あるんです・・・」
もし、この想いが報われないのならば。
それはそれで。
仕方のないことなのだと。
諦めて、しまうから。
ただ。
お願いだから。
この想いを・・・。
「・・・強情な子ね」
「諦めるわけに・・・いかないんです・・・」
ようやく。
覚悟ができたんだ。
ようやく。
知ることができたんだ。
なりふりかまわず。
人を愛するということを。
自分の生きた、世界を捨てた。
誰かのためにここまでするなんて。
自分でも意外すぎて、笑えてくるくらいだ。
だから。
だからこそ。
怖いものなんて。
何もない。
「ソウは、どこですか?」
「・・・教えるわけにはいかないわ」
祐馬と、ヨウの瞳が交差する。
しばし。
二人の間に重苦しい緊張が走る。
バタン
突然、扉が大きく開く音がして。
視線と、視線が交差した。
だいぶ、長い間。
会っていなかった気がする。
肩で息をしながら。
眼前に立つのは。
「・・・ソウ・・!!」
あぁ。
ようやく。
貴方に会えた。
「ゆ、祐馬さん・・・?」
思い切り、ソウを抱きしめた。
その祐馬の行為に、驚いたような声をソウが上げる。
「ソウ、ソウ・・!」
言いたいことが、あったんだ。
伝えたいことが、あったんだ。
それなのに。
出てくるのは。
貴方の名前だけ。
「ど、どうして・・ここに?」
ソウは、おずおずと祐馬の背中に腕を回し子供をあやす様に背をなでる。
祐馬は、ソウの肩口に顔を埋め。
小さく震えている。
「お前が・・好きなんだ・・・」
うめくような、小さな声。
「ようやく、覚悟ができたんだ・・・」
静かに、祐馬の口から出たのは。
ずっとずっと。
聞きたかった、愛の言葉。
ずっと、お前を傷つけてきた。
ずっと、見ないふりばかりしてきた。
ずっと。
ずっと。
無条件にお前は俺の傍で、愛を語ってくれると思ってたんだ。
「・・ゆ、ま・・・さん・・・?」
ソウの瞳が大きく見開かれ。
その瞳に、涙が溢れる。
「俺を、好きでいてください」
初めて紡ぐ、本当の、愛の気持ち。
初めて伝える、本当の、言葉。
「・・・はい・・!」
泣きながら、二人はしばらくその場で抱き合っていた。
強く、強く抱き合って。
その腕を。
離すことなく。
〜続〜
ようやく会えた2人。次で最後の予定です。だんだん・・・祐馬が祐馬じゃなくなっていく気がするのは私だけでしょうか・・・(遠い目)次の話は、ずっとシリアスが続いたぶん、明るくいきたいですね!長ったらしくなってしまった2人の話にお付き合いくださいまして、本当にありがとうございます!もうしばし、お付き合いのほどを・・・。