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タイムトLOVEル(修正版)  作者: No,318
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3/37

03

ヤイコが少し考え、思いついたように発言した。


「ナミ…もしかして堀内のこと…?」


ズバリ名前を出されるとドキッとする。


私が今想う相手の名前は堀内優(ほりうちすぐる)


「うん…実はさ、どうしても忘れられない気持ちがあってさ、それに気づいちゃったんだ」


私が中学1年の時から堀内の事が好きだった当時の事は3人も良く知っている。


「え、それってあの頃からずっと??」


ノゾミが指を一本一本折って年数を数えだした。


「でも結局片思いのままで告白もしずに終わっちゃったよね?その後何人かと付き合ってきてるじゃん??その時も忘れてなかったって事???」


ヤイコが鋭い質問をしてきた。


「その時は確かに、堀内への恋は終わったと思ってたよ。付き合った人のこと好きになったし。でも正直別れる度ホッとしてたんだ。そりゃ、浮気された時は腹も立ったけど、私、浮気されちゃうくらい「つまんない彼女」にしかなれなかったんだよね…。どんなに好かれても私は応えられなかったんだ。終わったと思ってた気持ちは封印しただけだった。今回それに気がついちゃったの」


話を聞いていたヤイコはまたも鋭い質問を投げかけてきた。


「ちょっと待って、ナミのその気持ちって、いつのものなの??それって結局あの頃の気持ちが残ってるだけであって、今の気持ちではないんじゃないのかな??」


それを聞いていたチヤコも質問をしてきた。


「あ〜そうだよねぇ。再会をきっかけに〜とかなら分るけど…会ったりしたの??」


会ってはいない。


中学3年間ずっと片思いをしてきた堀内。


伝えたい気持ちを胸に毎日を過ごした。


告白するチャンスが一度だけあったけど、逃してしまった。


恥ずかしさのあまり、違うどうでもいい事を言ってしまった。


結局、気持ちを伝えることのないまま卒業し4年。


一度も会ってはいない。


少し目が覚めた。


「ううん、会ってないな…そっか、そうだよね。これって告白しなかった事をいつまでも悔やんでるって、ただそれだけなのかも…」


相手の気持ちを知る事のないままになってしまった恋だから、自分の中でも終わることが出来ずにいただけ。


パソコンの電源がエラーを起こして切れず、強制終了を待っている状態…と言うのだろうか。


「そうかもしれないよ。それに片思いって幸せしかないじゃん??きっと思い出が美化されて心の中にずっと残ってるんだよ。」


ヤイコが言った。


「そうだね、それはいい事だと思うよ。堀内のことはいい思い出として大事に残せばいいし、今は寂しいからそうやって思えちゃうだけなんじゃないかな。本命だってまだこれから現れるんだよきっと!!」


ノゾミも言った。


「ナミ!一緒に良い男探そうぜぇ〜〜!」


チヤコが私の肩を叩きながら言った。


「皆…ありがとう」


私は寂しいのか……だから楽しかったあの頃の気持ちで自分を慰めてるだけなんだ。


終わりがなかった恋だから良い思い出しかない。


その相手が堀内だったから、そう思うだけ。


でも……


そう思ったときにヤイコが言った。


「だけど、こんなにナミの心の中にいるんだったら、あの頃伝えておけば良かったかもね…ちょっと勿体無い気もしたよ」


同じ事を私も思っていた。


いくら自分の中に堀内が存在してても、その気持ちは堀内には伝わってはいない。


別に振られてたって良かったんだ。


あの時に好きだった事をちゃんとあの時に伝えておけば良かった。


その後も数時間色々語り合い、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

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