第23話 傷跡・4
お待たせいたしました〜。今回はアリスとソウのお話が紛れておりますよ☆ではでは、本編へ☆
あと、前話のあとがきにも書きましたが、お知らせがありますのであとがきも読んでね☆
「何かびっくりしましたよね〜。まるで2人とも別人みたい」
ソウは、ブラックとホワイトの寝顔を見ながらしみじみとつぶやいた。
「本当。何か、らしくなかったよね」
そのソウの横で、アリスもうなずく。
ブラックとホワイトは、話の途中で疲れたから、と眠りについてしまった。残された面々は、それぞれに・・・悶々としていた。
「あぁ!!やっぱり気になる!!気になるところで話が途切れたぁ〜!ブラックたちとスミレさんとの間に何が!?」
突然発狂したように叫びだすリアン。
そのリアンを、2人が起きますよ、とマスターが咎める。だってぇと言いながら、リアン。
「・・・下に降りてみませんか?サクラさんたちの話も聞いてみたいし」
マスターは、リアンを咎めた後、思い立ったようにそう言った。
何だか、話が尋常じゃない方向に流れてきた今。
もっと確かな情報が欲しい。
「ん〜・・・そうだねぇ。そうしますか」
リアンも同じ事を思ったのか、腰を上げる。
リアンとマスターはそう言うと、静かに部屋を出て行った。
何となく。
その場に残ったのは。
アリスと。
ソウ。
そういえば。2人きりになるのって初めてだな・・・。
ふと、アリスはそう思った。
ちらっと横を見やると。そこらのアイドル顔負けの、清楚なお顔。男子校に通っていれば、きっとアリスと悩みを分かち合えたろう。そんな顔立ちに、雰囲気。
「・・・アリスさん・・・」
じっと横顔を眺めていると、ソウがこちらを振り向く。
「え?」
「あまり見つめないでくださいよ〜」
照れます。と顔を赤らめてソウは言う。
か・・・可愛い・・・。
なぜかアリスまで赤くなる。
「あ、や、・・・ごめんごめん」
そのアリスの様子に、クスっとソウは笑み。
「もう、あんまり熱烈に見られるとムラムラしてきちゃうじゃないですか」
にっこりと恐ろしいことを言いなさる。
「!!?」
皆様、お忘れかもしれませんが。
「なーんて。冗談ですよ。僕の好みはガタイのいい人なんです♪」
この可愛らしいお顔をしたソウくんは。
「今は裕馬さん一筋ですしね。ね、裕馬さんってヤリがいがあると思いませ・・・」
「わーわーわー!!!!」
バリバリの男の子くんだったのでした。
てか、黒い笑顔で裕馬の貞操を狙わないでくれ!!
と、いうか。
発言が教育指導ものです。
「もう!アリスさんてば可愛いんだからぁ」
・・・どこまで本気だ。あんた。
あぁ。何か。このノリは・・・。
リアンに似ている・・・。
遠くでそんなことを思いながら。
「・・・ていうか・・・ソウって、ほんとに裕馬のこと・・・」
アリスは、現実へどうにか戻って。
ずっと気になっていたことを聞いてみた。
「はい。愛してますよ?」
あ、そんなつぶらな瞳で言われると・・・めまいが・・・。
「最初はほんと、外見が好みだなって思ったんですけどね」
いや、うん。
確かに、裕馬はいい男だと思う。
身長もあるし、ほどよく筋肉もついてるし。
女の子にもモテるし。
「最近はもう・・・僕と目が合うだけでほのかに顔を赤らめてるところとか・・・」
え?誰がですかね??
「ふいにキスした時の驚く顔とか、抱きついたりちょっとイタズラしたりした時の何ともいえない表情に・・・ふふ。」
えっと。それは俺の知ってる裕馬くんと本当に同一人物ですかね?
ていうか、今何て?
い・・・いたずら・・・?
「ちょっともうそろそろ・・・押さえがきかないかなぁ・・・なんて・・・」
裕馬・・・!!!貞操の危機・・・!!!?
遠くを見ながら黒く笑むソウ。
アリスは。
悪友が遠くへ行ってしまう予感をひしひしと感じるのであった・・・。
「・・・や、やっぱり・・・」
打ちひしがれながらも。
アリスは、黒く笑んでいるソウにもう一つ、質問をしてみた。
ずっと、気にはなっていた、こと。
「何ですか?」
「その・・・し・・・したい、もん・・・?」
や、それは男だし。
その気持ちはよくわかるんだけどさ。
何分、勝手が違うじゃん?こっち(元いた世界)と。
だから、どうなのかな、とも思うわけよ。
「・・・アリスさんとバニー様って・・・もしかして、まだ?」
もう、耳から顔から赤くなっているのが自分でもわかる。
アリスは恥ずかしさをこらえながら、俯いたままうなずく。
出会って、もうだいぶん経つ。
両思いになってからも、どのくらい過ぎただろう。
相変わらずバニーは、その優しい笑みで、俺を見てくれる。
相変わらずバニーは、優しく、額や頬に、キスをしてくれる。
でも。
どれだけ一緒に夜を過ごしても。
バニーはそれ以上のことは決してしてこない。
いや、されても困るんだけど、ね。
それでも・・・。
俺に、魅力がないからなのかな・・・。とか、思ってしまうから・・・。
「すご〜・・・」
乾いた、ソウの声。
「や、やっぱ、ありえなぃ・・・?」
これだけずっと一緒にいて、手も出されないなんて、やっぱりおかしいよな・・・。
あ、何かちょっと、泣きそう、かも。
じわっと、目頭が熱くなるのをアリスは感じた。
「大事に、されてるんですねぇ・・・」
「・・・え?」
思っても、みなかった、こたえ。
思わず顔を上げたその先で。
優しそうな、どこか羨ましそうな、照れているような・・・ソウの笑顔と視線がぶつかる。
「それって、すごく大事にされてるんですよ。アリスさん。アリスさんの心の準備ができるまで、この世界に慣れるまで・・・きちんと待ってくださってるんですよ。きっと」
「・・・そ・・・なの、かな・・・」
「まぁ、わかりますけどね」
「・・・?」
ソウはアリスの声に出さない思いに気付いたのか、にこっと笑んで。
「バニー様を見ていたら・・・バニー様がすっごくアリスさんを大切に思っていらっしゃるのが」
あぁ。
涙が、溢れてくるよ。
「ふふ・・・僕はお二人がとっても羨ましいです。何だか、とっても理想なんですよ」
涙が。
溢れる。
「・・・お二人を見ていると・・・僕も、裕馬さんを大切にしなきゃって、思えてくるんです」
アリスは、溢れてくる涙をぬぐいながら。
「そうだよ。裕馬は俺の親友なんだから」
人に愛されて。
人を愛することって。
「絶対、大事にしてやってよ・・・!」
こんなにも、心が温かくなる・・・。
明るく笑うアリスに。
「もちろんですよ」
ソウも、笑顔で応えた。
「体の隅々まで、僕なりに大事に扱わせてもらいますよ」
―――いままでのプチ感動話を返しやがれ。
どこまでも、ゴーイングな。
ソウなのであった・・・。
「無理?」
クイーンは真剣な面持ちで裕馬の言葉を反芻する。
「えぇ。無理に明るく振舞ってるような気がするんです・・・。まるで・・・何かを必死に忘れようとしてるような・・・」
ガシャン・・・!
陶器の倒れる音が室内にこだまする。
テーブルクロスには、琥珀色のシミが広がっていく。
「・・・すみません・・・」
サクラは倒れたカップを無表情に元に戻す。
「何か拭くものはありますか」
「あ、これを」
サクラの問いに、裕馬は近くにあったナプキンを手渡した。
サクラはそれを受け取ると、琥珀色のシミをふき取り始めた。
一方、ツバキは相変わらず無表情ではあったが、どこか思いつめたような瞳をしている。それを横目に、クイーンとガーデンは静かに言葉を交わす。
「・・・何かあるな」
「あぁ・・・」
そうこうしていると、リアンとマスターが部屋に戻ってきた。
「ねぇ、サクラくん、ツバキくん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
リアンは、どかりとクイーンの隣の椅子に腰掛けると、間髪入れずに話を始めた。
「スミレさんのこと、聞きたいんだけど」
“スミレ”
その言葉に、案の定。
サクラとツバキはばっと顔を上げ、反応する。
その反応を見て、マスターが続ける。
「・・・ブラックさんたちが言っていたんです・・・。その・・・スミレさんは・・・自分たちが・・・殺した、って・・・」
〜続〜
いかがでしたでしょうか。久しぶりの愛の国物語(笑)裕馬危うし・・・というか、ソウが黒いよ・・・。書いていくうちにこんなキャラに・・・アレ・・・?そんなソウくんからお知らせです。
「こんにちは。ソウです。前話でも告知しましたが、作者が読者様への感謝企画をもくろんでおります。アリスキャラでの座談会を予定しているみたいなので、ゼヒ僕らへの質問や見てみたいシーンなどお寄せくださいませ。僕と裕馬さんのラブラブシーンが見たいとか、裕馬さんのドレス姿が見たいとか、裕馬さんの・・」「それはお前の希望だろ!!?」「裕馬・・・大変だね・・・。では、評価やメッセージお待ちしております☆」「!?ちょ・・・アリス!まとめんなよ!!」お待ちしております(^^