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ガサ…ガサガサ……
物音に気がつき目を覚ました。
視界にはぼんやりと一人の少女が写った。
ん…?
あれ??
その少女にはっきりと気がついたとき叫んだ。
「グワアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ひぃっ!!!ご、ごめん!!起こしちゃったかな…あんまり気持ち良さそうに寝てたから静かにしてたつもりなんだけど……」
だあああああああああああ!!!
しししししししししまったああああああああ!!
今何時!?
今いつ!?
ここどこ!!!?
あ、ここは小屋の中。
ってちょーーーー!!!
やばいよやばい!!!!!
しくじった!!?
私はもはやパニック状態。
もう正しい判断も作戦どころでもない。
この願いが台無しで終わる…
私はここまできて何も出来ないのか。
「ゴメンね、もう終わったから、ゆっくり寝てね!!」
そそくさと後片付けをして小屋を出ようとしたナミに気がつきハッと我に返った。
小屋の扉が閉められる瞬間…ヤバイ!!!
「グワアアアアアアア!!!」
待てーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
私は叫んで扉の方へ走った。
物凄い剣幕だったんだろう。
ナミは恐怖で顔を歪ませた。
「ひぃ!!!」
ナミが扉から手を離した。
今だ!!!!
私は思いっきり扉に体当たりした。
ガシャーーーーーン!!!!!
流石に衝撃が凄く、頭の上でひよこがピヨピヨと飛んでいた。
いけない!!走らなきゃ!!!!!
私はとにかく逃げ出した。
「やだ、待ってよ!!!アヒルちゃん!!!」
ナミが必死で追いかけてきた。
しかし、ナミは運動音痴で足が遅く追いつけない。
作戦通りにはいかなかったけど、結局行き当たりばったりだけど、とりあえず堀内を探そう!!!
どこ!?
どこにいる!??
グランドを掛けながら探すも堀内の姿はない。
グランドを抜け部室を覗く。
「あ、え、アヒル…?」
そこにも堀内の姿はない。
すぐに部室も後にする。
その奥に進むと倉庫があり、そこに堀内がいた。
堀内は一人だった。
よっしゃーーー!!
めっけ!!!!!
ここなら誰もいないし!!!
あとはナミをおびき寄せて……
そう思って振り返ると、ナミはまだグランドの向こうを必死で走っていた。
私は一度グランドに戻り、ココだ!とばかりに叫び再び倉庫の方へ走った。
ナミはそれに気がつくとまた必死で後を追って走ってきた。
私は堀内の元へ行く。
「グワッワ!」
やっほ!!
「え!お前なんで!??」
いいから何も言わずにちょっと捕まえててよ!!
私は堀内の周りを低速度でウロチョロした。
堀内は私を慌てて捕まえた。
「お前もしかして逃げてきたん!?」
堀内に大人しく抱えられた。
丁度そこへナミが息せき切らして現れた。