09
くっそぅ……
私はとりあえず当時通っていた中学校へと走った。
とにかく確かめなきゃ!!
ペタペタペタペタ……
「グワァワァアアァ!!!!」
走りにくっ!!!!!!!
その場所から15分くらいのところに学校はある。
無我夢中で慣れないその足で走るが、明らかに不自然だった。
登校する生徒たちの注目を浴びている。
「ちょ、アヒルがいる!!」
「マジウケるし!!」
「お〜いどこ行くのぉ???」
ちょっと、私目立ちまくりぢゃんかっ!!!!!
そんな生徒たちの視線を感じながら中学の門へとたどり着いた。
ハァ…ハァ…ハァ…
私は門をくぐり見上げた。
そこにはとても懐かしい光景が広がっていた。
生徒たちが登校する中、その奥の運動場では朝練に励む運動部の生徒たちがいる。
その中のサッカー部員に堀内がいた。
あぁああぁ……懐かしいこの感じ。
堀内だぁ…
私は毎日ここで、あの堀内の姿を見ていたんだ。
それが今、また見れるなんて…
私は当時の再現映像を見ているかのようで、物凄く胸が高ぶった。
いつしか自分が本当に15歳に戻ったかのように思い感動に浸っていたが、我に返ってみると生徒たちが皆私を見ている…
しまった!!今の私はアヒルなんだ!!!
「わーー!門の前にアヒルちゃ〜〜ん!!!」
そう言って元気良く私の視界に現れたのは…
ヤイコーーーーーーーー!!!!!????
後ろには、ノゾミにチヤコもっ!!!!!!
さすが中学3年生……子供だ。
化粧っ気も全くない頃。
眉毛も皆太い…
思わず吹き出してしまいそうなのを堪えた。
「ナミおはよ〜〜!何?このアヒル〜〜」
ヤイコが私に話しかけた…??
「おはよ、私もビックリしたよ……突然真横に現れたんだもん」
そういえばさっきから私の横には一人の生徒が立っていた。
つい、懐かしい光景に見とれて気がつかなかったんだけど…
4年前の私!!!?
そう思って私はその少女を見上げた。
目が合った瞬間、心臓がドクン!と鼓動した。
わ………
私……………