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第31話 秘密の花園・1

ようやく!戻ってきました!!アリス&祐馬コンビ!!・・・て、あれ?何か違うって?とりあえず。電波的な初回です(笑)

「じゃ、気をつけて行っておいでよ〜」


 にこやかな、リアンの見送りを後に。

 その可愛らしくもファンシーな。

 秘密の花園?的な扉を開いて、一歩踏み入ったそこは。


 ジャングルでした。


 完。


「って!!危うく話終わりかけたっつの・・・!!!」

「おお〜い!!久しぶりに初っ端から出張ってんだぜ!?こんなとこで終われるか・・・!!」

 

 そう、たとえ。

 電波少年的扱いを受けたとしても。


 そう。


 今回のお話の主人公は。

 最近とんと脇役に押され、影の薄くなっていた。


 この話の主人公、アリスくんと。

 その御学友、もとい悪友の祐馬くん。

 さてさて。そろそろ、主人公とその悪友というポジションを読者様に思い出してもらわねば・・・!と意気込んでの御登場が、これ。この小説の作者の質が知れるって話ですね。


 まぁ、そんな話は置いておいて。

 時間をちょっと、遡って。


「「あいさつ?」」

「そ!あいさつ!」


 この日、朝早くリアンに呼び出された2人が訪れたのはガーデンの管理する庭の、最奥にある高い塀に囲まれた花園の入り口だった。ここは普段、扉に施錠がしてあり勝手に入ることはできない仕組みになっている。アリスと祐馬も、ここにだけは勝手に入るなと、ガーデンから強く言われていた。

 その、花園に。

 リアンは今から入れと言う。

 しかも、だ。

 あいさつをして来い、と言った。

「あいさつって、誰に?」

 当然のごとくの質問を、アリスはリアンにした。

「行ったらわかるよ。ここには彼女たちしかいないから」

 にこにこと。

 リアンはいつもの飄々とした体である。

 質問を無視して、さっさと自分の作業を進める。

 かちゃりと、扉の開く音。

「彼女たちって・・・?」

「ここって、男しかいないんじゃないんスか?」

 そんな、少年たちの素朴な疑問も、リアンさんのマイペースという言葉の前には塵を通り越して、ゴミさ!!

「いいから☆行ってこ〜〜い!!」

 

 どん。


 がちゃん。


 扉から中へ突き入れて。


 再び、施錠。


 こうして。行き先も。

 目的も。

 すべてが曖昧なまま。


 花園とは名ばかりの。


 ここって、花園じゃなくて密林っすよね?的な場所へと、投げ出されたのであった・・・。


「・・・ちょ・・・!?」

「リアンさん〜〜〜・・・!!?」


 たまの登場で、この仕打ちかい〜〜!!と、2人は厚い扉の向こうに向かって。

 若さで叫ぶのであった。



「あらあら、おしろい。客人が入ってきたようね」

「まぁまぁ、本当ですわね。べにおお姉様」

「今回の依頼人は誰だったかねぇ?」

「リアンだったと思いますわ」

「リアン?あそこの子は数年前に授けたばかりじゃなかったかしら?」

「何でも、もう成人して婚約者を迎えた、とか」

「あらあら、もうかい?さすが、外来種が入ると違うねぇ。じゃあ、今回はその婚約者が来るのかい?」

「みたいですわ」

「じゃあ、もう1人の子は?」

「さぁ・・・?リアンからの手紙には何も書かれていなかったけれど・・・。あら、お姉様。リアンからの封筒の中に、もう1枚。封筒が入っていましてよ」

「おやおや、おしろいは相変わらずあわてんぼうだね。どれどれ、見せてごらん」


 クスクスクス。


 ふふふふふふ。


 悩ましい声が響く。


 むせ返るような、甘い、香り。



「・・・すっげー・・・匂いだ・・・」

 アリスと祐馬は、扉から入ってもう30分くらい道なき道を歩いていた。そこはまさに、手入れのされていない庭。否。やっぱ密林。という表現がぴったりくるような場所で。

 生い茂る草木を掻き分け。

 伸びたツルを掻き分け。


 それでもなぜか。


 導かれるように。

 足は止まることなく。

 奥へ、奥へと進んで行った。


「つーか、あいさつっていったい、誰にすんだろうな?」

 祐馬は、ふと、アリスに向かって言う。

 横を歩くアリスは、絡まるツタを乱暴にむしりながら。

「何のあいさつかもよくわからないよなぁ」

 はてなマークを飛ばしている。

「リアンさんは彼女たち、って言ってたけどな」

 可愛い女の子か?はたまた魅惑のお姉様系か?

 にやけながら期待する祐馬に。

 アリスは。

「大丈夫だ、祐馬、これだけは言える」

 今度は進路を遮る樹木をなぎ倒しながら。

「リアンの発言だけはあてになんない。きっと、かぼちゃ級の驚きが待ってる」

 真剣な目をして。

 人の儚い夢を打ち砕かないでください。

 つーか。

 まだ根に持ってたのか。かぼちゃ。


「あら〜、人をかぼちゃ呼ばわりするなんてひどいぼうやだこと」

「馬車と同レベルで語らないでほしいですわ」


 頭上から、女の声がした。

 そう思って、大木を振り返り。


 アリスと祐馬が目にしたのは。


「「・・・・・!!!!?」」


 たしかに。

 かぼちゃ級の驚きだったかもしれない。


 いや、2.8倍くらい驚き増しだったかな・・・。


「私はべにお」

 厚い唇に、けだるそうな瞳。ゆるくウエーブのかかった肩までの髪。ふくよかな胸。その唇には、キセルのようなモノが銜えられている。


「私はおしろい」

 同じく厚い唇にぱっちりの二重。こちらは黒のロングでストレートの髪が、何とも愛らしい。そして、こちらも。ふくよかな、胸。


 で、何が問題かと言いますと。


 べにおは赤の。


 おしろいは白の。


 それぞれ、椿のような花の花弁から。上半身を覗かせていたのだった。


 そう、彼女たち、は。


「「私たちは、この花園の番人よ」」


 上半身が人で、下半身が花、という何とも奇怪な生き物であったのだ。


「「ようこそ。ぼうやたち」」


 アリスと祐馬は。


 無性に帰りたくなったのだった・・・。


               〜続〜

前作がシリアスだったから、無茶苦茶この話書くの楽しかったです!!んも、馬鹿なノリ最高ですよね!!って誰に同意求めてんだ。私は。もっとアリスと祐馬の悪友&親友的な会話も出したいですしね。ちょっと楽しみなこのシリーズ♪そういえば、評価への返信機能ができましたので、今更ではありますが。アリスへの評価へ返信させていただいてます(笑)よろしかったら更に返信を。エンドレスで返信しあいましょう(笑)も一つ。アリスの番外編、クイーン×リアンをノクターン(ムーンライト)で書かせていただいておりましたが、無事完結いたしましたので。そんな性描写のキツイものではないとは思いますが、18歳以上の方で、サイト内容が大丈夫だという方はそちらも読んでみてくださいね〜。短編ごとになっております!ではでは、続きをお楽しみに〜!!

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