第21話 傷跡・2
まだまだ続きます。お騒がせボーイズのお話。次話より、タイトルに沿った流れになって行く予定です。
「どうぞ、紅茶です」
サクラと、ツバキの前に琥珀色をした紅茶が置かれる。
「すみません」
2人は静かにマスターに頭を下げる。
結局。埒があかないので、とりあえず、話をきこうということになって。
和やかだったその席に。どこまでも仏頂面の2人と。どこまでも不機嫌そうな顔の2人が加わって。何だかとっても楽しい感じなお茶会と相成ったのであった。
「・・・くつろいどらんと、はよ帰り」
それでもいまだ喧嘩ごしの姿勢を崩さないこの2人に。
「お前たちが帰るまでは帰らん」
どこまでも譲らない人たち・・・。
あ・・・胃が痛い・・・と、ちょっとか弱い人なら軽くストレスで胃に穴が開きそうな雰囲気の中。
深い、深い沈黙が続く。
「で?いったい何なんだ・・・?悪いが、説明してくれないか?」
クイーンは、はぁとため息をつきながらサクラとツバキの方を向き、そう言った。
「はい」
「説明なんかいるかい!!はよ帰れ!!よけいなこと言いなや!!!」
お前らがそんなだから説明が必要なんだっつーの・・・。
「バニー、ガーデン」
疲れたように、クイーンが2人を呼ぶと。
同様に疲れた顔をした2人がブラックとホワイトを羽交い絞めにし、その口を塞ぐ。
「ん〜〜〜〜!!」
「んん〜〜〜〜!!」
何だかバタバタ抵抗しているが、この際そんなことは放っておいて。
「それじゃあ、話してくれるか?」
クイーンの促しに、最初にツバキが口を開く。
「私たちは・・・幼い頃から婚約していたんです。何度か、お互いの家を行き来したりもしていて」
そして、その続きをサクラが受ける。
「そして、昨日をもって私たちは夫婦となったんです」
昨日をもって?
その言葉が引っかかったアリスは小声でバニーに話しかける。
「どういうこと?結婚式とかしてないでしょ?」
結婚したのならば、もっと大々的に結婚したことがわかるものではないのだろうか。
「あぁ、アリスは知らないんだよね。僕らの世界では婚約した時に“期限”を決めるんだ。で、その“期限”がくれば自動的に夫婦となるんだよ」
「へー・・・」
その説明を聞いて。
あれ・・・?てことは・・・。
俺とバニーにも、期限があるっていうことか・・・?
アリスの脳裏に、ふと疑問が浮かぶ。
まぁ、また聞いてみればいいか。
とりあえず、今は。
この騒動をどうにかしなくては・・・。
どんよりと、現実に戻るのであった・・・。
「は〜、そういうワケだったのね〜」
リアンは合点がいったというようにうなづいている。
ただあとは、その結婚を、理由は知らないが今になってブラックとホワイトがゴネている、と。そういうわけなのね。
「それって、親同士の決めたものなんですか?」
親の勝手な政略結婚。それを嫌がっているのではないか、とソウがその意を含んだ質問をする。
ソウの質問に、サクラはブラックを見やり答える。
「いえ、私たちも了解の上で、です」
そのサクラの答えに、今までガーデンに羽交い絞めにされていたブラックが、そのガーデンの腕に噛み付いた。
「・・・っつ!!」
「ガーデンさん!?」
ガーデンのその力が緩んだ隙に、持ち前のフットワークのよさでブラックはガーデンの腕をすり抜けた。ガーデンを心配し、かけよるマスター。
そんな2人を無視して。
ブラックはサクラを指差して抗議した。
「了解の上やて?5歳のガキに婚約じゃあ結婚じゃあの意味がわかるかい!!んなモン無効や!!無効!!」
ブチ切れブラックに対し。
「・・・俺は理解していた」
どこまでもさらりと。サクラが答える。
どこまでも・・・。
どこまでも・・・。
ブラックじゃサクラには敵わないだろう。と。その場にいる全員が思うのであった(ホワイト除く)。
「お・・・」
細かに震えながら。
「お前が理解しとっても・・・!わいは理解しとらんかったんや〜〜〜〜!!!」
ブラックは、その主張を。
どこまでも響かせるのであった・・・。
〜続〜
いかがでしたでしょうか。相変わらず更新がトロくて申し訳ありません;次話より話に展開が出てきますので。楽しみに待っていてくださいね☆
お知らせですが、ムーンライト(ノクターン)のほうに、クイーンとリアンの話をUP致しました。あまり過激なものにはしないつもりですので。大丈夫な方はそちらも読んでやってくださいね☆そちらにも評価や感想をいただけるとありがたいです。それでは、これからも“アリス”をよろしくお願い致します!