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タイムトLOVEル(修正版)  作者: No,318
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02

私の名前は成田聡美(なりたさとみ)


略して通称「ナミ」。


19歳で、県内の芸大に通う一年生。


ご承知の通り、先日彼氏に振られた。


「ナミ!こっち!」


今日は学校帰りに中学の同級生のヤイコ、ノゾミ、チヤコと地元のファミレスで再会する日。


三人とは中学卒業後別々の高校に進学し、大学生になった今もたまに集まっては近況報告などをしている。


「ごめん!遅くなっちゃって…」


この日は前に会ってから4か月振りの再会だ。


一番最後に着いたのは私だった。


挨拶も早々に皆でフリードリンクを注文し、早速お互いの近況質問が始まった。


「最近ど〜なの?あの彼とは〜」


チヤコがノゾミに聞く。


「あ〜別れたよ。今は年上なんだぁ〜」


ノゾミは頬杖を付きながら答えた。


「え〜!いつの間にぃ!?ノゾミはいつも早いよね〜別れるのも付き合うのも〜」


少し呆れ混じりにヤイコが言う。


「私なんて一年もフリーなのに〜!!一体どこでそんなに出会いがあるのよ〜一人くらい紹介してよ〜!」


悔しそうなのはチヤコだ。


「ま〜いろいろね〜☆」


さすが、すっかりオネー系のノゾミ。


聞くところによるとノゾミはフリーの時がないらしい。


「ねーナミは?」


「えっ!?」


ヤイコからの質問に私は思わず飲み物から口を離した。


「彼氏〜〜〜」


「あー…振られちゃった」


彼とは1年ちょっと付き合いが続いていたので、まさかの展開に三人ともビックリした。


「えー!!何で!?結構続いてたのに!!」


一番ビックリしたのはチヤコだった。


「うーん…他に好きな子出来たんだって」


苦笑しながら答えた。


「うっそ!!最悪そいつーー!!」


今度は怒り出すチヤコ。


「そんな奴さっさと忘れちゃえ!!!」


ノゾミが言った。


その後も三人は彼の悪口を言っていたが、私は何も感じていなかった。


ホントは傷ついてもなんとも思ってもいない私のほうが最悪なのかも…


「元気だしなよ〜ナミ!!」


ヤイコが励ましてくれた。


「うん、ありがとう。でもホント平気なんだ…」


むしろ開放感に安心しているくらいだ。


そして私には、今想う人がいる…


私は思い切って三人に今の気持ちを打ち明けることにした。


でも打ち明ける事には少し勇気がいった。


みんなの顔色を伺うように切り出した。


「あのさ、変なこと聞いてもいいかな?」


三人が私のほうを見る。


「どうしたの??」


ノゾミが興味を示してくれた。


「うん………昔好きだった人とかって、時々気になったりしない??」


何となく皆の顔を見れず視線を目の前のグラスに向けながら聞いた。


「え?昔って…中学とか??」


チヤコが答えると、すかさずノゾミが答えた。


「ないない〜!!元彼ならともかく、中学って言ったら片思いで終わっちゃってる奴らでしょ〜??」


はっきりと否定されてしまった。


「そっかぁ…」


やっぱり付き合った人がいる場合、片思いで終わった相手の事なんて記憶の片隅にも残らなくなるものなのかな。

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