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ガチャン!!
………ガチャン?
松崎先生が小屋の戸を閉め、鍵をかけた。
ちょ、ま!!
先生私まだ中にいるんですけど!!!!
「おーし帰るぞ〜!」
松崎先生が皆に言うとゾロゾロと小屋を後にして行ってしまった。
私はアヒルで、
アヒルが迷い込んだ学校で預かってもらえる事になって、
飼い主見つかるまで皆で世話してくれて、
そのための小屋があって、
鍵も閉められて、
えーーーーと、
駄目ぢゃーーーーーーーーん!!!!!!!
駄目だって!!!
ちょっと行っちゃ駄目!!!
鍵は開けといてよ!!!
ちょっとーーー!!!
私の声は無残にも、ただのアヒルの声にしかならなかった……
不覚だった……
これぢゃチャンスどころぢゃないよ……
あーーもう!!なんでアヒルなのよ!!!!
とりあえず言葉が通じないのは痛すぎる!!!
事態は振り出し以下になってしまった。
とにかく考えなきゃ!!!
アヒルの私は寝床に座り込み、作戦を考え始め……
zzz
zzz
いつの間にか夢の世界に。
転寝から意識が戻ってくると、なにやら騒がしいのに気がつき目を覚ました。
だぁ!!!寝てたし!!!!
ハッと我に返ると、少し離れた場所で声がするのに気がつきその方向を見た。
小屋は丁度、サッカー部のグランドが見渡せる位置にあった。
そこではいつの間にか、部活が始まっており、その中に堀内がいた。
あ……なんだろ、あの堀内知ってる。
私の中の記憶で一番強い堀内の姿だ。
丁度こんな風景で……
でもなんでだろう……
そんなことを思いながら見ていると、後方から物音がした。