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「俺、ずっと好きだったんだ。その子が」
え?
嘘……!?
何て……?
で…でも私だって事一言も言ってないし……
もしかして私だって気がついてない???
え?
でも好きだったって事は知ってるよね……?
嘘嘘!!!
や、でもここで絵描いてたの私以外にもいたかもしれないし、
あれ?
でも写生って3年生の時にしかやってないし。
えっとえっと……えぇ!!?
「アヒルが逃げた日にさ、必死で追っかけてきたその子に応援されて、すっげ嬉しくってさ。大会で優勝したら告白しようと思ってたんだ。でも決勝で負けてさ。ガキって馬鹿だよな〜!そんなことにこだわって結局言えずじまい。そのまま卒業しちゃって」
今物凄く大パニックです。
唖然としてると堀内が照れながら笑い出した。
「ここまで言って気がつかない?俺ショックだな〜〜」
堀内が私の事……
うそぉ!!!!
ほんとに!!!??
「でさ、あれってやっぱ誰かを描いてたの?」
「そ…それは!」
堀内の事描いてたなんて、恥ずかしくて言えないよ!!!!!
「なんだよ!隠すなよな!!俺だってぶっちゃけたんだからさ!」
いきなりの告白で心臓が爆発しそうなのと、恥ずかしいのとでもう死んでしまいそうだ。
でも、今なら私も言えるかも……
と言うか、今がそのときだ!!
「私……」
「ん?」
私はもう思い切って全部をぶつけた。
「私堀内の事が好き!」
「え……」
堀内が驚いた。
目を丸くして固まっている。
少しして堀内は顔を斜め下に反らした。
あ、良く考えたら、堀内は過去の事を言っただけで今の事ではなかったんぢゃ……
なのに私は今好きって……言っちゃっ………た。
ど、どど…どうしよう!!!!
恐る恐る堀内の顔を見上げた。
困ってる……!!!
あ〜〜〜早とちりしたぁああ!!!!!!!
そう思っていると堀内が沈黙を破った。
「マジ…で……」
うわーーーー!!!
やっぱり流石に卒業してからも好きだったとか引く??引くよね!!???
俺そんなつもりじゃ……
とか言われるのかな……???
ひえぇええぇぇん!!!!
ほんとにこれで終わっちゃうよぉ!!!!!
うわぁあぁん!!!!!!