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その後の記憶も思い返ってみた。
特に進展もなく、行動もなく、いつも通りの時間を過ごしていた。
確か、一度だけ二人きりになるチャンスがあって、私はその時気持ちを打ち明けようとしたんだ。
だけど、緊張しすぎて、どーでも良いような違う事を言ってしまって…
結局気持ちが伝えられないまま卒業を迎えてしまったんだ。
私が大事にしまっていたあの写真は、卒業式のときにクラスメイト数人で撮った集合写真で、唯一堀内と私が一緒に写る写真だ。
そうして別々の高校に進学し、終わりのない恋は強制終了をするしかなくなり、堀内への想いも胸の奥底に仕舞い込んで新しい恋をするも、私の恋愛遍歴は最悪な結果を迎えるばかり。
はっきり終わりを告げた恋は綺麗サッパリ吹っ切れている。
ハッキリしない事は嫌い。
どうして、堀内にはちゃんと気持ちを伝えなかったんだろう。
好きな気持ちだけで十分な、子供だったからだろうか。
後悔する事になるなんて思いもしなかったんだろう。
でもこのままだと私自身の為にならないんだ。
何としても明日中に終わらせなきゃ!
ジジィはその後の未来は変えられないと言っていた。
それは私が堀内と付き合えるようになるわけではないという事。
振られることに間違いはない。
でもそれでいいんだ。
それさえ出来れば、私はやっと思い残す事はなく前に進めるんだから。
何としてでも気持ちを伝えさせてやる!
私は過去の記憶を振り返り、改めて目的を思い出した。
明日、すべてを変えてみせる。
よし!!作戦会議だ!!!!
私は明日いかにチャンスを作り出すか、作戦を考え始めた。
二日目朝。
よ……よし、作戦出来たぞ……
私は夜も寝ないでひたすら作戦を考えていた。
アヒルになったからだろうか、思考がいつもより足りないようで、随分と物事を考えるのに時間がかかってしまった。
とにかく行き当たりばったりでは駄目なんだ。
気がつけばもう夜は明け、朝日が昇っていた。
今日の当番はナミだ。
これはさすがにジジィが願いを叶えてくれるまさにその瞬間に違いない。
この時を逃す事もない。
もうすぐ、私の願いは叶う。
長かった…
この4年間ずっと、この胸の中に押し込んできた気持ち。
今日、やっと開放できるんだ。
結果なんかどうでもいい。
ただ、もう閉まっておけないこの気持ちを、この気持ちが一番最高にあったこの時に、伝えてしまうだけ。
そしたら明日から、私はスッキリした気持ちで新しい毎日が送れる。
これから現れるであろう新しい彼氏と今度こそ上手くやるんだ!!
私は早々と嬉しさで一杯になった。
よし!失敗は許されない!!
ここにいられるのもあと半日だ!
チャンスは一回だけ!
まさかアヒルが仕組んでるなんて思わないでしょ…
あっはははははははは!!!
作戦を思い返してると、急に睡魔が襲ってきた。
トロン……
コクリ………
はっ!!
いけない!!!!
ちゃんとやり遂げるまでは!!!
あとちょっと…
もうちょっとで……
終わ……る……