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タイムトLOVEル(修正版)  作者: No,318
past
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それから間もなく部活動に入部することになり、私は絵を描く事が好きだった為美術部に入った。


部室はグランドに面した校舎の3階一番奥の美術室。


数日後部活動の時間にポスターカラーを使って絵を描く為、窓際の水道へ水をくみに行った時ふと窓の外を見た。


広いグランドでは3つの部が活動をしている。


一番手前では野球部、その右手にソフト部、そして野球部の奥にはサッカー部。


何気なく眺めていると、見覚えのある姿をその中に見つけた。


「あの人だ…」


私はサッカー部の中にあの瞳が印象的な彼の姿を見つけたのだった。


入部したてで基礎練習をしているようだけど、一生懸命に取り組む姿にもまた心奪われた。


その日から私は部活の時間は窓際の席に座り、彼の姿を眺めるようになった。


遠目ではあるけど、しっかりとその姿を見つけることが出来る。


眺めすぎて顧問の先生に時々注意される事もあった。


運動部は朝練もあるため、私は登校したら必ず堀内の姿を眺めてから教室に向かっていた。


そんな風に見ている日が1ヶ月くらい続いた。


学校生活にも慣れたころ、同じクラスのヤイコ、ノゾミ、チヤコとも仲良くなり放課は一緒に過ごすようになった。


皆部活はバラバラだったけど、今も時々ご飯を食べる程この時からとても仲が良かった。


ある日音楽の授業の為、ヤイコたちと音楽室に移動する廊下の途中で私はふと窓の外に男子生徒が数名集まっているのに気がついた。


気になって見ているとその中に堀内がいた。


心臓がドキン!と大きく鳴った。


何があるのかと思って窓に近づいて見ると、そこには迷い込んだであろう子猫が一匹いた。


男子生徒らは草でじゃらしたり、撫でたりして子猫と遊んでいる。


堀内も楽しそうに笑いながら子猫を愛しそうに撫でていた。


手に擦り寄る子猫に嬉しそうな笑みを浮かべた時、私は胸に違和感を覚えた。


窓の外を見て立ち止まる私に気がついた3人に呼ばれ、私はその場を去った。


トキメキを初めて感じ、恋の始まった瞬間だった。


その後2年間は違うクラスだったけど、「堀内優」と言う名前だという事、誕生日、血液型、5歳の時からサッカーをやっているという事などを知った。


そして部活の時間毎日見ていたため、いつしかサッカーをしている姿を一番好きになり、そんな彼の姿を描いてみたいと思っていた。


3年生になり運命の瞬間がやってきた。


クラス割が貼り出され見ると、同じクラス内に私と堀内の名前を見つけた。


この一年間は毎日教室でもあの堀内と会える事になってとても嬉しかった。


朝練を終えて教室に来た時は、偶然を装ってすれ違ったりして「おはよう」と声をかけたりした。

堀内は笑顔で「おはよ!」と返してくれた。


時々何気ない一言二言を交わす程度だったけど、毎日が楽しかった。


一度だけ、席が隣にもなった。


授業中うっかり私がシャーペンを落としたときは拾ってくれて、堀内は小声で「はい」と言いながらあの時と同じ瞳をして渡してくれた。


受取る時に一瞬手が触れてしまって、「はうぁ!!」と変な大声を出して結局また落としてしまって、皆にも注目されてしまった事があった。


逆に堀内がある日、消しゴムを忘れて筆箱の中を一生懸命に探してる事に気が付いて、私は自分の消しゴムをカッターナイフで半分にして堀内にあげたりもした。


堀内は「サンキュ!」と言って受取ってくれた。


その消しゴムは世界にたった一個の、堀内と私の二つで一つになる消しゴムになった。


そんな風に過ぎる毎日の中、部活では写生をすることになった。


3年生は学校生活の思い出の風景をテーマに写生の課題が出たのだった。


私はもう描くものは決まっていた。


場所を探していると、グランドの奥に古く使われていない小屋を見つけた。


そこからはサッカー部のグランドが良く見え、堀内を描くには最高の場所だった。


そして私はこの場所で堀内を描いた。


それが丁度今である。


写生は本来風景が目的であるけど、その中に人物がいることは特に問題ではない。


だけど私は明らかに被写体は堀内がメインの絵を描いた。

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