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途中で堀内は他の同級生に声をかけられ、「話せてよかったよ、サンキュな!」と言い去ってしまった。
私もヤイコたちのいる席に戻った。
「ちょっとナミ!結構楽しそうに話してたじゃん!!!」
「何話したの??」
三人が興味津々な顔で詰め寄ってきた。
「あはは、アヒルちゃんの話してた」
「アヒルぅ??」
三人はなにそれ?という顔で少し考えていたが、やっぱり記憶にはないようだった。
でも堀内と思い出を共有できた事はほんとに嬉しいと思う。
あんな風に話せるなんて思ってもいなかったし、勇気を出して声をかけて良かった。
だけど、やっぱり気になる。
堀内が知りたかった事がなんなのか……
楽しい同窓会の時間はあっと言う間に過ぎていった。
その後は堀内とも話すことがなく、特に進展もなかった。
堀内の事が好き。
でも、そう思うほどに苦しくなってくる。
6年前からずっと好きだったなんて、突然言われたらどう思われるだろう。
伝えたところで私はどうしたいんだろう。
その場で振られて、これで終わってしまうのだろうか。
なんだかそれも寂しい気がした。
そんなことを考えてモタモタしてるうちに解散となってしまった。
名残惜しい気持ちを胸に皆が会場を後にしていく。
堀内の姿ももうなかった。
最初の勢いはどこに行ってしまったんだろう。
15歳の私はあんなに頑張れたのに、私は目的を目の前に退いてしまった。
ヘタレなのは今の私のほうだ。
煮え切らない気持ちのままヤイコたちと帰ることにした。
「ナミ、堀内に連絡先聞けた?」
ヤイコがそっと私に聞いてきた。
「あ、聞けなかった……」
話しかけるだけで精一杯でそんな余裕はなかった。
結局繋がりは持てず、私はここで足を止める事になったんだ。
ため息をついて落ち込む私の背中をヤイコが優しく撫でた。
「でも頑張ったねナミ!偉かったよ」
ちょっとだけ泣きそうになった。