第1話 感動てきな再会!?
アリスな世界!の続編となっています。ボーイズラブとなっておりますので苦手な方はご注意を!
本日、アリスの通う学校では文化祭が行なわれる。
「アリスちゃ〜ん!〜頑張れよ〜!」
「アリスちゃん!俺も行くからな!」
あの事件があってからその後、アリスは普通に学校生活を送っていた。またシンクロするのでは?と心配もあったけど、今のところはそんな心配もなさそうだし。そう毎回毎回、シンクロされても困るって話だし。
そして、そんなことを考えながら日々は過ぎ。文化祭当日。例の。女装喫茶の本番なのである。朝からヤジをとばされまくっているアリスは・・・。むろん、不機嫌である。
しかし、文化祭の開始時間は待ってくれない。そろそろ着替えて用意をしなければならない。なんせ。アリスはクラスの目玉なのだから。そう思いながら、家庭科室の一角を陣取って作った控え室にこもってはや20分・・・。
「ア・リ・ス!どうした?機嫌悪そうじゃん!?」
みんな着替えていなくなってしまった控え室で盛大にため息をつくアリスの背中をたたくのは、悪友の裕馬である。
「機嫌だぁ?最悪に決まってんだろ!」
一人大道具に逃げた裕馬を恨めしく振り返りながら、アリスは言った。
「そんな顔してちゃ、お客に逃げられるぜ〜」
完璧に・・・ちゃかしに来てるだろう・・・。
そんな裕馬をさっさと控え室から追い出す。
「はぁ・・・やってらんね〜」
今までは、衣装合わせだ何だってアリスの衣装を着たとしても見るのは気心知れたクラスメートだけだった。それが。今日は外部の人間やら他の学年の奴やらと、不特定多数の人間にこの格好をお披露目することとなるのだ・・・。かといって、いつまでも控え室にいるわけにはいかない。アリスは覚悟を決めて、衣装に袖を通すのであった。
衣装はあの日と同じ、“不思議の国のアリス”をモチーフにしたものである。長いウエーブのゆるくかかった金髪と、青いワンピース。・・・どこまでも乙女チックな・・・。
アリスは鏡の前で衣装を再確認した後、家庭科室を出て自分のクラスに向かうのだった・・・。
「う〜・・・」
人のいない廊下を誰にも会いませんように、と祈りながら歩くアリス。知らず、緊張からか変な声が出る。
「やべぇ。緊張してきた・・・」
心臓の音が早くなるのを感じながら、アリスは歩みを止め、目をつぶって深呼吸をし気持ちを落ち着けようとした。大きく、息を吸う。
「わ!!!」
「ぎゃあ!!?」
ただでさえ、心臓がバクバクいっているところに、後ろから脅かされる。
つーか、心臓に悪すぎ。
「だっ・・・!?何すんだ!!?」
冗談が今は通じねーんだよ!こっちは!
そんな表情で振り返った、その先にいたのは・・・。
「どっ・・・どどど!?」
さーっと、アリスは全身の血の気が引くのを感じた。
何で!?
どうして!?
だって・・・!!!
お前は・・・!!!
「ハロー☆お久しぶり!アリス姫♪」
「リ・・・リアン〜〜〜〜!??」
やっと言えた言葉がそれ。
いやはや、またしても嵐の予感・・・。
〜続く〜
次あたりから、カップリングも公表していきます。誰が誰とくっつくのか、当ててみてくださいね(^-^)