第24話 傷跡・5
やっとこの話の前半戦が終わった感じ・・・。ブラックとホワイトのくせに話が長いですね(笑)
はい。皆様こんにちは。アリスです。
えーと、今どういう状況かと言いますとね・・・。
ソウまで、眠りの世界に行っちゃいました・・・。
『何か、いい話したら眠くなっちゃった〜(そのいい話を最後の最後にブチ壊したのはアンタだ)。アリスさん!何か進展があったら起こしてくださいね〜!』
そう、言葉を残して。
ブラックとホワイトが寝ている、客室のキングサイズのベッドに潜り込んでいったのであった・・・。
そんなわけで。ただ今一人で呆けております。
手持ちぶさたになったアリスはつまらなそうに辺りを見回した。
すると、ベッドの脇に何か落ちていることに気付く。
「ん?何だろ・・・これ・・・?」
アリスは、それを拾い上げる。どうやら、ペンダントのようだ。拾い上げたそれを、角度を変えて見回していると。
急にペンダントのフタがあき、ザァっと何かがかすめる。
「わぁ・・・!?」
驚いてガシャンとそのペンダントを落とすと。その何かは揺らめき、そして。形を持っていった。
「立体・・・映像って・・ヤツ・・・?」
それは、形を作り一人の少年の姿となった。
どの姿は、どこかしらツバキとサクラに似ていたが、どこか柔らかく、人を安心させるような雰囲気を醸し出していた。
「・・・これが・・・スミレさん・・・?」
その顔には、どこまでも優しい笑みが、刻まれていた。
アリスは、ちらりとブラックとホワイトを見やると、もう1度立体映像にその瞳を移す。
それから、ペンダントを大切に拾い上げフタをすると、眠る2人の横にそっと、返しておいた。
ここは、どこだろう・・・。
とてもとても、暗い場所。
明かり一つ、ない場所。
隣には。自分の片割れがいるのに。お互いを見やることも、話をすることもできない。
「ブラック、ホワイト・・・」
声に振り返ると、そこには、いつもの笑顔のスミレがいた。そして、その唇が、言葉を放つ。
「愛しているよ・・・2人とも・・・」
そう言うと、スミレは炎に包まれだす。
スミレ・・・!!
叫ぼうにも、近づこうにも、動かないし、声も出ない。
そうしているうちに、スミレは見る間に炎に包まれていく。
その、笑顔のまま。
いやや・・・!!スミレ・・・!!!
手が、届かない。
スミレが、そこにいるのに。
そして、フッと炎が消え、ブラックたちはようやくソレに手が届く。
ソレは・・・。
無残にも足元に崩れ落ち。
指の隙間から、ハラハラと散っていったのであった。
いやや・・・スミレ・・・!!
置いていかんといて・・・!!
スミレ・・・!スミレ・・・・!!
「は・・は・・・!」
「ぅ・・・!」
2人は、同時に目を覚ます。
そこは、暗く、何もない場所ではなく。明るい場所だった。
額には汗がにじみ、その頬には涙のあとがくっきりと残る。
嫌な、夢。
そう、あの時の。スミレを殺した時の夢・・・。
「わ!?2人とも、どうしたの!?」
アリスは、起きた2人のその表情を見てギョっとした。
「・・・何でもないんや・・・」
ブラックは、小さな沈黙の後、その手の甲で汗と涙をぬぐいながらそう言った。
ホワイトも、涙の後をゴシゴシ消している。
「・・・ブラック・・ホワイト・・・」
「変な夢見ただけやから・・・気にせんといて・・・」
ホワイトは、力なくそうつぶやいた。
「ブラックとホワイトがそんなことを!?」
マスターの言葉に。
サクラは顔色を変えてテーブルに身を乗り出した。ツバキも渋い顔をしながら、つぶやく。
「・・・兄さんのせいだ・・・!何だってあの人は・・・!こんなことになるのなら、あの時、どうしてでも止めるんだった・・・!!」
「あの時って・・・?」
そのつぶやきに、クイーンが反応する。
「・・・それは・・・」
「話してみたらどうだ?少しは力になることもあるかもしれん」
ガーデンも、2人を後押しするように言う。
2人は、顔を見合わせた後、重い口を開いた。
「まだ、あいつ等・・・おるん?」
「あ、うん。そう・・・みたい」
唐突に、ブラックが尋ねる。
「まだおるんか・・・!わいらも下行こうで。何言われるかわかったもんやない」
ホワイトは、ベッドから降りると、つかつかと扉へと向かう。その後を、無言でブラックもついていく。
「ちょ・・・!?オイ・・!?2人とも・・・・!!?」
いきなりの行動に、アリスはどうしていいのか戸惑う。
そして、しばし迷った末。アリスも2人を追いかけ、階下に向かった。
「・・・あの2人には、話さないでくださいね」
きっちり、釘を刺して。ツバキは話始めた。
「・・・・兄さんには・・・別に恋人がいたんです」
〜続〜
はい、いかがでしたでしょうか。ちょこっと核心に触れつつ、終わった前半戦。・・・後半戦の内容・・・はや考えなな・・・。
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