04
「そんじゃ〜また集まろうね〜〜!!」
日も暮れたので四人は解散し、私は家に向かって歩き出した。
私は歩きながら過去を振り返ってみた。
今思えば、あの頃は毎日がチャンスだった訳だ。
学校に行けば堀内に会えてたのに…
なんでその間に伝えておかなかったのだろう。
今になって後悔してるなんて、遅過ぎるよね…
今もしここにタイムマシーンがあったら、迷わずあの頃に戻るだろうな…
そんな都合の良い事ある訳ないか。
そんな事を考えていて、気がつくと道を一本間違えていた。
「あれっ、行き過ぎちゃった。戻るのめんどくさいなぁ…」
仕方なくいつもの道に戻ろうかと思ったが、少し行けば遠回りにはなるけどもう一本家に繋がる道がある事を思い出した。
「最近全然通ってないし、たまには少し遠回りも良いか〜!」
気分を変えて私はそっちの道で帰ることにした。
しばらく歩いて行くと、そこには見慣れない店がいつの間にか出来ていた。
見たところ雑貨屋のようだ。
「へ〜〜!こんな店いつの間に出来たんだろ〜!ちょっと寄ってみよ」
私は中に入った。
戸を開けるとカラカラとベルが鳴った。
少し照明が弱く落ち着いた雰囲気の中、静かにクラシックが流れている。
そのお店は色々な国のアンティークなものを扱っているようだ。
雑貨は好きなのでついつい見て回った。
その時、私の目に一つの雑貨が飛び込んで来た。
「あー!これ可愛い〜!!」
それはアクセサリーが収納出来る小箱で、私の好きな太陽と月の絵柄の入ったおしゃれな物だった。
値札を見ると¥1500とある。
「いーなー。高くないし買っちゃおうかなぁ〜」
一人ではしゃいでいると後ろから声がした。
「おや、その小箱がお気に召しましたかな」
そう言って現れたのは店主だろうか…
丸いレンズの眼鏡をかけ、鼻の下に髭をはやした60代くらいのおじさん…
うおっ!!
骨董屋にいそうないかにもな雰囲気で、そのキャラに思わず反応してしまう。
「あ、はい、コレ下さい」
私はそのおじさんに手に取った小箱を差し出した。
おじさんは小箱を受け取ると語りだした。
「貴女はラッキーな人だ。これはただの小箱ではありません。昔からこの小箱には精がおるという言い伝えがありましてな。きっと貴女のお役に立つでしょう」
「は…はぁ」
ブーーー!!!
おっさん!!面白いよ!!!
私は吹き出しそうになるのを必死で押さえた。
会計を済まし、丁寧に梱包されたそれを手にした。
「まいどあり」
私は店を出ると、再び家に向かい歩き出した。
「商売上手いなぁ〜〜!!変わった物が多かったし、おっさん雰囲気あり過ぎ!!あんな風に言われたらホントに何かありそう〜!ランプの精とかツボとか…??」
私はとても楽しくなった。
「でも、1500円の普通の小箱だし〜。まぁ、気に入ったから良いけどね!」